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仕事の流儀6 漫画の教授法1

サブテキスト

しばらくボク自身の漫画教授法について話をしていこうと思います。  いくつかの理由があります。一つはオリジナリティが高い事。自分で言うと阿呆みたいですが、何処へ行っても同じような授業をしている人がいない。だったら公開して、このページをどこかの漫画の講師がみたら、なんかの参考になるに違いない。そう思ったからです。どのくらいの講師が登録しているのかわからないが、まぁボクも含め三人くらいはいる様子。 もう一つは、ボク自身が学生に「新しいものを手に入れたかったら、今持ってるものを握ったままでは無理でしょう」と言い続けてるから。そろそろ新しい手法などを考案・実践したくなってるので、棚卸しみたいにしちゃおうかなってことです。

ということで、思いついた教授法から紹介していこうと思います。あまり体系だって語りません、気ままなのはご勘弁を。           一回目はサブテキスト。お芝居や脚本を勉強してる人にはなじみでしょうけど、漫画の世界ではあまり使われない言葉です。役者さんがお芝居するときに、テキスト(脚本)から読み取るテキストに書かれていない感情など、と言うような意味です。昔『未来少年コナン』と言うアニメで(あ、いまNHKテレビでやってたかな?)モンスリィという女性キャラがことあるごとにダイスというキャラクターに「バカね」と言っていたのですが、コレが状況に応じて口調が変化する。文字だけならみんな同じだけど、声を当てていた吉田理保子がしゃべり分けていた。ああいうのがサブテキスト。ツンデレはサブテキストの代表選手ですね。

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これを漫画でやって欲しい。サブテキストがコントロールできると、その漫画はものすごく豊かな内容になると思うのです。読者が内容を読み取ろうとしてくるからです。それだけ読者が作品にのめり込んでくれる。のめり込んでくれる読者は、作者が意図しなかったけど表していることまで読み取ってくれる事があります。のめり込んだ読者の話を聞いて、    「え?オレそういうこと描いてたの? へ~~。すげえな。やるじゃん、オレ」                              って、自分で自作に感心した事も何度もあります。全部伝わってしまう漫画は「ああ、そうなんだ」で終わってしまう可能性が高いのですよ。

教え方はこんな感じ。

①言葉を使わず表情や身振りでコミュニケーションをさせる      ②はじめから全部を伝えようとしない。どこか一点が読者に伝われば、読者は遡って読み取ってくれる。その点を十分計算させる        ③言葉の使い方の多義性を教える

もう少し細かいところはありますが、それは講師のパーソナリティに従うものだと感じるので、ここでは省略。順調にいけば、文字では一言も触れていない内容を漫画で伝えられるようになります。ボクの作例も2ページ分載っけておきます。

ある夜1

    


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