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日常の姿を前撮りする

結婚式の前撮りの写真を、よく見かける。わたしももうすぐ26歳になるので、周りの人達はぼちぼち結婚し始めているし、SNSでは知らない人の前撮り写真ですら、”わたしに関連する投稿”として流れてくることがある。


それを見て、わたしが前撮りをするならどんなドレスだろう、と考える脳内お花畑モードなときもある。

例えばシンプルでラインの出るブラックドレスに相手も同じくシャープなスーツで、と考えたりする。うわぁ、すごくテンションがあがる。…でも、あれ?結婚式って、黒、ダメなんだっけ?

純白のドレスを着て、相手にも白いスーツを着てもらって、てな感じが一般的なのだろうか。個人的には、いかにも”結婚”な写真よりも、特別な日だから特別に、憧れの大好きな装いをして撮る!くらいのテンションの方が、心地よいし思い出に残ると思うのだ。あと、わたし絶対白いドレス似合わないし。


こんな捻くれたことを考えているから、結婚できないのかもしれないが、その話は置いといて。このように少し想像してみることもある。ただ、同じように均質な写真が流れてくる中に、自分も同じような写真を流しているということについては、全く想像できないのだ。


2人の思い出として、10年・20年後に笑って写真を見返す。そんな未来のために前撮りをする。そして、残しておきたい姿とは、特別に着飾ったイベント的な2人よりも、日常の、いつもの2人の姿だとわたしは思う。


ラブグラフというものが流行っているらしい。ラブとフォトグラフの造語みたいなもんかしら。2人のデートにカメラマンが同行して、日常の2人の様子を写真に収めてもらうのだそうだ。ハッシュタグでラブグラフを検索すると、微笑ましいような恥ずかしいような写真がわっとインターネット上に掲載されている。


そうか、わたしみたいな人のためのサービスなのかも。でも、そもそも他人がデートに同行していつも通りの表情と言えるのだろうか。うーん、やっぱりわたしは、めちゃくちゃ捻くれているみたいだ…。


結局わたしは、誰に見せるわけでもないブサイクな表情や眠そうな表情を、自分の下手くそな写真技術で、収めておきたいと思う。芸術作品じゃなくていいじゃない、人様に見せられるクオリティじゃなくていいじゃない。2人がクスッと笑えるくらいで、いいと思う。


#エッセイ #日記

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カナ
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