ノブさん1
少し昔の話。
家の近所にちょっと怪しげなこじんまりとしたお店ができた。
このスペースでお店をやるの？
と言いたいぐらいの狭さ。
東京とかならあるかも知れないけど名古屋でこれはないでしょって。
流行るわけがない。そう思っていた。
しばらくは様子見をしていたが、たまに人が入っているのを見たり、人が全く入っておらず中の人が寂しそうだなというのが、どうしても気になってしまい、あるときそのお店のドアを開いた。
「いらっしゃい！」
短髪で年齢は自分よりちょっと上で、優しそうだけど、怒ったら相当怒るタイプだろうなー。
そう思わせる人。それがノブさんだった。
◇◇◇
1月13日 19:50
最初から写真を撮っているわけじゃないし、すべての写真を撮っているわけじゃないけどノブさんが作ってくれた料理をあげていこうと思う。
（ちなみに写真がイマイチなのは古いスマホだからです）
魚の煮付けはよく頼んでいたメニューの１つ。
何にしたら美味しい？と聞くと最初の頃は「これは煮付けが美味い」と言われるので「じゃぁ、それで！」といった感じ。
3月24日 21:59
実は焼き魚の方が本当は好きなんだよね。
でも、それは気分次第だし、魚に合わせて煮付けが美味いと言われたら、それを選んじゃうから。
白そいとかこの時はいろんな魚を覚えていたのに・・・。
今は随分と忘れてしまった。
3月26日 20:31
煮付けもたまには食べたいんだよね。なんせ醤油好きだから！
4月6日 0:25
ちなみにお店に寄るのはほぼ仕事帰り。
シャツにカバンを持って立ち寄る。
こんな時間までやってくれてるなんて、ありがたい話。
ノブさんは1:00までお店を空けてくれていて朝7:00には仕入れに行っていた。
自分はこの頃は毎日のように最終電車で帰る日々。
一日の一番の楽しみがノブさんの料理だった。
4月14日 20:58
さよりの塩焼き。塩焼きやっぱり美味いよね！
5月2日 0:00
0:00から食べる贅沢。食べごたえバッチリ。
これにご飯も食べてたりします。
「こんな時間まで働いちゃいかんと思いませんか？」
ノブさんにいろいろ愚痴を言ってしまう。
それを黙って聞くんじゃなくて、面白おかしく返してくれるのがノブさんの
素晴らしいところだ。
「疲れた体もノブさんが作った美味しい魚を食べると元気になるわー」
そういうと
「やのっちが美味しそうに食べるのを見るのがうれしいんだわ！」
「だって、これ美味いしね！」
とか、そんなことを他にお客のいない空間で喋っていました。😁
5月12日 19:47
これはウマヅラハギ？
カワハギに近いから肝が美味しい！
7月26日 0:24
連日の終電帰りの日々。
定時帰りだと給料が少なくて、ノブさんの料理は食べられなくなるかもだが、だからといって残業代が出るからって終電まで働きたいとはこれっぽっちも思わない。
でも、業務が回らないんだよね。IT業界あるある。
ちなみに残業なんて全部付けてるわけない。
会社のためになんて気持ちはこれっぽっちもないけど、うるさいのが嫌なだけ。
そこんとこ誰も知らないけど、ノブさんはわかってくれてたなぁ。
並んでるお酒は上等じゃないけど、自分にとっては居心地のいい時間だったかも。
上等じゃない自分にはぴったりか。
◇◇◇
話が長くなったので、続きます。
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