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始発終電で金沢日帰り旅に行ってきた
「GWに金沢のポケモン工芸展行くんやけど、梁田も行く?」
それは4月中旬頃のある日のこと、友人から突然LINEがきた。
そういえば金沢行ったことないな~、せっかく誘ってもらったし行くか~! と私は軽い気持ちで「行く~!」と返信。お誘い事にはフッ軽であれ、とは今決めた座右の銘である。
たった2行で決まった金沢旅、GW真っ最中で人がめちゃくちゃ多かったのを差し引いても、ものすごく良かったので備忘録として残しておこうと思う。
また、先日の地震で被害のあった地域の1日も早い復旧を願っています。
day 0
友人とのLINEから数日後、冷静になって宿を探すも当然の如くホテルの予約は埋まりに埋まっていて、空きがあってもそこは1泊ウン万円の高級旅館。フッ軽であろうとする故に早割という概念を持たないので財布も軽い。
困った私はとりあえず金沢までの交通手段を調べた。Yahoo!乗換ヘビーユーザーなので、とりあえずアプリを開けばなんとかなると思っている。
Yahoo!乗換、遅延までいかない電車の微妙な遅れも表示してくれるから便利。愛してる。
…………あれ? 金沢って京都から2時間ちょいでいけるの?
特急サンダーバードの始発で行って終電で帰って来れば丸一日いれるの!?
という訳で、始発終電日帰り旅にした。
泊まるよりも、もう1往復したほうが安いやーんという謎理論である。もはや旅と呼んでいいのかも怪しくなってきた。
今回の準備で事前にしたことと言えばe5489でサンダーバードのチケットレス特急券と指定席券を予約したこと、Google Mapを見ながら行ってみたいところにピンを立てたこと。
あと、レンタサイクル「まちのり」の利用登録。
地図を眺めていて名所がまとまった場所にあることは把握していたので、基本的に歩きで、少し離れていたら自転車があると便利だろうな~と考えた。
連休時期にバスなんて乗れないのは京都に住んでいるのでよくわかる。きっとバスに乗るまでに並び、さらに道も混んでいるだろう。京都駅では酷い時にはバスロータリーから出られないみたいな話も聞く。知らんけど。
今回の旅の目的は金沢を楽しむことであって、並ぶことではないのだ。
さて、前置きが長くなりましたが、そろそろ出発のお時間です。ちなみに前日は普通に夜ふかししてしまった。フッ軽であろうとする私は頭も軽い。
?:?? 出発
弾丸日帰らーの朝は早い。家を出た時間は仕事に行く日と変わらなかった。ってことは毎日始発で金沢行けるんだよな~。
休日の早朝、駅までの道は日課の散歩やランニングをしている人しかおらず、とても静かで澄んでいた。眠気とわくわくをリュックに詰めて京都駅へ向かう。
6:59 京都駅 サンダーバード1号
京都駅のサンダーバードは0番線からの発車。0番線って聞き慣れないかもしれないけれど、中央口から入って目の前のホームなのでわかりやすい。
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そうそう、個人的には京都駅といえば志津屋のカルネなんですよね。新幹線のコンコース売店で売ってると特別感あってつい買っちゃう。在来線コンコースのセブンイレブン覗いたんですけど売ってなくて、朝早すぎたからなのか在来線側だからないのか、わからないけれど残念。
新幹線もそうだけれど、電車で指定席を取る時は進行方向に向かって左右どちらの窓側にするかかなり悩みません? 何が見えるかとか、自分の落ち着きがいいほうとか。
今回は往復とも進行方向に向かって左側の席を予約。サンダーバードは琵琶湖の西側、湖西線の線路を走っていくルートだったので右手に琵琶湖、左手に山。どちらも良い。でも東側は日が当たって眩しそうだったから朝は西側がいいのかもしれない。
湖西線ってことはサンダーバードも強風ですぐ運休するのかな……名前は強そうなのに……。
そんなことを考えながら山々と田畑と家が交互に流れていく窓の外をぼけーっと眺めていた。
線路脇を通って高台に上がる階段に座って小さな子供とお父さんが電車を見ていたり、棚田があったり、敦賀あたりから信号が縦型になって雪降る地域なんだな……とか思ってみたり、なかなかどうして良きもの。眠気に負けてうとうとしたりしていると2時間と少しなんてあっと言う間だった。
9:13 金沢駅到着
駅の改札を出て最初に思わず呟いた言葉、
「人多っっっ!」
正直GWなめてた。めちゃくちゃ人がいる。まじか。なんとなくだけれど海外の人が多い印象。
この3年ほどですっかり人混みへの免疫を失ってしまった私は逃げるように建物を出てバスロータリーへ。
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そう、金沢駅といえば、のあれ。こういう名所系ってどうしても、テレビで見たやつ!!! という感想になっちゃう。大きくて綺麗で素晴らしい建造物なんだけどね。
観光地を巡るバスは当たり前のように長蛇の列。それを横目に鼓門を抜けて大通りを東へ歩いて行く。腹が減ってはなんとやら、朝ご飯を求めて近江町市場へ。
そう、今日はエンジンには頼らない。信じられるのは己の脚のみ!!!
