見出し画像

高橋源一郎の飛ぶ教室

2022.6.3放送分を聞き逃し配信で聴いた。

「安部公房“砂の女”にいま学ぶこと」
【ヒミツの本棚】源一郎センセイが、一冊の本をテキストに現代社会の新たな生き方を指南。
【きょうのセンセイ】ゲストは漫画家、文筆家のヤマザキマリさん

<「高橋源一郎の飛ぶ教室」番組HPより引用>

阿部公房作「砂の女」について、内容を聞いていたら、怖い話だけれどちょっと読みたくなってしまった。
解説を聴いて読んだ気分になってしまうというのもアリな性格なので、今は読まないかもしれないけれど。

ヤマザキさんは留学中に翻訳版を読んだのが最初だそう。
ヤマザキさん曰く、色に例えると、大江健三郎は黄緑に黄色、阿部公房は赤と黒と表現されていた。
こういう表現、私は好きだ。

「砂の女」は世界文学の傑作らしい。

「こういうものを書いている時は(作者が)自由だったんだろうな
と思った」という源一郎センセイ。

番組は、お二人の解釈を含めて「砂の女」のあらすじが語られていく。

その言葉を拾った「砂の女」のあらすじは、だいたい以下のとおり。

主人公仁木順平という教師がある村に昆虫採集にいった。
仁木は失踪を臭わせることを言ってしまっていた。
ある村にたどりついて虫を探しているうちに、だまされてその村につかまる。
その村はずっと砂がたえず押し寄せてくる村で、深い蟻地獄の底に家がある。だから砂を常にかきださないといけない。
仁木はアリ地獄におちいるように、そこから出られなくなってしまう。
仁木順平は承認欲求の強い男。上から目線。夢見がちな都会人。
自由を求めていたのに、「俺はちゃんと住所があるし仕事も持っているのに」と言い出してくる。
何度も逃げることに挑戦しては失敗を繰り返していた。
ところが、あることをきっかけに縄梯子がおりてくるのに、仁木は結局逃げなかった。

<源一郎センセイとヤマザキさんの会話を抜粋しながらまとめた>

砂は流動性があって自由の象徴。
自由とは何かを考えさせらえる作品。

源一郎センセイとヤマザキさんの解釈、解説、ひとつの小説について
語り合うのを聴いて、面白かった。

源一郎センセイ曰く
今でも読むに値する、時代に影響さえていない普遍的作品。
いま阿部公房を読め!

とのことでした。

ほぼネタバレをしていたわけだけれど、怖いし後味悪いかもしれないけれど、この作品を読んでみたいかも・・・と思った。映画化もされていて、当時はCGもないので、9メートルも穴を掘って撮影したらしい。映画も見てみたい気もした。

何が言いたいかということを表現するには、やはり小説(フィクション)という形をとった方が伝わるような気がする。
作品の解釈について、読者がそれぞれ考えるということが生まれるから。
人によって解釈がいろいろあっって、それを話し合うことで新たな発見もあるし、それは読書の楽しみのひとつでもあると思った。

番組HPはこちら


<© 2022 犬のしっぽヤモリの手 この記事は著作権によって守られています>

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?