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球詠#4 原作ファンにまざまざと見せつける残酷さ

アニメ版球詠4話及び原作のネタバレ記事です



球詠4話、原作ファンからしてみればあまりにも残酷な話だったと思う。何故なら

・原作ファンが魅力だと感じる醍醐味の部分である敵チームとの駆け引きや心理描写がバッサリとカットされた事

・そしてそのカットをされていても話の大筋には影響していない事

だからである。以下その理由を述べる。

そもそも何故大野が新越谷を見くびったような態度を取っていたのかというのは

「元々浅井とバッテリーを組んで楽しく野球をしていたが、朝倉というとんでもない一年生が入部してきたせいでポジションを奪われそうになり奮起した結果エースの座を奪い取りチーム全体もまとまり、他の選手にも慕われるようになった。『だから自分達のチームがぽっと出のチームに負けるわけにはいかない』」

という理由があるのだがアニメでは『』の部分しか語られていない。そして大野が逆転HRを打った場面でも

「ここまで投げてきたが監督から朝倉への交代を告げられる。やはり自分は朝倉には敵わないだろうかと思案に暮れ全く打つ気が感じられず、それに惑わされた珠姫がカウント取りの直球を投げさせると大野は直球待ちの指示が来ていた事を思い出し思い切り振り抜いて『逆転ホームランを打ち、一躍勝ち投手の権利を得るとやはり自分がエースだと調子づく』」

という理由があるのだがアニメではそこまで語られていなかった。結果としてアニメの大野は噛ませ役のような ポジションではありつつも噛ませ役にはなり得ない調子の良い三下ぐらいの見せ方になってしまった。

また、朝倉の出番も改変されたせいか詠深相手に変化球を投げるシーンでも

「試合中ずっと外から詠深の投球を見ていて、あの変化球は素晴らしかったと敬意を表し、そのお礼として『詠深に対して変化球を投げ込み、詠深は自分に対して投げてくれたんだと思う』」

という風に変化したので試合後に朝倉が詠深に話しかけるシーンに唐突感が増しているのだ。他にも浅井の打席のシーンとか朝倉の変化球に対する思いのシーンなどもカットされているが割愛する。

そしてここまで色々とカットされてはいるものの大筋としては大して影響がないというのがまざまざと見せつけられている。何故ならこの柳大川越戦の練習試合は

・詠深がメンタルに支障をきたしかけるも珠姫とナインの激励で立ち直る 

・白菊が初ヒットを打ち、息吹は初出塁を果たす

・なお試合は3-4で新越谷は敗れた

というこの要素さえあればいいと言わんばかりの内容であるからだ。私はアニメから原作に入って一気読みしたぐらいの歴が浅いので分かるのだけども、初見だとこの脚本の内容でも多少のキャラクターの動きに不自然さを感じつつもこんなものかと納得してしまうのである。(そもそもこのアニメの期待値が低いというのも根幹としてある)原作を知らない初見の人間に作品の醍醐味であるキャラクター同士の心理描写と駆け引きをカットして「まぁこんなものか」と思われる程悔しいものはないだろう(そもそも作画の時点でという話はこの際置いておくとする)

だから少しでも引っかかる何かを感じたら是非原作を手に取って読んで頂きたいと願う次第だ。そして、アニメはこれから先どうなるのか、そもそも来週も放送されるのか?

私はそんなドキドキハラハラとしながらこのアニメを見届けるつもりである。ちなみにアニメの内容に意気消沈した原作ファンの人達はコミックFUZで更新された原作の内容を見て元気を出していました。(了)




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