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9:40 近江町市場
金沢駅から真っ直ぐ歩いていくと近江町市場の端っこに辿り着く。市場前の大きな交差点を渡るために地下に潜るとそこはまるでダンジョン。セーブポイント感があってわくわくしますね。
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そして地上にあがるとそこには、既に驚くほどの人、人、人……。
GWなめてた。(2回目)
セーブポイントから何回かやり直したら乱数で空いてる市場に出られたりしないですかね。
人混みを眺めていても仕方ないので、朝ご飯を求めて市場の中を奥に進む。こういうところは少し奥に入るだけで比較的混んでいなくて美味しいお店があるってばっちゃが言ってた。
そして辿り着いた 市場屋 さん。10分ほど待って店内に入れたのですが、私が並んだすぐ後からどんどん人が来て並び始めたので本当にラッキーだった。
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やはり金沢、海がすぐそこにあるだけのことはある。おいしい! 魚がとにかく甘い! どれを食べても甘い! そんじょそこらの魚とはぷりぷり感が違う。
今日は色々な金沢名物を食べるぞーって思っていたので念のためミニにしたけれどフルサイズでも食べられたと思う。ミスった。
並んでいる飲食店に入った時は如何に早く食べ、早く席を空けるかがカギなので食べ終わってお茶をいただいたらすぐにお暇する。
同行者の食べるペースを気にしなくて良いのは一人旅のかなりの利点だよね。
10:15 森八 本店
実は先ほどのお店で海鮮丼を待っている時、金沢に2日前から前乗りしている友人から連絡がきていた。
「今ここおる~(Google Mapの位置情報)」
あ! そこ! 時間あれば行きたいなって思ってたとこ!
そう、金沢の老舗和菓子店、森八 さんの本店である。
ちなみに今回、友人とは国立工芸館の前で現地集合、現地解散の予定だった。当日の予定はお互いに知らない。
でも同じ場所に行くなら合流しない手はない。一緒に甘味を楽しもうではないか。決して仲が悪い訳ではないので……。二人とも協調性がないだけなのよ……。
という訳で食後の散歩も兼ねて近江町市場から歩いて向かう。昔からの建物もある裏通りを歩いていると、本当にその街に来たんだなぁと実感できる。観光地とか駅周辺の整備された感じも嫌いではないけれど、せっかくなら地元ではない土地の雰囲気を感じたい。
そして10分ほどで到着。立派な建物の2階へ上がり、友人と合流して喫茶室へ。
くずきりやあんみつなど、何にしようか迷いに迷い、注文したのは加賀棒茶と生菓子のセット。季節の生菓子は数種類から選べて、私はあやめの生菓子をお願いした。
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器がとにかく美しい。九谷焼だったかな……うろ覚え……。金沢の老舗だけあって今まで食べたどの生菓子よりもお上品な甘さでおいしくいただきました。
しかし! 私はただお菓子をいただきに来た訳ではない。こちらの森八さん、なんと資料館を併設されていて喫茶を利用した人は無料で入場できるのだ。お店の歴史どころか金沢の、そして和菓子の歴史を学ぶことができる。
たかが和菓子屋さんの展示スペースと侮ることなかれ。すっごいよ。金沢に行った人全員行ってほしい。
