保険に落ちた話
※本稿は2017年のtumblr投稿から転載した記事のため、他のnote記事と内容が重複したり、現在の思想と異なる意見を話している場合があります
私は後天性の不整脈があって、この自分勝手な心臓とはかれこれ22年以上、親の次に長く付き合ってきた。
簡単にいうと、脳と心臓をつなぐ神経が機能していないらしい。つまり私のハートは独立機関だ。本来なら脳がこなすべき、身体状況の把握なんかも勝手にやる。走れば脈が増え、寝れば脈が減る。タフで自立精神の強い心臓だ。おかげさまでありがたいことに、いままでの人生特に困ったことも辛かったこともなかった。
特に学生時代はよかった。水泳はウォーキングで参加した。登山合宿は宿舎に残って校長とUNOをした。体育祭は実行委員になり、企画の楽しさを学んだ。
持病と一言で言っても本当に様々だ。闘っているひとや悩んでいるひと、いろんな人がいるので、これは私の事例においての話であることは前置きしておくけれど、やはり、私にとってこの心臓は、普通をいくつか経験できない代わりに本当に沢山の普通じゃないものを与えてくれたパートナーである。
少なくとも健康体の自分なんてものが想像できない。マラソン大会を嫌々走り、体力測定で反復横跳びをし、海に行けば沖まで泳ぎ、相談できる主治医もなく病院を行き渋る?
本当に、心の底から一度だって、これをハンディキャップだと思ったことがない。
…いや、冗談で言ったことはあるけど。
何にせよ、この感じで特に困ることもなく、最先端医療に常に守られ、代わりにモルモットとして記録を残し、ほぼ健常者として生きていくもんだと思っていたのだ。
が。
生命保険の審査におちた!
落ちるんだなあ、そりゃそうか?そうなのか?
ええ??
当たり前だけど普通の人間より医療費はかかる。多少出費が多めの困ったちゃんなのは認める。
いやしかしほんと、1分あたり脈拍数が成人平均より少ないだけで、メンタルとスタミナのタフさとか多分そこらへんのもやしボーイもやしガールと比べたら絶対上回るぞ?
何よりこれからの人生、何かあった時のための保険なのに、家族、特に子供とかできて、お金を残す方法が限られるというのはやばくないか…?
当たり前だけど保険金あげたり保険会社変えたりしたら申し込めるんだと思うけど、営業さんが「大抵誰でも申し込めますよ」と薦めてきて、質問書も「素直に書いてもらってokです」みたいなかんじで、そしてこれってどうよ〜〜〜
生まれて初めて?
患って初めて、ウワー不便!っておもった!
こんな程度の不便でよかった。
改めて、怪我や病気のない健やかな人生を送ろうと心に固く誓いました。