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随筆#2 花火大会

昔、母親と一緒に地元の祭りに綿菓子を買いに言った記憶がある
何気ない時間だったが、妙に記憶に残っている

昔、父と共にスポーツ少年団のBBQに参加した
その帰り道父の運転がとても速く、助手席で小さく怯えていたことが妙に記憶に残っている

両親や祖父母、または親戚や大人と過ごした何気ない瞬間は子供の記憶に深く刻まれる時があるのだろうか

昨日、安倍川の花火大会があった
去年の花火大会は私がコロナに罹っていたのでTVからドローンショーを見ていた
今年は遠くからでもいいから実物を見せてやりたいと、妻と私は自転車を走らせ見える場所を探し回っていた

19時30分スタートの花火は大人からするといい時間の始まりだが、健康的なスケジュールで生活している3歳児からすると寝る直前のスタートになる
普段ならその時間にはお風呂を済ませクールダウンしながら人形やトミカで遊んでいるのだ、今日もそうだった

光と音を頼りに自転車を走らせ、いい場所を探していた
家から5キロほど走った場所にいい場所はあった。国道のゆず庵の前だった。

花火を見るのはこれで2回目になる
1回目は家の寝室で奇跡的に見る事が出来た。子供は飛び跳ねて喜んでいた。
今回の2回目は妻の自転車に乗りながら見た
空が燦爛と輝き、その3秒後に花火の轟音が鳴り響く
息子は15分ほどで飽きてしまったので家に帰った

この帰り道にふと思った
私は冒頭で綴ったような記憶が残っている
妻にも同じような記憶はある

何気ないことだが、なぜか忘れられない
温度感はわからないが、ずっと残っているもの

私は息子にそういうものを残せるだろうか
残るとしたら、どのような記憶が残るのだろうか

その未来を確かめるために日々を生きようと思った

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