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終わりへと向かう物語
ワールドエンドヒーローズは8月20日で完結し、オフライン化へと移行する。
この記事は、最近『ワヒロ』の文字をTwitterのタイムラインでよく見かけるけど、何なのか、興味はあるけど、よくわかっていない人へ向けて書いている。
もう既に、ワヒロの素晴らしさを伝える記事はさんざん存在するため(ストーリーの良さや絵が綺麗とか公式のキャラ愛が平等とかデイリーが2分で終わるとか)
ここでは主に、初見に向けてあらすじと、ワヒロのキャラクター造形の素晴らしさについて述べる。
偉そうなことを言っているが、この記事を書いている人も、メインストーリーこそ読んだが、始めてから1ヶ月経っていない。GW防衛戦からの新人なので、イベストやカドストを今後読むことがあれば、しれっと記事を削除している可能性が高い。
そんな現段階での感想でよければ、お付き合い願いたい。
ワヒロとは
ワールドエンド・ヒーローズというスクエニから出ているスマホ用無料アプリゲームだ。
シナリオライターはFF14の深澤瑠衣子さん、
BGMも同じくFF14の祖堅正慶さん。
あらすじ
誰でもわかるように、専門用語をつかわず簡潔に説明しようと思う。
ヒーローが、地球外生命体から世界を守る。
というもの。
この世界では高校生がヒーローをやっているのだが、誰でもヒーローになれるわけではなく、素質が必要。
その素質は何によって判断されるのかというと、
"血"である。
この世界では中学の時に血の適性検査という、
いわゆる血液検査のようなものを受ける。その血によりヒーローの適正があるかどうかが判断される。血の素質は遺伝の影響が大きい。
ヒーローの変身は血液を消費するため、長時間変身し続けていると貧血になる。そして、ヒーローは血の適正のほか精神力も問われる。
ヒーローに変身している間に、絶望し自分を見失うと、地球に魂を飲まれ、帰って来ることができなくなるためだ。意識不明の植物状態のようなものになる。
メンバーについて
上記のことがあるため、
基本的に皆メンタルが強く、ひとりひとりが決意を胸に抱いて戦っている。
守りたいもののため自ら望んでヒーローになった者、巻き込まれてヒーローになった者。
ヒーローになるのを家族から止められている者。
ヒーローをやっていることを家族に知らせていない者。医師から余命を宣告されながら、なおヒーローを続ける者。ヒーローとしての素質が足りなかったため手術で素質を補ってヒーローをしている者。
ワヒロには人の数だけドラマがあり、各々乗り越えるべき課題と役割が与えられている。それがとてもよく練られていてストーリーを興味深いものにしている
個人的に、特に役割が分かりやすい一年生を紹介する。
佐海 良輔
主人公は別にいるのだが、まずは彼から。
彼は一般的に思い浮かべるヒーロー像に近い。
善良な市民を守るためにヒーローになった。唯一の肉親である妹をはじめとする、困っている人がいるなら自分の手の届くところは全て救いたいタイプ。素直なステレオタイプのヒーローだ。
霧谷 柊
地球外生命体からの攻撃をうけた姉が9年間、病院で眠り続けている。
彼は姉が目を覚ました時、悲しむことがないように、彼女の愛した町の風景を守るべく戦っている。自分の育った町と養護施設を何よりも大切にしており、自分の大切なものを守る邪魔をするならヒーロー相手だろうと誰でも許さないといった旨の発言も見られ、単独行動をとることも多い。全てを助けることができるなら何よりだが、そうするだけ強さが自分には無いとわかっているから、一番大切なものだけでも守りたいのだ。
手の届くところ全てを守りたい佐海良輔とはまた違ったタイプのヒーローといえる。
彼と佐海良輔は、その養護施設の出身であり、
親友である。
透野 光希
自分の名前以外覚えていない記憶喪失の少年。
両親を事故で亡くしているが
彼は、ヒーローとしての素質が優れていたため
ヒーロー家系として有名な名家に養子として引き取られた。
自分が何者かを知るためヒーローをしている。
北村 倫理
彼もまた佐海と対比的なキャラクター像を持った人物である。佐海と霧谷が"対"なら、佐海と北村は"表と裏"の関係だと思う。
ヒーローは神様ではない。すべてを助けることなど不可能だ。命には優先順位がある。
何か問題が複数箇所で起こった場合、事態が深刻な方から救済の手が差し伸べられるのは、政治でもなんでも一緒だ。
たとえ、切り捨てられたその当人がどんなに辛くても、ヒーローの目に映ることはない。
そんな時に駆けつけるヒーローが北村倫理だ。
