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自分の大丈夫じゃないがわからない

ある日職場の先輩に、どのくらい調子が悪かったら彼氏に言いますか?と聞いた事がある。

こんな事を人に聞かないとわからないくらい、自分の大丈夫じゃない、の程度がわからない。

人に心配されるのが苦手で、でも心配されなかったら寂しい気もするし、面倒なやつなのだ。

そういえば、中学生のときに部活の先輩たちからわたしだけがフル無視をくらった時期があった。理由はわからないが、ある日突然だった。挨拶も無視、話しかけても無視。目も合わない。わたしがいない状態で、その空間が出来上がっていた。


いじめるいじめられるは中学校という場では日常茶飯事だった。だから、あぁ、次はわたしなんだなと、冷静に受け止めた。無視されても平気な顔をしたし、ひたすらいつも通り練習に打ち込んだ。



ある日先輩に呼び出しをくらって、気に入らないところを直接罵声のように浴びせられた。忘れもしない、廊下の突き当たり。それでもわたしは、はい、そうですか、と平気な顔をしていた。怯えたり、悲しんだり、して欲しかったのだろう。それが分かっていたからなおさらのこと。
その態度が、彼女の神経を逆なでした。


そういう余裕そうな顔しとるんが一番ムカつくんよ!


やっぱりな、と思った。怯えたり悲しんだり、して欲しかったのだろう。
と同時に、じゃあどうすればよかったの?と思った。


たまたま横を通りかかった先生には、後から「お前大丈夫か?」と聞かれたが、大丈夫ですよこのくらい、と答えた。


これで正解だったのだろうか。
怯えたり悲しんだりしたら負けだと思っていたが、大丈夫じゃない顔をした方が得だったの?辛いですって、態度に出した方が物事はうまくいったの?他人への甘え方が分からなくて、無視されるよりそっちの方が辛かった。


その後、ムカつきすぎて家で壁を蹴って壁に穴を開けてしまって、それを許してもらうために親に話した。壁に穴が開いていなかったら親にも話していなかっただろう。自分の不器用さに嫌気がさした。


そんなこんなでこの不器用な中学生は大人になってもまだ、自分の大丈夫じゃないの程度がわからない。他人への甘え方がわからない。これって、危険なことなのかなと思う。


だって、壁に穴、開けちゃうし。
何か起きてからじゃないと、気がつかないってことだし。


冒頭の、どのくらい調子が悪かったら彼氏に言うか、という問いには未だに自分は答えられない。うっかり言っちゃっても自己嫌悪、迷惑をかけたくない。可愛くないよね。でも、7年も一人暮らしをしてたらね、入院レベルじゃない限り自分でなんとかできちゃうんだもの。あ、そういえば、自分で救急車を呼んだとき、そのとき付き合っていた人に、何しよん笑、気をつけて、とだけ言われたことがあった。今考えてもムカつくなあ。わたしって強いと思われてるのかな。だから言わないようにしてんだよ。


あぁもっと、本能で甘えられる人間になりたい。考えなくても、反射的に。


と、熱にうなされながら書いていた記事を推敲しました。わたしとおんなじようなあなたは、気をつけてください。まだ大丈夫、と自分に言い聞かせていたら、体と心はもう限界だったなんてこと、あるかもしれないですから。わたしも気をつけます。

読んでくださってありがとうございます。

可菜

#エッセイ #日記

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カナ
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