実際に使われていた木型を展示されているので傷が入っていたり割れていたり、職人さんの手仕事の痕跡を感じて積み重ねられた歴史に思いを馳せる。学校の卒業記念だったり地元企業の創立記念用の型があったのも“地元の和菓子屋さん”を感じてしみじみとした。
SNS映えを狙ったんだろうな~みたいなスペースもあって面白かったし、落雁をつくる動画とかずっと見てられる。
とある木型を見て、樹脂成形の金型と同じやん、と思ってしまったのは完全に職業病。
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ちなみに私が来る前に資料館を見終えていた友人は喫茶を出て一足先に兼六園へ。こういう自由行動の感じ大好きである。
11:40 兼六園(の、中にある石川県立伝統産業工芸館)
後ろ髪を引かれながら資料館を後にして兼六園へ到着した私が友人へ連絡すると、兼六園の中を素通りして石川県立伝統産業工芸館にいるとの返事。
……おぅ、お前もしかしてあれ見てないんか、あの、兼六園のパンフレットの表紙の写真にもなっているあれ。金沢といえばのあれ。
まあいいかと、あれの前で写真を撮るのに並ぶ列を横目に兼六園の最奥を目指す。
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さて、伝統産業工芸館ですが博物館とか科学館とか好きな人にはめちゃくちゃおすすめ!
九谷焼や加賀友禅から全面に金箔が貼られた御仏壇まで、石川県でつくられるありとあらゆる伝統的な工芸品が展示されていて見ているだけで楽しい。解説文が盛り沢山なので、文章読むの大好きマンにもおすすめ。
中でも金箔がつくられる過程はかなり興味深かった。そうはならんやろ、なっとるやろがい。って気持ち。
すべての物にとてつもない手間ひまがかけられていて、これが伝統工芸……と圧倒されたしこれは確かに守られなければ生き残るのが難しい類のものであると実感できる。
あと、ミュージアムショップで地元ゆかりの作家さんの作品が展示販売されていたのも楽しかった。こうやって推しの作家さんに出会えるきっかけのある生活いいな~。
それから少し兼六園の中を散歩して、中の茶屋でおそばをいただいて。
兼六園、どこを歩いても美しいしめちゃくちゃ広いので所々にベンチとか東屋があるのも良い。苔と水がある空間好きすぎる。近所にほしい、兼六園。
兼六園に来て例のあれしか見ないのはもったいなさ過ぎるのて是非園内を巡ってほしい。時間がない方はマップを広げて、気になった名前の石とかスポットだけでも。そこに辿り着くまでの道も素晴らしいので……! ぜひ!
14:30 国立工芸館
さて、ついに本日のメインイベント、ポケモンx工芸 展!
友人が日時指定券を取ってくれていたのですが、当日でも並べば入れるらしい。めちゃくちゃ並んでたけど。GWだったからね。
で、展示を見て圧倒された。すごい。ガチの工芸家の方が本気でポケモンと向き合ってつくられた作品の数々に頭を殴られた。
いや、勘違いしてたんですよ。ポケモンつっても、ちょろっと特別展示でやってるぐらいで後は工芸館の普段通りの常設展示なんでしょ?って。
ぜ ん ぶ、 特 別 展 示 !!!
作品の写真はTwitterなどで #pokemonxkogei で検索してもらえれば撮るの上手な人がたくさんアップしてくれているのでそちらに任せますが、すべての作家さんにわざわざゲームをプレイしてもらっているほど力の入っている企画だった。
侮っていて申し訳ない。心の中で全力で土下座したし図録も買った。図録、制作過程も載っていてめちゃくちゃ充実の内容なので! 買って!
