ときめくほどに苦しくなる

　最近は自分の世界にこもって本や映画に熱中していろいろ一人で考えるのが好きだから、心を乱されたくないのに、そういうときに限って色んなことがおきる。

　最近業者くんから仕事の連絡がすごく来るようになった。私と関わる案件ってほとんどなくて、そんなに連絡するようなこともないんだけど、なぜか私の案件は一生懸命頑張ってくれてるように見える…には私の希望込みの思い込みかもしれないけど。

　彼はとにかく報連相が早くてしっかりしてて、私がお願いしたことは早急に対応してくれるし、経過もちゃんと報告したうえで私が知りたいという情報をくれる。

　業者くんと別の担当さんは、お願いしたこと忘れてたり、結果だけ簡潔に教えてくれるから、業者くんがそういう丁寧な人なのか、それとも私のために頑張ってくれてるのか・・？

　この間は会社の応接室を貸してほしいという連絡が来て、会社のシステムで予約して使えるようにしといたから当日受付とかその時いる人に声かけてねって返信しておいた。そしたら当日また私の社内携帯に連絡が来て、「すみません、ヤンマーさんに連絡しちゃいました😅」だって。

　ちょっとかわいすぎん？

　確かに事情を知ってる私に連絡した方が都合がいいのかなって思ったけど、絶対受付に言った方が早いんだよな…。私としては業者くんの声が聞けて嬉しいけど、なぜ？どうして？という言葉が頭に浮かんでぐるぐる。

　応接室に案内すると、目を合わせて会釈してくれた。やっぱりいい顔してるんだよなぁ！その後すぐに私も他の人に呼ばれてバタバタしてたらいつのまにか業者くんは帰ってしまっていた。帰りにちょっと話せるかなーって思ったけどちょっとがっかり。

　そのまま仕事を終えて、ぐったりしたまま帰ろうとすると、私用携帯に業者くんからメッセージが！

　「今日は関係ない件でお手数かけちゃってすみませんでした💦ありがとうございました☺」と。

　すっげーいいやつ😢

　胸がキュンとしてしまった。すっごいときめいた。私はこういう気づかいができる人がすっごく好きなんだよね。そんな風にされると、もっと業者くんのために何かしてあげたくなる。

　わかってる。これは仕事を円滑にするためにやってることだって。勘違いしたら後で辛くなるのは自分。だから勘違いするな、浮かれるなって心でブレーキを踏みまくってるんだけど、ドキドキする気持ちはどうしても抑えられない。

　で、そこにきて明日は業者くんと飲みにいけるってもんだからすっごいタイミングだよね。でも夏に飲みに行ったときも結局がっかりしちゃったから、今回も舞い上がってるところに冷や水を浴びせられるだけな気がする。

　私はただ平穏にくらしたいだけなのに。

　後輩くんのときみたく、ときめく気持ちがあるだけで嬉しい！人を好きになるって最高💓なんて思えないんだよな。そもそも業者くん彼女いるし。２０代だし、かっこいいし、学生時代そこそこモテたっぽいし。私がこんなにかまってもらえるのは、私と仲良くしておけば仕事が円滑に進むから。仕事抜きだったら私のような太ったおばさんは目も合わせてもらえないだろう。

　そんなことよりここ最近自分の太り方が異常すぎて、人に会いたくないんだよ…。痩せたいよー。普通になりたいよー。でも我慢できないんだよー。

　もっと痩せててかわいかったら業者くんや後輩くんにもっと自信をもって接することができると思うのに。もう何もかも手遅れだから、このときめいた気持ちが収まるのを待つしかできない。でもその過ぎ去ったあとに残るのは虚しさだけだから、それならいっそのこと誰も私に優しくしないで、最初から最後までほっておいて欲しかったな。