黄葉とパレード: 書の楽しみ方
調和体を書いた。10月らしい、かわいい言葉。
黄落や
パレードの来る
並木道
久々に書いて、墨の匂いから楽しかった。書の楽しみ方のお裾分け。
1. 線の強弱を味わう
「並」をみてもらうと、初めの3画と比べて4-7画目が細くなってる。楷書とかより強弱を自由に出せるのが味わい深い。お手本通りにやっても良いし、自分で勝手にやっても。私は「守破離」(初めは教えを「守」って、少し「破」って、最後はその道から「離」れて自分の道を切り開く)の考え方が好きやから、その時の自分の状態に合わせて。今日は「破」かな。おばあちゃんのお手本をもとに、でも少し自分の味を加えてみたくて。(本当は完全に真似できてから、自分らしさを出していくんがええんやけど)
2. 各行の始まり終わりの位置
始まりの位置はもちろん、終わりの位置が異なっていることで、全体でバランスの良い形を作っている。これ例えば終わる高さが揃ってたら、下に詰まったような印象を受けちゃうんよな。
3. 点や線を変化させていくこと
「落」の中にある三点でも、角度変えたり入筆の方法を変えたりして、異なる形を作ってる。各々は揃ってないけど、全体として調和が取れてるのが趣深い。
4. 列、単語、文字ごとのバランス
文字ごとにいうても、「の」とか「や」は平べったい四角。「レ」はもうちょい正方形、ってなってる。そしてそれらの配置、つまり余白を含めてバランス取ってる。
「来」だけみたら左に重い文字になってても、「る」を右に配置することで、全体としてバランスを取って、かつ動きを出してる。パレード来てる。
5. かすれ (出したかったけど出せなかった)
本当は「の」とかをかすれさせたかった。紙が上等やったからかすれなかったことにしておく。
6.文章を味わう
自分なりの解釈はこんな感じ。
黄葉が落ちかけの頃、観賞に来てるたくさんの人が、
写真撮ったりおしゃべりしたり落ちた枝でチャンバラしたりと自由にしてて、
パレードみたいな雰囲気を醸し出してる、メタセコイヤ並木の道
実際にパレードがあったのかもしれないし、落ち葉をパレードに喩えてるかも知らんし。解釈自由に楽しむ。国語のテストじゃないしね。
ここに朱印があったらもっとかっこいい。あとで押そ。
日展行きたいなあ
おまけ
硬筆も書いてみた。万年筆2弾目。
ここにも「道」は出てくる。この中でのお気に入りは初っ端の「走」。出来るだけ手の力を抜いて書くように心がけた。