わたしにとって居心地がいいお店
わたしが"居心地がいいなあ"と感じるお店にはなにか共通点があるのだろうか?
前々からこのことが気になっていた。
わたしは、コーヒーもラーメンもカレーもお酒も、ひとりで楽しめるタイプだ。憧れの人は孤独のグルメの井之頭五郎さん。
五郎さんのように、腹が減った、というモチベーションだけで毎日いろいろなお店を開拓するような食いしん坊ではないが、たま
にひとりで、飲食店を新規開拓している。
そして、気に入ったお店に通うタイプだ。新規開拓はそういうお店を見つけるのが目的みたいなところもあって、いいお店を見つけると、今日もあそこかな!と冒険しない日も多い。
わたしが気に入って通うのは、まず居心地がいいからだ。あそこのあれがどうしても食べたい、というモチベーションのときはあまりない。もちろん、あれが食べたい!というメニューは頭に浮かんでいるが、何よりもそのお店の居心地がいいから、今日もそこにする、のだ。
わたしが何度も足を運んでしまう居心地のよさとは、いったい何なのだろうか?
いろんな人がいる居心地のよさ
今日もお気に入りのお店でコーヒーを飲んでいた。
まだそのお店のことを知って半年くらいだと思うが、時間ができたらここ!というくらい頻繁に通っている。とにかく、お店のお兄さんが真面目で優しく丁寧。コーヒーについていろいろ教えてくれるし、コーヒーがめっちゃ美味しい。カフェのフードなんてこんなもんでしょ?という想像をはるかに超えてくるほど美味しいサンドイッチは、お値段もお手頃。通いたくなる要素は山ほどある。
そして今日、通いたくなるお店である最大の要素、居心地のよさの理由が判明した。
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このお店には本当にいろんな人がいるのだ。いろんなお客さまを受け入れる大きな器がある、ということか。
今日もいつも通り"本日のコーヒー"を飲みながらクロックムッシュを食べ、買った雑誌を読んでいた。ここはあまりにも居心地がいいため、いつもゆっくり過ごすための本などを持参してくる。持ってない日は近くで買ってから入るくらいだ。
雑誌のページをめくっていると、ふと、目の前の席のおばあちゃんの電話の会話が耳に入ってきた。上品な言葉遣いだなぁと少し耳をそばだてる。おばあちゃんは手押し車に大荷物。4人掛けの席に一人でゆったりと座っている。
隣のカップルは、幸せだね〜と言いながらテーブルの上のサンドイッチとコーヒーの写真を撮っている。旅行に行きたいね、なんて話をしている。
後から入ってきた若い女の子たちは、向かい合って座っていたがしばらくして隣同士に座り、自撮りの写真を撮り始めた。シャッター音が少しうるさい。でも、楽しそうだ。
サラリーマンのお兄さんは、テイクアウトでコーヒーを注文しに来た。営業マンかな?もう10月なのに暑いなんて言ってるよ。
そしてわたし、ひとりで雑誌を読んでいる。ときどき携帯を見ているけど誰かから連絡が来ているわけではなさそうだ。暇なのかしら。
この前はランドセルを背負った女の子と若いお母さんがいたなあ。同業者なのかオーナーとコーヒー談義に花を咲かせるおじさんも。
…そうか、このお店には、本当にいろんなお客さんが集まっているのだ。だからとても居心地がいい。ひとりで雑誌を読んでいるわたしもすっと溶け込んでいる。当たり前のように座っていられることが、居心地のよさなのだ。
例えば、インスタ映えするメニューを出しているカフェで、お客さんみんなが友達連れやカップルで、写真を撮ったりキャッキャしたりしていたら、おひとりさまのわたしは居心地がよろしくない。
吉野家みたいにサラリーマンとかおじさんばかりだとしたら、牛丼のようにさっと食べるだけならそれで良いが、わざわざコーヒー片手にゆっくり本を読もうなんて思わない。そういうカフェがあったらあったで、面白くて好きだと思うが。
あるお店は、前後も隣も主婦、ママ友の会だった。主婦に人気のお店なら美味しくてコスパもいいはずだが、どうも居心地がよくない。ひとりで座ってるのはわたしだけ。そして、悪口ばかりが耳に入ってきた。
もちろん、カップルで会話を楽しみたいとか、お洒落なご飯が食べたいとか、求めるものは人それぞれだが、ひとりでもゆっくりしたいわたしにとって居心地がいいお店というのは、いろんなお客さんを受け入れる懐の広さがあるお店なのだ。
いろんな人がいる居心地のよさは、飲食店に限ったことではないですが、その話はまた今度にしますね。多様性のお話でしょうか。
読んでくださってありがとうございました!
可菜