私が思う「湘南ベルマーレの守備が良くなっている部分」について
私の質問箱にこのような質問が届きましたので、noteにて回答させていただきます。
質問をしていただいた方、ありがとうございます。
浮嶋監督から山口監督になって、守備のカタチがガラリと変わったわけではありません。
基本的な部分(原則)は継続していると、私の印象ではそう思います。ただし、守備の決まりごとが一試合一試合でアップデートをしている点や、攻守のシームレス化によって、守備が浮嶋監督時代よりも、そして山口体制初期よりも強固になったのは事実だと思います。
まず決まりごとのアップデートですが、以下のような事が挙げられます。
①試合終盤(後半残り20分くらいから)になると、自陣ゴール前ではよりコンパクトな陣形になる
→ゴール前でブロックを敷いたときに2人のFWが下がり、最終ラインとの縦幅を20mに保つようになった
→WBがより中に絞るようになった。陣形の横幅がよりコンパクトに
②相手DFからロングボールを湘南DFラインの裏に蹴られるときのDFラインの高さを修正
→ラインを若干低めに設定していたように思える
→裏に蹴られても、中盤がしっかりと連動して下がり、コンパクトさを保っていた
①はアウェイ鳥栖戦後に、②はアウェイ札幌戦後にアップデートされたものです。
守備のカタチで浮嶋体制と山口体制を区切るのは難しく、1試合ごとの変化を追ったほうが良いかと思います。
しかし、攻撃面で浮嶋体制と山口体制では違いが明白にあります。
山口体制では、ポジショナルプレーを意識しているという点です。
これにより、選手たちはボールホルダーよりも高い位置で的確なポジションを取るようになり、ボールホルダーもパスの選択で、以前よりも時間をかけずにパスを渡すようになったと思います。
そして、これが攻守のシームレス化につながります。
攻守のシームレス化ついては、田中聡のポジショニングに注視するとわかりやすいかと思います。
田中聡は攻撃時に、アンカーでは考えられない程の高い位置にポジションを移します。それはボールを中心に考えたポジショニングでもあります。これにより、味方がボールを失った際に間髪入れず、カウンタープレスを仕掛けることができます。そこで奪えば、相手のカウンターを防ぐことにもなりますし、ポジショナルプレーですでに的確なポジションが取れた味方がいるわけなので、湘南の効果的なカウンターにつながります。
これが攻守のシームレス化(攻守が一体となったもの)ということです。
浮嶋体制を思い返すと、アンカーのポジションが攻撃時に低く、敵陣までボールを運んでも、カウンターで敵に自陣深くまでボールを運ばれるケースがあったと思います。(アウェイC大阪戦以降は改善されました。)
最近の試合では、ロングカウンターで危ないシーンを作られる場面は間違いなく減少していると思います。
基本的な守備のカタチは変わらないものの、
決まりごとのアップデートと攻守のシームレス化が、「浮嶋体制よりも守備が良くなった」と感じる要因だと思われます。
以上、浮嶋体制と山口体制の守備の違いに関してでした。
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