多数決で負けてしまった者のための、弱き者の為のヒーローである。
いじめられっこや前科持ち。世間にうまく馴染めない、そんな人の為に北村倫理はいる。
手の届くところ全てを助けるのが佐海なら、その手が届かない影の部分を誰よりもわかっているのが北村だ。
三津木 慎
主人公。彼は体が弱く、学校も休みがちな病弱な少年だった。
クラス内でも、そこにいてもいなくても変わらない。なんの影響も及ぼさない。
そこにいても困らないけど、いなくなっても困らない。自分の存在価値について考えざるを得ない人生を送ってきた。
病弱のため、中学でヒーローの適性検査も受けられなかった彼が、ひょんなことから自分にも
ヒーローの素質があることを知ることから物語は始まる。
ヒーローは神様じゃない。
大きな力を手にするためにはリスクが付き物だ。
事実、ヒーローは地球外生命体との戦いでよく
負傷する。ただでさえ血液を消費しながら変身し
戦っているため、戦後はクタクタだ。
いつか絶望し、地球に飲まれるのではないかという精神的恐怖もある。
戦う理由や守りたいものはそれぞれだが、
彼等は皆、等しく身を犠牲にして戦っている。
本気で向かい合っている。
痛くないわけがないのだ。怖くないわけがないのだ。
三津木慎は言う。
僕は、そんなヒーローを守るための、ヒーローになりたい。と。
一年生の説明は以上だ。
手の届くものを守りたい者、せめて自分の大切なものだけでも守る決意に燃える者、自己の獲得のために戦う者、なかったことにされる弱者のために戦う者、
戦うヒーローを守りたい者。
皆同じヒーローで、皆平和を望んでいるのに、皆守りたいものが違うのだ。
それがとてもうまく噛み合って、時には反発しあいながらストーリーは進んでいく。なんなら最初は敵として登場するキャラクターもいる。
ワヒロは、キャラクターがよく別行動する。
それぞれが守りたいものや得意なことが違うから
必要に応じて合流するし、離脱するし待機する。
ずるずると同行することはない。
そしてその待機や離脱もまたストーリーに活きてくる。いるべくして、そこにいるのだ。
(FF6序盤にある、ロック・マッシュ・エドガーの分岐を思い出すことがある。一人一人の行動が物語を動かし切り開いていく、あの分岐が私は大好きだ。)
キャラクターが生きているのを感じるのだ。
ストーリーも、序盤は明るく進むが、3章の終わりから雰囲気が変わり、4章ではライターの気合いを感じる熱い展開になる。
守りたいものと自己犠牲と信念の狭間で苦しむ彼ら(同じく読者も苦しむが)の決死の戦いが描かれる。
物語も佳境なので、ぜひプレイして確かめていただきたい。ここで説明しなかった二年生と三年生もとても魅力的だ。彼らもまたそれぞれ信条や背負っているものが1人ずつ違うが、等しく希望ある未来のために戦っている。
この深く練られたキャラが動くことで、化学反応が起こり、ストーリーを更に深みのある面白いものにしているといえる。
現在公開中のメインストーリーとサイドストーリーを読み終わる頃には、全員が愛しく、彼らの未来の幸せを祈ってやまない指揮官がいることだろう。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
もし少しでも興味を持ってくれた人がいたのなら、幸いです。ぜひ、アプリをダウンロードをお待ちしています。
そして気に入ってくださったら、ぜひ運営にその気持ちを綴ったメールを送ってほしい。
NOTEやTwitterを見ていると、ワヒロを愛した人達が、どうにかしてワヒロの形を残そうと各方面に呼びかけていて、その愛の大きさを感じるとともに、それだけ愛されてきたワヒロというコンテンツに涙が出そうになる。これはそんな人たちに触発されて書き記したものだ。
ヒーローのためのヒーローが三津木慎なら、
ヒーロー達の為に何かしたいと願う、いち市民がいてもいいと思うのだ。
おわり。
余談
これもまた既に書いてくれている記事があったはずだが、ワヒロは、女性用ではなく人類向けだ。
プレイヤーはヒーロー等に指令をおくる"指揮官"という立場なのだが、女性か男性か明記されたことはないし、ヒーロー達も常にどちらとも取れる対応する。
ワヒロは、セクシャルマイノリティや、自分は"普通"じゃないのかな、変わっているのかな、と感じる人に優しいゲームだと感じることが多く、居心地が良い。この話は機会があればまた。
これこそ余談だが私の中では指揮官≠自分である。
指揮官の動向を神視点からみている感覚で、私自身の気持ちとしては、この街に住むいち市民に近い。
画像もリンクも貼り方がわからず、文字だけの記事になってしまったが最後まで読んでいただきありがとうございました。