化身
娘は2歳になり、私の子育て歴も2年が経ったことになる。
私も妹も出生時体重が4000グラムあり、覚悟はしていたが娘は予定より2週間も早く3400グラムで産まれてきてくれた。
それでも十分大きいが、前述通り私は産まれた時から今も大きいので、娘のサイズは産後ギリ母体が普通に立ち直れるサイズであった。
実母からも
「産むだけでなくあなたを育てるのは死ぬほど大変だった」としか聞いておらず戦々恐々としていたが、
それなりに大変なことはあったものの、
私にとっての娘の存在は、母始め周りの子育て経験者から聞くような「死ぬほど大変だった系エピソード」というのがあまりなく、気付けば彼女は2歳だった。
それゆえか、あるいは所謂産後鬱のような心境だったのか定かではないが、娘がまだ物言わぬ赤ん坊だった頃、私は娘に人見知りをしていた。
娘がクルクルパーな私に気を遣ってるんだ、と割と本気で思っていたし、圧倒的パーソナルスペースに普通に入ってきて乳くさい柔らかい匂いをして笑ってくるのにもなんだか照れていた。
あまりに可愛くて完璧に緊張していたのだ。
それを人に言うと
「君らしい」と笑う人と、
深刻に「母性がないのでは」と心配する人がいて、いずれも同感する人はいなかったのであまり話さなかったが、娘が1歳を過ぎた辺りから段々と心境は変わってゆき、私の人見知りはなくなった。きっと心身のバランスが戻った頃だったのだろう。
この経験から、私は妊婦の友人や子が生まれる人に何があっても絶対に「大変なんだよ~」と言わないと決めた。そっちの方が全然いい。
母体はゆっくりでも必ず元に戻るし、大丈夫だからだ。
しばらくすると娘は拙く喋るようになり面白い怪獣の赤ちゃんといった雰囲気になってきた。
ところで少し話題は逸れるが、
私や私の周りにはおかしな人や、人ではないもの、つまり幽霊系が普通に見える人が多い。
これについてはゆくゆくnoteでたくさん書きたい話がある。
ちなみに私は幽霊をハッキリ見たことはないが、以前沖縄にいたときなんかは適当に乗ったタクシーの運転手さんに2回も3回も
「あなたのお父さんは亡くなってて大変だったね」が前提となる雑談をふっつーーにしてくる人に当たった。もちろん全員別人だ。そして私の父は死んでいる。
娘を産むことも、10年くらい前から度々すれ違い様におばあに呼び止められては言われ慣れていたので、すっかり決まっていたことなのだろう。こちらも全員別人から言われている。
と、不思議な話の枚挙に暇がないのだが、この手の話には今後たくさん付き合って頂くことになるので前置きはこれくらいに。
娘の話に戻ると、先日憂歌団の「ゲゲゲの鬼太郎」を聞かせてから娘は開眼したようで、数日と経たないうちに
「もっとばけものが見たい」と言い出した。
過激なものは娘とは見ていなかったので、娘は木村さんの歌に妖怪を感じ、自分の意思で言い出したのは間違いがない。
色々見せた結果、どの化け物にも納得せず、娘なりに今欲していた化け物はマリリン・マンソンだったようで、テレビから目を離さないまま
「がこ、いい?(抱っこしてもらってもいい?)」とくっついてきて「アンチクライスト・スーパースター」と「ビューティフルピープル」をPVの後にライブ版を何度か視聴して逃げた。納得したようだ。
私はと言えば化け物が怖いが化け物のことばかり考えていたら33歳になってしまった女でもある。
「怖がりの化け物好き」は遺伝なのだろう。
これもまた不思議な話である。
しかし、「ばけものがみたい」と願っていると自己の中にとんでもない化け物を育てることにもなるともそのうち教えなければならない。
皆さんの育児、不思議な話もぜひ聞きたいと思うので、気軽にコメントして頂きたい。
悩みなんか大募集である。
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