葬儀屋は年中無休ですが今日はお休みします。 そんな貼り紙がドアに貼られていた。 せっかく用があって来たのにな〜と思いながら 帰ろうとした時に飾られている百合に目が止まった 一見すると普通の黒い百合で葬儀屋の代表らしい花 そんな花弁をよく見てみると… 少しだけ白くなっている箇所があった。 無意識に触ってみたら花弁が1枚落ちてしまって 僕は慌てて花弁を拾ったけど、落ちちゃったからもう元には戻せないよね… 落ちた花弁を触ると今度は花弁の黒が剥がれて取れ 更に大変な事をしてしまっ
6月になり梅雨入りして大雨の日が続く毎日 そこで家に居てばっかりでも暇だからと シェアハウスでパーティーを開く事になった。 生きてる組と死人組と葬儀屋さんと夜宝呪界 が集まるからシェアハウスが人で溢れてギチギチに 人外組や教師達は入れなさそうだから今度にするよ なんて断られたけど同じようなパーティーは自分達の場所でするみたい。 昼間から甘いものや豪華な食事が並んでいる。 それに大人達専用でお酒までも用意されていた。 いくら暇だからって豪快にやりすぎな気もするけど 主催者
「やあ、また会ったね。黒百合さん」 聞き覚えのある掠れた声が聞こえて振り返ると 笑顔で立っているカーテナ・エドワーズの姿が… 僕ら葬儀屋に無茶苦茶な依頼をしてきた人だ。 この人のおかげで怖いものは無くなったようなものだし観音寺さんも戦う力に目覚めて強くなったし 無茶苦茶で死にかけたこと以外は良かったと思う。 大統領なだけあって報酬も大量に振り込んでくれたから悪い人ではないはずなんだけど 僕はちょっとこの人の思考が読めなくて怖いな。 黒百合「僕はこれで…」 カーテナ「逃げる
時刻は深夜2時頃 謎の騒音で目が覚めてしまって寝れなくなった。 目をこすりながら自室の扉を開けると リビングから誰かの声が聞こえる。人数的には5人くらいだと思うけど… 忍び足で階段を降りていくとリビングの電気が付いていて壁を這いながら覗いてみると 大人達がなにやら盛り上がっている様子だった。 砂糖「今日は朝まで飲み明かすのじゃー!」 黒百合「お酒は程々にしてくださいね、砂糖さん」 砂糖「わしは砂糖くんじゃ!さんではない!」 バトラー「老害ムーブ来たね」 セディール「本当に面
らゅ家のシェアハウスがある某県に台風が接近していて大雨で外に遊びに出掛けることが出来なかった 窓を閉めていても強風でバリバリ音を立てながら 激しく揺れる窓。どこかに穴が空くのも当然で 雨漏りしている場所もあった。 夜の暗い時間に停電して電気も使えず マスターもパソコンが使えずに作業を断念した。 雷が鳴ってない分、静かに眠れるかなと考えたが 強風でバリバリと音を鳴らしながら揺れる窓が 雷よりもうるさく寝付けなかった。 暗闇の中で壁や手すりを頼りにして 廊下を歩いていく。床の
自分が幼い頃は火事で家が焼けて恋愛どころの話ではなかったのを思い出した。 両親を亡くしてしまった事は悲しいが辛い過去が無ければマスターのいるシェアハウスに越して来る事もなかっただろう。 今住んでいるシェアハウスのメンバーに会う前は人に本心で優しくされた事はあまり無かった。 施設にいた頃も攻撃的だからと隔離されていた時もあったが子供だけではなく大人達からも見捨てられていたのだろう。 施設を追い出される感じでシェアハウスに越してきたわけだが……… サク「ちょっといいか」 「どう
らゅ家 死人組シェアハウスに一通の手紙が届く。 送り主に「薬診ニコラ」と書かれており、どうやら薬診ニトロのお姉さんのようだった。 死人組シェアハウスで暮らして4年が経ったニトロ 縁を切ったはずのお姉さんからの手紙には 怯えていたようだった。それも、そのはず ニトロはニコラと母に暴力を振るわれていたからだ そんな姉からの手紙にはこう書かれていた。 「最初は目を疑ったの。ここにいると思ってなくて、てっきり地獄で苦しんでるのかと思ったら そうでもなくて逆に死後の方が生前よりも楽