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児童文化研究会―部室にエレクトーンがやってきたー(1972年4月)

はじめに

幹事長が唐突に
「部室にエレクトーンが来る」と告げた。

神戸大学にある音楽系のサークルを押さえて
晴れてエレクトーンをお迎えすることになった。

文化財(影絵劇、人形劇、音楽劇、児童劇)の効果音作成に必須だと訴えたそうだ

画像は新響楽器さんのHPにあったものだが、
まさにこのタイプのエレクトーンがやってきた。

https://shinkyo-gakki.co.jp/lesson/post-126247/

こどものバイエル

児童文化研究会には
教育学部がある。
小学校の教員になるにはバイエル修了が必須。

https://shop.zen-on.co.jp/item/detail/170011/

幼少期からピアノを習っている部員も大勢いる。

私は一日中部室に入り浸っている生活だったので
エレクトーンにチャレンジすることにした。
子どもの頃からピアノを弾いていた
女子部員に「子供のバイエル」を借りた。

連弾

バイエルのはじめのほうは
右手のパート
片手で一音ずつ押さえるだけ。

ただ、最初のほうは、「先生」パートがある。
女子部員:私が先生パートを弾くから一緒に弾こっ

エレクトーンの椅子に二人で腰掛けて連弾をした。
私は短音の連なりを弾いているだけなのに
和音を伴った極上の曲になり、
もはや天国にいるような気分!
これは病みつきになる。

連弾の天国のような日々は、教師パートがなくなるまで続いた。

音楽室

部室からさらに山登りをしたところに教育学部があり、
教育学部にはピアノ棟がある。

ピアノ棟は2階建てになっていて、
2階は音楽科の学生専用。
2階からは不協和音が連続する楽曲が階下まで聞こえてくる
難解な曲に挑戦しているのだろう。

ピアノ棟の部屋は防音仕様。
影絵や人形劇のセリフ収録に使用していたので存在を知っていた。

1階の部屋は誰でも使用できる。
たいていの場合、空室があるので
「バイエルならやはりピアノだよな」ということで
ピアノ棟に熱心に通ってバイエルを最後までやり切った。

エレクトーン

バイエルを終了したので
エレクトーンの楽曲集を買ってきた

ムードミュージックの両手は
バイエルの最後の方よりやさしい

すぐに足を入れて弾くことができるようになった。
ピアノと違い、音量は右足のペダルの踏み加減で
決まる

お気に入りは
Fly Me to the Moon

教育学部音楽科

4年生の時に、入部した教育学部音楽科の1年生が
あ、エレクトーンがある。初めてだけどやってみたい。
矢野さん、楽譜ある?
と聞いてきたので楽譜を渡したら

まず、両手パートを初見で弾く
1年生:足パートを入れてみたいけど、鍵盤これ?
大きいね

足元を注視しながら、足パートを追加して弾き始める。
楽譜は見ていない。
両手パートを1回弾いただけなのに
2回目で両手+足を完璧に演奏した!

その曲、難しくてわたし弾けないんですけど・・・
音楽科すごい!

その後

いろいろな楽譜を購入しては
エレクトーンを楽しむことができた8年間だった。

機械技術研究所に入所してからも
簡易キーボードを購入して時々弾いていた。

バイエルレベルなのに、
全く楽器を演奏したことのない人から
「鍵盤楽器が弾けてすごい」と言われることがあり
なんだかこっぱずかしかった。

おわりに

奇跡的なエレクトーンとの出会いにより
右手と左手が別々に動くようになった。
下手の横好きで終わったけれど
そろそろMIDI端子のあるキーボードを購入しようかな

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YANO Tomoaki@
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