同じポケモンというゲームをプレイしているはずなのに、モチーフとして表現される場面やキャラクターは作家さんによって全く異なっていて、26年間かけて築き上げられた世界の奥深さを見せつけられる。
作品にポケモンの命が吹き込まれている。
例えばホームページに写真が出ているブイズの作品、直接会うと表情や目に映る感情に引き込まれる。陶芸家の方はポケモンの柔らかさを陶器という固いもので表現して、さらに普段の生活で使われる道具であるうつわに落とし込んで融合させているところに技を感じる。
かげうち も つららおとし も大好きだったなあ。
とりあえず、螺鈿細工の箱は絶っっっっ対に見て。そのあと1階のホールで上映してるメイキング映像を見て。お願いなので。
ある意味安心したし、映像を見ていた人全員から声出てて面白かった。
これ、会期中にnote書かなきゃって思っていつまでか確認したらロサンゼルスの巡回が決定したそうです。金沢に行くのが間に合わなくても大丈夫!
17:00 ???
工芸展を見終わった後、友人とカフェ併設のパン屋さんで休憩がてら近況報告をしたところまでは順調だった。
確かに人多いけど意外といけるな!とすら思っていた。
だがしかし、本当の試練はここからだった。
先に帰る友人と別れた後、兼六園周辺で目星をつけていた金沢おでん屋さんに向かったけれど、ご案内された予想入店時刻はどこも20時や21時とのこと……。まじか。4時間待ち?
仕方がないのでもう少し街を巡ってから電車の時間に合わせて金沢駅ナカのおでん屋さんに行くことにした。
ここからは移動距離が長めなのでレンタサイクルの力を借りる。
まちのり、借りる手順も簡単だしいたるところにスタンドあるしアシスト自転車だし便利。(自転車の写真は撮り忘れた)
気になっていた金沢文芸館の建物を見に行き、小説講座のチラシに心躍らせる。営業時間が終わった後なのは承知していたので、次は開いている時間に来よう。
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そして大通りから橋を渡ってひがし茶屋街へ。
……うん、コンパクトな祇園だな。風情があって良き。
お店が閉まりはじめる時間だったけれど意外と人がいた。
19:00 金沢駅へカムバック
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そのまま自転車で金沢駅に戻り駅ナカのおでん屋、かなえきのちくわ さんへ。全席オープンなカウンター席で一人でも気兼ねなく行ける。日本酒やクラフトビールも飲める。
本当はおでん屋さんをハシゴして食べ比べしたかったんだけどそれは次回のお楽しみということで……。
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え?食い過ぎって?
知ってる。お腹すいてたから……。
あとお店のカウンターに沿って並ぶんですが、みんな車麩おかわりしてるんだもの。せっかくだしと2つ頼んだら思ったより大きかったのよ。
あっさりとしたお出汁がよく染みたおでんはめちゃくちゃ美味しくて、出汁で炊かれたご飯とも相性抜群だった。
どの具も好きだったけれど白山堅豆腐はどうしてももう一度食べたい。豆腐の味がそれはもう濃くて濃くて。
普段カラシはつけない派なのですが、添えられていた麩市の和からしは辛いのに甘い! もう少し、もう少しと、ついカラシを求めてしまうのが衝撃的。白山堅豆腐にそれはそれは合う。
閉店間際に行ったので売り切れの具が多く、早めに行くのがおすすめ。
20:47 金沢駅 サンダーバード50号
おでんを食べた後、土産物屋のレジでまた並び、駅のトイレで並びと、最後まで金沢を満喫することができた。改札前の大きなお土産物屋さんは遅くまでやっているので助かる。
サンダーバードに乗り込みつつ、こうやって朝から晩まで飛び回るのも悪くないもんだなと謎の達成感を覚える。
金沢に来てみて行きたいところが増えたので、次は泊まりで遊びに行きたい。温泉宿に泊まってゆっくりする旅も大変に良いものですよね。
そしてこうして金沢に来る機会をくれた友人に感謝しつつ、いつまでもフッ軽なオタクでいたいものだなあと思いながら帰りの電車は爆睡しましたとさ。さすがに疲れるね!
という訳で、長くなりましたが最後までお読みいただきありがとうございます!
金沢最高なので! ぜひ行ってください!
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