2年半かけてゲットした内定を捨てました。
はじめまして。
私は、31歳。
仕事は田舎の工場勤務。
同い年の妻と1才4ヶ月になる息子がいます。
今回はタイトルにもあるように
やっとの思いで得た内定をけった話を
書いていきます。
順を追って説明します。
これは、私が気にしていた点です。
研修するのは
なんの問題もありませんが、
「県外で長期間」というのが
引っ掛かりました。
(募集要項、面接時には
可能性ありとだけ言われていました)
ちなみに、場所は
今の住まいの隣県で期間は3ヶ月です。
期間中は研修場の近くに宿泊します。
つまり、軽い単身赴任です。
「え、そこまで気にすること?」
と思う方がほとんどかと思います。
しかし、今の家族の現状を考えると厳しいです。
1才の子供の育児と家事は想像を
超える大変さです。
妻と協力して、ようやく、なんとか1日を
乗り越える感じです。
こんな状況のなかで、
私が家庭から抜けるというのは
現実的ではありませんでした。
妻の実家に頼る選択肢もありますが、
長期間預かってもらうのは
身内とはいえ難しいです。
それと、1才の息子にも影響があります。
ようやく生活のリズムか決まりつつあり、
日々のルーティンを
理解し始めているタイミングで
急に変則的な生活にしてしまうのは避けたい。
これは、研修後、私が戻ってきた際も同様です。
さらに、息子にとって「3ヶ月」というのは
非常に長く、本人が大きく成長する時間です。
この時期に父がいない
というのはいかかがものかと
思いました。
この時期に家族から
抜けることへの抵抗があったことが
内定辞退理由の一つ目です。
これは、妻が気にしていた点でした。
研修後、配属になる営業所の
環境に引っかかっていました。
営業所の人数が3人しかおらず、
実質のところ配属後は
一人で仕事をしなければなりません。
休みも取りづらく、
私が業務過多になるのでは、と
妻は心配していました。
ごもっともですが、
当の私は気にしていませんでした。
理由は
「前職が5人の会社だったので違和感がないから」
「面接時に仕事の配分、予定の入れ方を
見せてもらい私的には納得できたから」
です。
ただ、妻には
「あなたの職歴は特殊だから
そもそもの感覚がおかしい」
「面接の時は良いように答える、
辞退されたくないから」
と見事に一蹴されました。
会社の規模や待遇がいくら良くても
実際に勤務する環境がどうかが大切。
こちらに疑問が残ったことが
内定辞退の二つ目の理由です。
は??
どういうこと?
って思いますよね? 私もです。
妻によると
「なんか嫌な感じかする」
「でもそれを言葉にはできない、ごめん」
とのことでした。
結果これが最後まで変わることはなかったです。
そしてこれが内定を辞退した一番の理由です。
内定をくれた企業には申し訳がなさすぎます。
ただ、
私もすぐに受け入れたわけではありません。
きちんと反論もしたし、
妻と議論を重ねた上での決断です。
ちなみに
内定先は、
現職よりも給料は良いし、待遇もまずまず、
休日だって大幅アップします。
メリットばかりです。
研修は気になっていましたが、
これさえ乗り切れば、
その先、何十年も好条件で働くことができる。
トータルリターンで考えたら、内定承諾して
転職した方がいい。
給与、休日の数字からも明らかです。
でも、私は辞退した。
よくわからない曖昧な妻の勘を選んだ。
なぜか。
それは私が妻を心の底から好いていて
絶対的な信頼をよせているからです。
彼女が、適当に言っていたり、
私を茶化しているとは
全く思えなかったのです。
かれこれ、もう10年一緒にいます。
嘘をついていたり、ふざけていれば分かります。
今回はそれがなかった。
思い返してみれば、
この内定先の面接を受ける前から
「あそこ受けるの?」とか
「面接断ってもいいかもよ?」
たびたび言われていました。
このころから、
彼女には何か感ずるものがあったのでしょう。
数字を超える不穏な何かを。。。
いやいや。
転職活動にオカルトは要らない!
