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”ととのう”という言葉の意味を掘り下げるとサウナはもっと面白い
はじめに
どうも、サウナ活動家のやのしんです。
現在巻き起こっている空前のサウナブームにおいて、その核をなしているのが『ととのう』というパワーワードですね。これはもう異論はないはずです。
ざっくり表現すれば「非日常的な心地よさが得られる」という意味合いで発信されて、それに感化された方々がととのいを求めてサウナへと向かっているのですが、僕はちょっとそれに違和感を感じています。
「それってあくまで"ととのう"のひとつの側面でしかないですよね?」と思うのです。
もちろん入口はそれで良いと思っています。めっちゃキャッチーですから。それでサウナ利用者が増えてくれるのは僕は大喜びです。
僕自身、自分が運営する入門者向けのブログや配布チラシではその側面だけで留めています。
でもそこで止まってしまっている人たちが余りにも多いような気がして、それはすごくもったいないなと思うのです。
というわけで、僕なりの"ととのう"の掘り下げをこれから行っていきます。
(※参考)
「ザっくりととのうサウナ入門」の記事 / 配布チラシ
https://zakkurisauna.hateblo.jp/entry/2018/02/08/103554
「ととのう」の発祥と広がり
「ととのう」という言葉は、元々「濡れ頭巾ちゃん」(敬称略)というサウナブロガーさんが作り出した言葉で、それは「調う」と「整う」のダブルミーニングになっていると聞きます。
「調う」は「不足していたものがそろう」という意味、「整う」は「散らばっていたものがそろう」という意味だそうです。
英語で表現するなら、「調う」は「prepare」、「整う」は「set」でしょうかね。
つまり、元々の「ととのう」という言葉の意味においては「快感」はメインではなかったのです。
「快感」がフューチャーされるようになったのは、恐らく『マンガ サ道』が連載されてからのことだと思います。(確かなソースがなくてすみません)
タナカカツキ先生は、「ととのう」感覚を「トリップを想起させる描写」と「ととのったー!」という言葉をセットで打ち出しました。(それがリアルなのかデフォルメなのかはわかりませんが)
そこから「ととのう」ことに魅せられた人がじわじわと増えていき、アンダーグラウンドでブームになったサウナがどんどん熱を帯びて行き、ついにメインカルチャーまでやってきたというのが今に至る超ざっくりとした流れです。
サウナに入らなくてもととのう
一方で、言葉を生み出した濡れ頭巾ちゃんに目を向けてみると、2015年の記事において「館内着を着ただけでととのっちゃったことがあって、そのままサウナに入らず帰ったことがある」と言っているんです。
(参考)
https://wpb.shueisha.co.jp/news/lifestyle/2015/03/14/45040/
この発言はある見方においては「通ぶってるだけじゃないの?」と思われるかもしれませんが、僕はそうじゃないだろうと思います。
「濡れ頭巾ちゃんがイメージしている"ととのう"」≠「『マンガ サ道』が表現している"ととのう"」なんじゃないかと。
おそらく濡れ頭巾ちゃんがイメージしている"ととのう"においては、休憩中に非日常的な快感が訪れるのは副次的な享受物であって、あくまでも肝要なのは必要なものが調達されて整頓された状態になることだと僕は解釈します。大雑把に例えると「PCの再起動」的なことでしょうか。
濡れ頭巾ちゃんにとってはサウナ施設に足を運んで館内着を着たという行為がトリガーとなって、無事リブート出来たからもう十分にサウナ施設に来た目的が果たせたのだと思います。
そういう意味での"ととのう"という言葉の味わい方って、皆さんしたことありますか?
おわりに
僕は、濡れ頭巾ちゃんがイメージしている(であろう)"ととのう"の世界に、サウナの世界の拡張性をビリビリと感じています。
館内着でととのう人もいれば、特定の施設の館内の匂いでととのう人もいるかもしれないし、特定のスタッフと話すことでととのう人もいるかもしれない。
そういえば僕の知人で「サウナに行くことを考えただけでととのう」と発言していた人がいましたが、そんなのもう最強ですよね。サウナを経験した記憶さえあればいつでも自分をリブート出来ちゃうっていう。
サウナが好きすぎてサウナが必要なくなるっていうのは、一見矛盾しているんですけど理屈をひも解いていけば地続きになっているんですよね。
そういったものを包括してくれるのが「ととのう」という言葉なんだなぁと非常にありがたく感じるわけです。
そのような意味での「ととのい談義」が今後増えてきたら、サウナ界隈は今よりもっと面白くなるんじゃないかなぁと勝手に期待しています。
(おわり)
P.S.
僕はまだサウナ浴をしないと"ととのう"ことが出来ません。まだまだ精進せねばです。
P.S.②
比較的最近の濡れ頭巾ちゃんのインタビュー記事では、"ととのう"が「調う」「整う」「斉う」のトリプルミーニングになっていました。(ソースがないのがアレですが、もっと前は「斉う」は入ってなかったはずです)
あと本人いわく"ととのう"は「サウナのあとの穏やかな心地よさを表そうと思った時に自然と出てきた言葉」だそうです。僕の解釈、違ってました笑
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![やのしん@サウナ活動家](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143125627/profile_e6be6e49c9692855ecc6c09bc6a1b738.jpg?width=600&crop=1:1,smart)