ホントは・・・ねぇ〜悪い子なんていない編〜
ヒデくんは落ち着きがなくて、先生の言うことが聞けない子。
家の周りではイタズラばかりで近所からの文句が絶えませんでした。
ヒデくんのお母さんも困っている。
お母さんは、毎晩ヒデくんが寝た頃に帰ってきていては、、落ち込んでいた。仕事で留守番ばかりさせていて寂しかったのではないか?と…。
お母さんは気づいていなかった。
ヒデくんは学校ではリーダーのような男の子だったことを。
困っている人のお手伝いをしたり、人のやりたがらないことも誰よりも早くやっていた。
イタズラは相変わらずだったけど、、笑
決して自分より弱い人には何もしなかったのさ。
友だちのゴウくんは、ヒデくんが友だち思いで優しい心を持っていることを知っている。
「ヒデくんは悪い子じゃないよ!」と、良いところをたくさん自分のお母さんに伝える。
「誰もやりたがらないトイレのお掃除をとっても綺麗にやるんだよ。」
「給食食べ終わるのを遊びに行かずに最後まで待ってくれているんだよ。」「いじめられっ子から友達を守ってくれてたんだ。」
ゴウくんのお母さんは、我が子が人の良いところを見ていける心を喜んでいた。
ヒデくんはゴウくんのお家に何度も遊びに来ていた。
ご飯を食べてから帰ることもあった。
ある日そのままゴウくんのお家まで車で送って行った時、偶然ヒデくんのお母さんと出会った 。
ヒデくんのお母さんは「またウチの子が何かやらかしましたか?汗」
表情は暗かった。
ゴウくんは???な顔をしてから「ヒデくんと遊んで楽しかったよー」と言い、そして、ゴウくんのお母さんもヒデくんのお母さんに伝える。
「ヒデくんは凄く優しい心と礼儀正しさを持ってますね。いつも息子から聞いています。誰もやりたがらないトイレのお掃除や困っている子のお手伝い。時にイタズラもするけど、それは誰かを守るためだったんだと。僕もたくさん優しくしてもらったんだと」
それを聞いてヒデくんのお母さんは涙をぽろぽろ流していたらしいんだ。
僕たちは遠くで遊んでいたから。その話は少し大きくなってから知ったんだ。
ゴウくんのお母さんは涙の理由を知った。
普段近所からゴウくんのイタズラで迷惑がられてばかりだったこと。
お子さんが悪さばかりしていたと思っていたこと。
いいところ知らなかったこと。
いいところを他人から初めて言われたこと。
普段仕事で帰りが遅いから寂しい思いさせていたに違いない。
今まで、叱られることばかりだったから、とても嬉しく、また、仕事で留守番ばかりで寂しかったのではないか?と、反省する…。
でも、学校で友達を大切にできる、強いものや困っている人に立ち向かっていける子にいつの間にか成長していたことを誇らしく思った。
帰り道、ゴウくんは言った。「ヒデくんお家でたくさん褒めてもらえるといいよね!」帰り道にぎゅっと手を握り返した。
そして、涙を我慢した。
次の日のヒデくんは「なぜかたくさん褒められた」と面倒くさそうに、それでも嬉しそうな顔をしていた。
fin
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