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週刊少年ジャンプと信頼って事について考えた

ある漫画家さんと話をした。
「近頃編集者と話すと必ず出る話が
 『持ち込みがこない』
 なんですよ」
「みんなジャンプ行くからね」
「そう、ジャンプラ行ってみんな心折れるの」

今は、作家の名前で漫画を売る時代ではない。
そういう時代は高橋留美子さんや鳥山明さんがデビューした頃に終わった。
その頃の漫画家が自分のテリトリー以外で描くと
「お?こんな所で描いてる!」
と驚かれた。そしてそれで雑誌が売れたりした。
ボクがこれで一番ショックを受けたのはコミック劇画村塾。
「ええ、留美子さんが描いてる?」
と度肝を抜かれた。これ、留美子さんが描く雑誌なんだ!と。
結局表紙と口絵だけだったけど。

じゃあ今はどういうふうに売るのかっていうと、組織のブランドで売る。
組織のブランドで人を集める。
「ジャンプに載ってるアレ」
っていう感じで売るのだ。漫画家になりたい人も
「ジャンプに行って売れれば、単行本は百万以上、アニメ化されなんなら映画化舞台化もされる」
と思って集まってくる。

ボクは週刊少年ジャンプの漫画の作り方がいいとは、全然思わない。
最近本当にガックリ来たのは『怪獣8号』。大事な戦いかも知れないけど3巻も4巻もやるものではない。バトルの間ってのはストーリーが1㎜も進まないからだ。ボクはストーリーが読みたいのだ。ずっと単行本買い続けてきたけどだんだん耐えられなくなってきた。
でも売れてる。フランスでの人気も高かった。アニメにもなってるらしいし。フランスで売れてる日本漫画ってのは少年漫画のことで、少年漫画ってのは週刊少年ジャンプのことなんだ。

週刊少年マガジンの編集者には改めて考えて欲しい(拙稿を週刊少年マガジンの編集者が読むとは思わないが言っちゃう)。
週刊少年ジャンプの漫画に同意出来ないから自分たちの漫画を作っているわけだろう。よくわかる。面白い漫画を作り出す底力は本当にすごい。ボクも週刊少年マガジンで仕事してたし、今でも一番たくさん買うのはマガジン系の単行本だ。
だが、実際に人が一番あつまるのが週刊少年ジャンプだ。
だとしたら、週刊少年マガジン編集部の信頼のされ方が足りないじゃないかしら?
ジャンプと同じ事をして欲しいとは一切思わないが、漫画はアニメではないし漫画の世界だけの深みがある。それをブランドにして信頼を高めて欲しい。具体策がちっともなくて申し訳ない。

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