とツッコミたくなりますよね。
もちろん私も言いましたよ。
何言ってんの、って。
何が不安なの?
言ってくれないとわからないし
それを共有もできないよって。
妻は
「ごめん、うまくいえないけどなんか嫌なの」
とばかり。
本音言うと、めちゃくちゃムカつきましたよ。
仕事して残業して、真っ直ぐに帰って
育児して、毎日寝かしつけしてから
持ち帰りの仕事もして
そこから転職活動の準備してた。
仕事を前倒しして、何とか半休をとって
朝一で面接行って、午後から仕事した。
面接にはずっと落ち続けて、
それでも諦めずに続けた。
そして、
2年半かかってやっと、やっと内定をもらえた。
それを
「ごめん、うまくいえないけどなんか嫌なの」
で終わらされますからね。
はぁ?? ですよ。
この2年半はなんだったんだ。
じゃあ代わりに内定とって来てくれるのか?
何なら代わりに仕事するか?
と思いました、心の中でね。
(ごめんよ、妻。)
何度も何度も話し合って、
結果、内定辞退を選びました。
決断したあとに妻は
「ほんとにありがとうとしか言えない」
「辞退してくれてホッとしてる」と
半泣きで言っていました。
後日談ですが、
妻の感じていたことをできるだけ言語化したら
「家の家賃とか間取りうんぬんより、
その家を見て受けた印象、感覚が嫌だった」
という感じでした。
これでも正直よくわかりません。
強いて言えば、
あの会社の給与、待遇、福利厚生の
内容がどうであれ、嫌だということですね。
女の勘というやつでしょうか、うーん。
【まとめ】
この決断が正解だったのか
どうかは分かりません。
ただ、自分が愛する人が、
私を信じて結婚までしてくれた人が
涙ながらに訴えていることを
私も信じることにしました。
この行動は間違っていないと断言できます。
一般的な考えなら、
長期的にみれば、転職すべきだし、
生活かかるんだから旦那が押し切れよ、
となります。
でも、私にはできません。
「彼女を信頼していること」に
嘘をついてしまうから。
家庭内に、わだかまりとか、
モヤモヤを残したまま
生活するのは嫌だったから。
転職してもしなくても
いずれどこかのタイミングで
後悔するときが来る。
であるとすれば
できる限り後悔の少ないほうがいい。
私にとってそれは
「妻の意見を信じること」です。
実はもとを正せば
この内定も妻のおかげ。
妻に履歴書や職務経歴書のアドバイスをもらい
改善して一発で内定がでた。
今まで何十社と落ち続けていたのに。
自分の意見を重視したいところですが、
妻の意見をベースに動いた方には
「実績」があります。
これも彼女を信頼する、
信じてみようと思う理由です。
好きだとか、妻だからという心情に
結果という実績が加わると
自分の力では覆すことのできない
強い意見となります。
反論の余地なしです。
ということで、
妻の意見を尊重して
私はやっと手に入れた未来への切符を
自らの手で捨てる決断をしました。
とてつもなく辛いし、
心身ともに疲弊していますが、
今回のことは経験値として捉えて
次への糧にして、
また転職活動を進めようと思います。
家族にとっての父として、
一家の大黒柱として、夫として
たくさん考えた数週間でした。
収入を上げること、家族時間を確保すること、
パートナーを気持ちを汲むこと、
どれが優先なのか。
何をとって何を捨てるのか。
難しい問題です。
これは人それぞれ答えがあって当たり前です。
私は、長期的なリターンよりも
「毎日過ごすパートナーとの関係性」を
選びました。
私の人生の軸であり、
最も大切な部分だからです。
ここに嘘はつきたくないので。
長くなりましたが、ここまで読んでいただき
ありがとうございました。終