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【旅行記】ダメンズクレーンで大物ばかりを吊り上げてしまい無双状態な俺は地元じゃ負け知らず

先週の話の続きをしよう。
2022年に突入し、気分新たに順風も満帆、飛ぶ鳥を落とす勢いがマッハすぎて食卓でローストチキンになってから鳥本人(いや、鳥本鳥か)も気付くミラクルな晩餐チアーズ!という予定が、なぜかダメンズクレーンで大物ばかりを吊り上げてしまい無双状態な俺は地元じゃ負け知らずそうだろクローズ!(小栗旬時代の)となっており、これはもう自力ではどうにも軌道が修正できまへんお助けあれゴッズ!と何故か京都行きの新幹線に飛び乗ったくだりでHPが尽き、早々に床入りしてしまう老の現状を晒して前回は終了してしまった。
さぁ気を取り直して今週は最後までイっちゃうZ!

ーやっぱり最後は神頼み!怨霊を祀る最強縁切り神社へ弾丸ツアーでご乱心!ー

午前9時、初夜の花嫁を前にした新郎がごとく居ても立ってもいられず、ほぼ寝巻きにコートで家を飛び出した。出生以来、我が心臓には“旅は突然出るもの“とタトゥーが刻まれてある。そんな威勢の良さとは裏腹に両の膝は笑い、頬は乾燥で擦り切れ、メガネを忘れたので視界はモザイク18禁、寝違えた首は頑として動かないため体ごと方向転換を余儀なくされて挙動は不審、死体にムチ打つとはまさにこの朝の姿のことよ...としみじみしたが、それよりなによりダメンズとの縁を切りたい、もやもやを晴らしたい、日々の安寧を得たい思いが俺を京都へと誘った。

いつかは行きたい、いや行かねばならない場所として、常々頭のエグい部分に存在はしていたが、“いうても京都やしなぁ...遠いしなぁ...めんどっ...でも行きたいなぁ...でも京都やしなぁ...遠いsh(ry”と折に触れては思い出し保留、思い出し保留を繰り返していた。
その場所こそが、安井金比羅宮
知る人ぞ知り、日本一と称される縁切り&縁結びの神社だ。

去年行った出雲大社(そして)炭治郎(↓)

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縁切り榎豊川稲荷上弦の鬼(↓)だとするならば、

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まさに安井金比羅宮こそが鬼舞辻無惨様(↓)であり、

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“私は何も間違えない。全ての決定権は私に有り、私の言うことは絶対である。お前に拒否する権利はない。私が正しいと言った事が正しいのだ”
と言える唯一のお方である。

なお、無惨様の公式会見(安井金比羅宮オフィシャル)では下記声明が発表されている。

安井金比羅宮は主祭神である崇徳天皇が「一切の欲を断ち切って神社に籠った」という逸話に由来し、男女の縁のほか、病気、酒、煙草、賭事など、すべての悪縁を経ち、良縁を結ぶとされている神社である。下等の生物もみな、頭を垂れて蹲い平伏すれば、その恩恵に与ることが出来るであろう。

また、参拝した人の各種エピソードをググってみると、人間の業の深さたるや沼すぎて斬首!と無惨様でなくとも“黙れ”と首を掻っ切りたくなる話の連続ではあるのだが、そうは言うても俺も俺とて日々、平平凡々と人間をしている有様なので、彼や彼女らのエピソードには同じ生物として分かりみしかなく、己の業の深さなんて百も千も万も承知やから助けて無惨様、ヘルミーゴッズ!と飛び乗った新幹線であった。

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(※とりあえず旅といったらメシ。車内で食おうと思って買ったのに写真を撮っていたら空腹に耐え切れずスープを一気飲みしてさっそく己の欲深さを見せつけてしまった人間こと俺)

車内でいの一番にすることは、電源探しだ。
足元にあるはずのコンセントでipad(急に家飛び出してきたくせになぜかある)を充電しようとまさぐるが、一向に見当たらず。一周回ってSDGsの取り組みにより廃止か?と困惑したが、電源のない新幹線なんて客の血圧を上昇させるだけで全然SDGsではないので、それならばどこかに隠れんぼしているはず...と血眼になって連呼する“もういいかい”。もういいか〜い!もういいんだよ〜お!いいからいいから〜出ておいで〜とわちゃわちゃしていたら隣の外国人に肩を叩かれた。本当は何分も前から隣にいたことには気付いていたが、なんせ俺は令和の高倉健なので英語も話せず不器用すぎて、目すら合わせられなかったのだ。

デニーロ(似ていた)は欧米の方がよくやるボディラン、本来は“I'm watching you"(お前のことよう見てるからな、気ぃつけや)として使われる動作を俺にしてよこした。

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(※死ぬまでに抱かれたい男No.2。No.1は不動のヒュージャックマン)

2本の指をまず自分の目にあて、それから座席の手すりにその指をむけた。

やん「ワッタファッ?ワッタファッ?(←唯一知っているスラングwhat the fuck、無論言いたいだけ)」

なんと手すりと電源が一体化しているではないか!
デニーロは私のipadのコードを手すりのコンセントに導いて微笑んだ。

デニーロ「ヒィ~ァ(ここやで〜)」

まるで暖かい羽毛に包まれるがごとく、脳髄に沁み渡るヒィ~ァ
途中、日本海側のどこか(心のコンパスが狂っているため地理に疎い)ではまだ雪が残っていたが、丸ごと雪崩れるか土砂るほどデニーロの優しさはハートをウォームさせた。

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(※どこ?)

