小川アナ「はっきりした言葉でバイデン大統領が日朝首脳会談の実現に理解を示した訳ですけれども、唐突に話が出てきたようにも見えるんですが。」
宮本晴代氏(23ジャーナリスト)「そうですよね。以前から岸田さん、北朝鮮と対話したいという意欲はずっと持っていたんですが、今年は一つ大事なのは11月にアメリカ大統領選挙があります。これが実は、ちょっとカギです。これはよく言う「もしトラ」、「もしトランプさんが大統領になったら」が絡んできます。というのは、岸田さんは対話をしたい、北朝鮮に行きたい。背景にあるのは支持率の低さですよね。ですけれども、北朝鮮と会談をして、何か成果を上げることが出来れば、国内の支持率は上がる訳です。そのためには周辺国、特にアメリカへの根回しは欠かせません。今のバイデンさんというのは正直、中東ですとかウクライナ、北朝鮮以外のことで忙しいんですね。ですので、日本のやりたい外交に特に口出しはしないと。ですけれども、もしトランプさんになってしまうと、北朝鮮っていうのは、ある意味、因縁の相手なんです。史上初の米朝首脳会談があった、覚えてらっしゃるかと思います。トランプさんがもし再選された場合に、もしかすると、いやいや日本いいんだと。北朝鮮との交渉は俺に任せておけと。特に君がやらなくていいんだと、横槍を入れてくる可能性もゼロではない。出方が読めない。なので、今の内、バイデン政権に仁義をある意味切って、やれることをやっておきたいという意図がある訳なんです。」
小川アナ「もしトラに備えた動きということですけれども、浜田さんは今回の日米首脳会談はどうご覧なりました?」
浜田敬子氏(元AERA編集長)「もちろんこの北朝鮮問題も非常に気になったんですけれども、私自身は今回なぜ国賓待遇だったのか?4人目ですよね、たしか。それほどの待遇を受けたのは、やっぱり日米の間の大きな安全保障の政策の転換があったという風に見ました。ちょっとびっくりしたのは武器の共同開発に踏み込んだり、米軍と自衛隊の指揮統制をかなり一元化して連携を強化していくみたいな話が唐突に出てきて、にも関わらず岸田政権というのは今、裏金問題の解明も出来ずに、もの凄く支持が低迷している。いわゆる国民の信がない政権で、そんな大きな転換をしていいのか?と。そこは大きく感じました。」
宮本氏「岸田さん、この後、アメリカの議会で演説をします。これは今回の訪米で、ある意味、一番の目玉になるんですけれども、注目は日米のパートナーシップということを、これから打ち出すようなんです。で、これは念頭にあるのは中国な訳です。なので、中国にどう対抗するか?日本とアメリカで一緒に手を組んで、やっていきましょうというメッセージが込められるんですが、まさに防衛力強化もそうですし、ある意味で、いつの間にか、そういう方向に進んでいるということは、私たち押さえておきたいと思います。」
浜田氏「いつ私たちは、それを知らされていましたっけ?っていう感じですよね。全く議論がない、国民不在の中で、ただ進んでるなあという感覚ですよね。」
小川アナ「晩餐会でのスピーチはとても盛況だったようですけど、国民に対しても同じ熱量で語りかけて頂きたいですね。」
浜田氏「そうですね。」