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なぜいま石油タンカー株が注目されるのか?石油産業とタンカーの基礎、石油タンカー銘柄について分かりやすく解説します

そんな方に向けて書きました。

この記事では、石油産業と石油タンカーの基礎知識と、石油タンカー銘柄の例を紹介します。

私も石油業界に関する知識をあまり持っていなかったのですが、石油タンカーに関するニュース見て理解できるレベルになるように自分で調べたことを基本的な用語から整理して、“なるべく分かりやすく”書いたつもりです。

①なぜいま石油タンカー銘柄が注目されているのか?、②石油産業とタンカーの基礎、③石油タンカー5銘柄、の順で説明していきます。

①で出てくるの用語が分からない場合は、先に②を読んでいただければと思います。

石油タンカー銘柄への投資を考える際のお役立ちになれば幸いです。

なおこの記事は下記ブログ記事の抜粋です。ご興味ある方はぜひリンク先からブログ記事をご覧ください。


なぜいま石油タンカー銘柄が注目されるのか?


なぜいま石油タンカー銘柄が注目されているのでしょうか。

ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、ロシアで多く生産されている穀物、石炭、石油などの価格が高騰していることはご存知のことと思います。

ウクライナ侵攻に対して各国がロシアに対する経済制裁を発表し、すでに木材・鉄鋼・石炭などの輸入禁止を決めた国々もありますが、今後、石油も制裁対象になる可能性があります。

このことと、石油タンカー株が注目されている理由の関係を順を追って説明します。

ロシアの原油の輸出量・輸出先

まずはロシアの原油・石油製品の輸出量と輸出先について確認したいと思います。

下図は各国の原油生産量のグラフ、下表は2019年のロシアの原油生産量とシェアを整理したものになります。このデータから2019年時点のロシアの原油生産量は世界の12.1%と、世界有数の石油生産国であることが分かります。

出所:資源エネルギー庁・エネルギー白書2021

参照:BP「Statistical Review of World Energy 2020」 を基に作成


次に、ロシアの原油・石油製品の輸出先を確認します。

下図の右側はロシアの輸出品目の割合と(2021年12月)を表しています。原油(Crude Petroleum)18.9%、石油精製品(Refined Petroleum)14.4%と、ロシアの輸出品に占める原油・石油製品の割合が高いことが分かります。

ロシア原油の輸出先(出所:OEC)

下図の左側はロシアの原油・石油製品の輸出先を表しています。ロシア原油・石油製品の輸出先の約半数は欧州であることが分かります。

ロシア原油の輸出先(参照:OECのデータを基に作成)

まず従来のロシア→欧州の輸出量が大量なので、原油の供給が逼迫して原油・石油製品の価格は高騰・高止まりする可能性があります。

ロシア石油精製品の輸出先(参照:OECのデータを基に作成)

またロシア原油の代替として北米・南米・中東などからの原油・石油製品の輸入(石油タンカーで輸送)が必要になる可能性が高いです。

そうなれば、石油タンカー需要は旺盛になりますし、長距離輸送の受注も多く入るため石油タンカー株にとって追い風になると考えられます。

そのためEUがロシア産の原油を制裁対象とする否かが石油タンカー株にとって重要なポイントです。また4月下旬に開票されるフランス大統領選の結果はEUの意思決定を左右する可能性があるため注視する必要があります。

続けて原油価格やタンカー運賃の指標も確認しておきましょう。

(…続く)


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