俺はズボンを少しズラしてパンツをグッと引き上げ、“お礼にニッポンウ〜マンの暖かさをあげマ〜ス、大和撫シコのコタツは真ん中のヒィ~ァナです”と隠語が難解すぎて一ミリも伝わらない和ギャグを披露してデニーロを邪馬台国の渦に巻き込み卑弥呼した。そうこうしていると京都着。デニーロは岡山で降りるらしく、俺のコタツの暖かさを知らないまま永遠のお別れとなった。一期一会。

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(※京都らしい写真はこれのみ)

目的地まではバスに乗るのが一番早くて安くて安心のクラシアン森末慎二だ。“京都市内は碁盤の目になっているから分かりやすい”と誰かが言っていたが、地図の読めないウ〜マンからすれば、一つの紙上に5つ以上地名が並んでいたらもうダンジョンだ。

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(※そもそも囲碁を知らない)

案内係のお姉さんに聞くまで現在地は路線図の上部真ん中にある北大路バスターミナルだと思っていた。(正しくは下方部真ん中にある京都駅前)ゆえに、俺にとっては地図などあってないに等しいつまりないので、乗り物においてはたいてい運転席の真後ろに座り、逐一プロである運転手に話しかけながらナビをお願いするNEO・VIP待遇で賃料以上のケアをしてもらっている状態だ。安井金比羅宮の最寄りバス停、東山安井で降車。なんとなく神社の匂いのする方へ歩を進めると、ぽつぽつカフェが見えてきた。へぇ...やっぱ京都は洒落とんな〜サンデーブランチ?名前もイケとんなぁ...しっかしやけに静かやなぁ...やっぱあれか?京都なだけにワビ的な?サビ的なやつなんか?カフェからカップルが出てくる。なんか雰囲気が昼っぽくない。古谷一行と川島なお美臭がする。違和感。振り返る。見上げる。

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(※なぜこんなにも空気が澄んで空が青いのか)

Oh my まさかのクラシアン・ラブホ街!

縁切り神社の近隣にこれでもかと並び立つ欲まみれな建立物。(全てのラブホは写真には収められなかったので一部のみご提供)
ここでも人間の業と欲深さをまざまざと見せつけられ、全身が失楽園した。

生前のなお美が放った不朽の名言、“20代って女の春だと思うの…30代は女の夏。私、いま夏!”を噛み締めながら無事到着した門。

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(※絶賛お直し中)

よく見るとこちらは裏門だったようで、バツが悪いのでぐるりと表へ回って入り直した。

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(※分かりやすい横断幕と分かりやすい殺気)

想像より小規模の神社だが、カルマが厚く鳥居をくぐった瞬間から悪寒が止まらなかった。
境内へ続く道すがら、不倫した夫を火炙りしながら尋問した椅子(※あくまで個人の見解です)を発見するも、それは黙して語らない。

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(※風に乗って聞こえる断末魔)

どんなに責めても火で炙っても不倫をされた事実は変わらない。クズは何度でも同じ事を繰り返すだろう。ならばクズごと縁を切ってしまえばいいのだ。妻はそう気がついて燃えた椅子と心で無惨様のもとを訪れたに違いない。大正解だ。
個人的には、三つ子の性癖百まで、どころか来世までと思っている。ヤるやつはヤる。なんの悪気もなくヤる。変われるのは自分だけ。相手には求めない。クズと縁を切った後は、必ずそこに新しい良縁が結ばれる。

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(※周りに差をつけてブチ込む賽銭は¥5000)

まずは形代(かたしろ)と呼ばれる白い札に願い事や縁を切りたいことを書く。中央にある絵が何なのか分からないが、そこも無視して書ける場所には余す事なく己のパッションをぶつけたので、白い形代が真っ黒になったが気にしない。そのために来たんだ。
さぁ形代を持って、今度はびっしり札が貼られてある碑(いし)をクグるのだ。願い事を念じながら碑の表から裏へ穴をクグって悪縁を切り、次に裏から表へクグって良縁を結ぶ。

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(※私は進化したタイプの骨盤だと信じたい)

骨盤だけはアメリカンサイズなので、碑をクグろうとするとギチギチにつかえてしまい、よもやこれまで...とフェイスがヒートしかけたら、後ろに並んでいたおばちゃんから“ひねってみぃ!ひねったらいける!”と合図があり、腰をツイストしたら難なくクグれてSo Happy!拍手喝采さすが関西のおばちゃん!関東なら誰も助言してくれんかったかもな...と不貞腐れそうになったが、何とか往来できたのでエビシンゴナビーオーライ!

おみくじは小吉で、波乱の兆しという文字が見えた気もしたが今日はメガネもかけておらず、前述の通り視界がモザイクなのでそこはボヤっとさせて、金銭運で今までの努力が報われることに一点集中、折れんばかりの握力で枝に結んで俺の無惨様(安井金比羅宮)参拝はクランクアップした。

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(※嘆く暇があったら前に進まないとあっという間にBBAになる、とのこと)

ご存知の通り“ヤったらすぐ帰宅”が俺流なので、滞在時間1時間でもう帰りの新幹線。お土産?観光?ノンノンノン。いつだって立つ鳥は跡を濁さないものだ。悪縁ごと置いてくぜ、SARABA京都!

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(※誰のか知らないが気になる黒リュックの中身)

翌週の火曜日。
前回の記事(※こちら)で、バツ2の女好きとの合コンを上司Mにセッティングされて行きたくない...とボヤいていたのを覚えているだろうか。
そのMからチャットが来た。

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(※因果応報)

なんとまさかの事故による骨折で合コンが延期!!!
たった一言のボヤキがこんな大惨事になるなんて...
無惨様の効果たるやスーパーブリリアントやないですか!!!

とはいえゴッズに頼んでばかりもいられないので、日頃から行いを良くし、クズとは関わらず、己を強く持って失楽園には行かない、の3本立てでしばらくは日々をリヴしようと誓った。パンパン!

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