<34>転職の情報収集で、その仕事をやっている人に話を聞きに行くときに必要なこと
転職を希望する仕事について理解をする為や、求人情報の収集の為に、関心ある仕事をやっている知人がいる場合は話しを聞く機会を作ることを前回のコラム<33>求人を探す時の注意点3か条の③アクティブな情報収集にてお勧めしました。
知人に仕事の話を聞く時に準備すべきこと
興味ある仕事をやっている知人(または、知人に紹介してもらった初めて会う人)にお茶の時間など頂いてお話を聞くのですが、その際には転職コンサルタントを利用する場合の注意点と同じく、疑問点や自身が検証したいことなどを明確にして、聞きたい質問を準備しておくことが大切です。
「仕事について教えて下さい。」と漠然とした質問だけして相手任せにすることは、絶対NGです。
求めることを明確にせずに話を聞いても得られるものは少ない上に、聞かれた方も戸惑います。事前に準備をして、聞きたいことを用意しましょう。
話を聞く時のコツは業務内容をそのタスクだけでなく(例:リサーチ、営業、〇〇の管理業務、等)、そのタスクをこなす為の作業は何をしているのか、作業レベルを聞いて理解することです。
ただ、どう質問すれば良いのか難しいと感じることも多いと思いますので、仕事を理解する為の効果的な質問例を幾つか紹介しておきます。
経験者に話を聞く時の質問例
・業務の全体像は事前に調べて理解をした上で、自分の理解が正しいか確認をする:
「この仕事の業務内容は・・・・・・と理解していますが、合っているでしょうか?」「もし私の認識が間違っていることや不足していることがあれば教えて下さい。」
・(仕事の全体像を正しく理解していることは前提として)毎日具体的にどんな作業を行っているのか、業務内容は手を動かす作業レベルでは何を行っているのか確認する:
「例えば、昨日は朝に仕事を開始してから具体的にどんな作業を行ったのか、朝に仕事を開始してから夜に仕事を終えるまで時間に沿って教えて頂けますでしょうか?」
・行っている業務について抽象的な説明があれば具体的な作業は何をやっているのかを確認する:
(その人が仕事をしている様子を傍らで見学しているがごとく、お話を聞いて頭の中で映像をイメージ出来る様に聞いていくと良いでしょう。)
「今『〇〇を調べる為にリサーチをした』と仰いましたが、〇〇のリサーチとは具体的な作業としては何をやるのでしょうか?」
「まず最初に手掛けることは何ですか?」「他にやることはありますか?何ですか?」
「人にヒアリングをする時は、対面やオンラインでの面談?それとも電話ですか?」
「電話でヒアリングをする時は、聞いたことをどのように記録するのですか?」
(例えば、メモをすると言われたら)
「何にメモをするのですか?ノート?PCで?」
「ヒアリングが終わったら、次は何をやるのですか?」
・その仕事に必要なコアスキルを確認する:
「この仕事で成功する為に、人並み以上に出来るべきことは何でしょうか?」
「それらは、いつまでに出来るようになるべきですか?」
・入社後の仕事のイメージを掴む:
「入社して仕事を開始したら、まず何から取り掛かると良いのでしょうか?」
「まず何を出来る様になれば良いでしょうか?」
「それが出来るようになれば、次は何を習得すべきですか?」
・その仕事で苦労したことを知る:
「この仕事を始めた頃に苦労したことは何ですか?」
「それをどう乗り越えたのですか?」
「乗り越えるまでに、どれくらいの期間がかかりましたか?」
・その人にとっての仕事のやりがいを知る:
「貴社でこの仕事をやっていて良かったと思うことは何ですか?」
「この仕事にどんなやりがいを感じていますか?」
質問例は以上です。
基本的な理解をした上で話を聞きに行く
他にも聞くべきことは沢山あると思います。公開情報や本などから得られることは得て、基本的な理解をした上で、聞きたいことを明確にしてその仕事をやっている人に聞くと良いでしょう。
これら自分で収集できる情報を集めて業界研究をして、その上で転職コンサルタントや実際に仕事をしている人達、または面接の質疑応答タイムなどで質問をして検証するということも有効なやり方です。
今回は求人情報をはじめとした職業情報の収集にあたって大切なポイントを述べました。職業情報の収集は、自分が主導権を握って行いましょう。
やみくもに情報を集めることや、発信される情報をただ鵜呑みにするのではなく、その仕事の中に自分が求める要素、自分が重視している要素、価値観を満たす要素などがあるのかどうかを調べるという心がけが大変重要です。それらを確認することが出来れば、納得感を持ってその仕事を目指すことも、選ぶことも出来ます。
(2024年8月5日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?