破産し自殺願望から復活ドキュメント⑦ー⑥

廃業倒産、閉店、そして夜逃げや自殺を余儀なくされる人も急増してきており、以前の自分を見ているようで、つらく、その中で窮地に追い込まれようとしている人たちの心情を考えると、いてもたってもいられず、何か心の支えになればと、微力ながら、ペンをとりました。

目次

⑦ー①
★結論から言うと、安心してください！　●略歴からお話しします。
⑦ー②
●そんなことで・・・●倒産間際から自己破産に至るまでの経緯
●それでは具体的に
・独立起業から年商１５億　・マルサが来た　・銀行融資とバブル
・わが社のバブルがしぼむ
⑦ー③
●経営危機を立て直すのにやったこと
１，経費の見直し　２，売上収入の見直し　３，経営内容の見直し
・負のスパイラル　・何から始めたか
⑦ー④

●いよいよ金策へ
・ノンバンクについて　・サラ金について　・ヤミ金の利用
※自分の信用情報
・ヤミ金の処理　・チャイニーズマフィア
⑦ー⑤
・その他の金策
●ついに倒産間際　
●支払いについての交渉の仕方
・社員たちの給料は最優先
⑦ー⑥
■倒産決定
●経験して知ったこと　妻が借りてくれた「知友人からの借金」
■破産申請：概要
●世話になった彼らに感謝！！！
⑦最終回
最後に
●自己破産のリスクとは：概要
リスク１．数年間だけ借り入れができない
★参考：クレカの代わりに
リスク２．保有財産が清算される　リスク３．職業・資格が制限される
リスク４．官報に掲載される　リスク５．免責不許可になる場合がある
★決断の時です！
●あとがき

■ここから⑤の続きです：倒産決定へ

■倒産決定
やはり、会社は倒産させることになり、とりあえず、騒ぐのは覚悟の
うえで、金融以外の債権者に通達を流すことにしました。
その中には、「社長が必ず、近々、その後の処理について連絡する」旨の文章を入れて、郵送されました。

その甲斐あってか、会社にはそんなに債権者たちは来なかったようです。債権者たちも、薄々「会社に行っても、社長はいない」ということを知っていたようです。
そして、私の居所は、関係者以外知りませんので、状況を探る電話以外はこれといった騒ぎもなく過ぎて行きました。

注意：本当は、破産手続きを開始してから、その書類を流すのが手順です。じゃないと、ちょっとでも回収しようと、ガンガン押し寄せてきます。この時はすでに私がいなかったのでよかったですが、弁護士から公的書類で流さないと、請求に来ます。 下図は参考例です

●経験して知ったこと
ここで思いましたが、業者の担当者はあくまで、先方のトップではないので自分の上司に報告をしなくてはならない立場です。何にも回答がないのが一番困るわけで、相手の代表あてに通達を出したことで、現況が伝わり、担当者としてはある意味、ホットしたかもしれません。

また、相手先もどういう処理（赤伝票）、債権放棄すべきか、このまま債権を置いておくのかなどの判断ができるわけです。
ある時、ある業者の担当に「私がこういうのはおかしいですが、社長！ダメならダメって言ってもらった方が、私としても処理しやすいので・・・社長はいい人なのわかっています。

私も、いろいろお世話になりましたし・・・でも、ない袖は振れませんから。会社の負債ですし・・・」と言われたことがあります。
なまじっか、「払う払う」と言われて、払わないで結局パンクされるより、ハッキリ答えを出してもらった方が、お金は取れませんが、時間の無駄と嫌な話をいつまでも引き延ばさなくて済みます。

「個人の借金とは違うんだ」悟りました。会社対会社はもっとドライに割り切っていいんだと思います。担当に特別な迷惑をかけるわけではない限りですが・・・

先ほどの続きになりますが、少し落ち着き、ほとぼりが冷めたころ、１週間後ぐらいです。
私は優先順位を決めて、経理部長や役員と一緒に、業者周りをすることにしました。一社一社丁寧に事情を説明し、これ以上どうしようもない旨を伝え、とりあえず頭を下げて回りました。

もちろん、すんなり行くところばかりではなかったです。
個人で保証しろとか、ロイヤリティーがあるだろうとかあれこれ突っ込んでくるところもありましたが、代理店から入る予定のロイヤリティーはかなり減少していましたが、それは最後の手段として、社員の給料に充てるつもりでいたので、業者には一切口をつむりました。

さらに、近々、倒産して自己破産しますと告げ、とにかく頭を下げて、いやいやながらもわかってもらうことができました。

こうして、「一件落着」とあいなり、少し気が楽になりました。

ただ、気がかりがひとつ・・・
妻が借りてくれた「知友人からの借金」
これは、自己破産しても当然なくなりません。事情を説明し、返済の猶予期間を設け、あとはコツコツ少しづつ返済する旨を理解してもらうしかありませんでした。

