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分かった気になれる損保会計①(全体像)
(Twitterはこちら → @yanagi_092)
本記事の対象:
損害保険会社の決算構造を手軽に理解したい人
上記の対象者に向けて、分かりやすく、大胆に細部を省略して解説します。
※趣旨をご理解いただいたうえで、玄人からの細かな点のご指摘はご遠慮ください
もともと、損保会計は難解で分かりにくい書物が多く、「概略でいいのでサッと分かるものは無いのか」という課題認識があり、無いなら私が作ってみようという試みです。
多くの方はこれを見れば十分だと思いますが、これから本格的に勉強をされる方にとっても、概要を掴むうえで有用だと思います。
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損害保険会社の損益概要
まず、損害保険会社の損益項目は、「保険引受利益」「資産運用等損益」「その他」の3つに分けられ、これらの合算が当期純利益になります。そう、損保会社の利益を考えるには、この3つだけで良いんです!
そして、「保険引受利益」を少しだけ細かくすると、以下のようなモデルになります。
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どうでしょう、このように考えると簡単ではないでしょうか。上記モデル図のポイントは、損保会計の難しい部分を全て「④その他」や「その他」に突っ込んでいるところです。難しい計算をした部分はついついアピールしたくなるのですが、多数の方にとって難しい部分はどうでも良いと思いますので、まずはこのような簡略化したモデルで話を進めたいと思います。
保険引受利益
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それでは、保険引受損益の中身について、項目毎に概要をご説明します。
①既経過保険料
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決算上の期間損益では、既経過保険料が重要となります。しかし、損害保険会社の損益計算書の最上段には「正味収入保険料」という謎の?勘定が鎮座していますので、この点は次回解説したいと思います。
②発生保険金
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会計期間内に発生した事故に対しては、現金による「支払保険金」だけではなく「発生保険金」をベースに考える必要がありますので、この点は別の回で解説したいと思います。
③事業費
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人件費、物件費、代理店手数料等、従業員にとって非常に重要な数値がここに入っています。細かな話は、別の回で解説したいと思いますが、先に足元の状況を知りたい方は、以下の分析をご覧ください。
④その他
保険引受関連の難しいものは、全て「その他」にしています。異常危険準備金とか初年度収支残負担とか色々あって、上級者がドヤ顔をするカオスな世界ですが、まぁ難しいものが「ごちゃ」っと入っているくらいの理解で良いと思います。ご参考程度で解説をするかもしれませんが、相当後の回になると思います。
資産運用等損益
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資産運用等で儲けた分とかが入っています。本当は「金利や為替をヘッジする目的だけど、諸事情により損益が出てしまっているもの」等の話もあるのですが、難しいので省略します。
その他
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特別損益とか法人税とか難しいものを全部「その他」にしているのですが、もちろん省略します。
コンバインド・レシオ
収益指標でよく用いられ、100%を下回れば黒字、上回れば赤字となります。そして、モデルケースで示すと、以下の部分になります。
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このように、コンバインド・レシオは「④その他」以外の保険の収益性を見ているものになります。
正確には分母のベースが違ったりするので、難しい部分もありますが、まずはイメージ作りが大切だと思います。上図のイメージだと、コンバインド・レシオが80%くらいで、20%(2,000)くらいの「保険引受利益(④その他を除く)」が出ているという理解で良いと思います。正確な内容は別の回で解説します。
今回のまとめ
損害保険会社の損益は、「保険引受損益」「資産運用等損益」「その他」の3つで構成されている。
コンバインド・レシオは、保険引受損益の「④その他」以外の収益性を見ており、100%を下回った分だけ黒字。
今回は以上です。次回は「正味収入保険料」と「既経過保険料」の関係について触れたいと思います。
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(続く)