ただし、今思うと、これは意外と心が痛むことでした。
当時は私も、あれこれ必死でしたので、心の余裕がなく、業者とは違い「個人からの借金」は同じ性質のものではないことをあまり意識ができませんでした。

相手が裕福で余裕がある人ならいいですが、妻が頼んだから貸してくれた人なら、それは妻の人柄と信用で借りることができたお金です。妻が作り上げた信用で、です。
業者との貸借関係とここが違うんです。

相手は「いつでもいいよ」というでしょうが、そうは行きません。
このことは、あらためて猛省しなくてはなりません。
幸い、大きな影響はなかったようには思いますが、人間関係に微妙な悪影響を与えたのは間違えないと思います。

出来れば、返済が必要な知友人からの借金は重くのしかかるのでやめた方がよいと思います。自分のならまだしも、妻や兄弟などなら、その人間関係にまで間違えなく影響し、最悪その関係を壊しかねないからです。また、それはずっと心の傷として残る可能性もあるからです。それを分かったうえで、慎重に判断してください。

前述からの続きですが・・・
さて、倒産して自己破産するのにも、金が要ります。
「どうしよう・・・」と悩んでいた時・・・
１か月後くらいです。「金は何とかするから、さっそく自己破産しませんか」と元本部長たちから提案がありました。

私はびっくりして「そんな金どうした？」と聞くと、「十分稼がせてもらってましたから、それに１０人ぐらいで割れば、大したことないですし」と、２００万ぐらいを用意してくれていました。
私は、また泣かされました。

■破産申請：概要
ありがたくお世話になることにし、知人の弁護士に早速連絡を取り、静岡に来てもらいました。
そして、倒産報告と自己破産（妻も含め）する旨を各業者や金融関係に通達をし、４か月後には免責を受けることができました。

下図は参考例：これがあれば、もし忘れていたり抜けていた負債者があっても、FAXでOKです。督促は止まります。

免責決定通知書（猛省し謙虚な態度をしていれば、まず出してくれます：ただし例外もあります。後述のこの記事の⑦の、リスク５．免責不許可になる場合）を参照してください。

その間、管財人が入り資産財産の処分等で調査が入りましたが、ロイヤリティーが唯一残された資産でしたので、社員に給料の残金を払った後は、事前に営業本部長に新会社を作らせて、その会社に商標を買い取ってもらうことにし、管財人が手を付けられない様にしてありました。

ここで、心配事の解消ひと言：９９万円以下の現金や生活に必要な家具や必需品は取られない！　その他、リスク詳細は後述

ほかには、処理できるものは２０万円以上の価値がある、所有車と什器備品が少々あるだけでしたので、それを少しずつ、債権者に分配するだけで、債権者会議も、ほとんど債権者も出席せず、滞りなく終わりました。ほっとした瞬間です。

そこには、妻も出席していましたが、会場はほとんど人気もなく、安堵していました。かわいそうでした。本当にごめんなさい！
余談ですが、「案ずるより産むがやすし」とはこのことで、こんなにすんなりいくとは思ってもいませんでした。

テレビとかでは、結構もめる場面もよくあるじゃないですか。
本当にラッキーでしたが、迷惑をかけた方々には、すまない気持ちでいっぱいです。　
さらに破産の手続きや流れ詳細はここらを参考に

●世話になった彼らに感謝！！！
債権者会議から数日たったある日、銀行に３０万円が振り込まれました。
なんだと思っていたら、元本部長から「お金入金されましたか」って連絡があり「なんで？」と聞くと、「だって社長、生活費ないでしょ」「みんなで半年ぐらい仕送りをしようと決めたんです」「少ないですけど生活費は我々が工面するので、何とか立ち直ってください」といって、あっさり電話は切れました。

それから毎月生活費を送金してくれました。
自分たちも余力などないだろうに、こんな私のためにみんなで出し合って送ってくれたのです。
「何やってんだ、自分たちのために使えよ！俺なら何とかするから！　なんて奴らだ！まったく！」

「ありがとう、本当にありがとう」何度言っても足らないくらいだ！感謝です！　　しばらく、声が出ず・・・沈黙が続きました。

今でも・・・
「やめてくれよ、今、こうしてＰＣを打っている時も、思い出すと涙でキーが見えなくなるくらい。ありがたくてすまなくて・・・」
つくづく、お金のありがたみを知ることになります。

妻と二人で、そのお金を使わせてもらうたびにお辞儀をしながら、使っていました。

豪遊して調子に乗っていた自分が、本当に恥ずかしく、深く深く反省の毎日を過ごすことになります。

この続きは⑦へ　いよいよ最終回です