故郷3

iyamori
#星読み
#過去の選択
#過去の傷


父と再婚相手である継母と、その連れ子。
yamoと姉。

当時の団地と今の団地はそんなに違っていなかったはずだ。
せいぜい2DKか良くて3DK。
40から45平米くらいしかない所に家族6人。

子供が全員小さかったとは言え狭い事には違いない。
この頃はどうやってみんなで寝ていたのか思い出せない。


この頃継姉妹は、1番上に私の姉。
その1つ下にミカ(仮)。その1つ下にyamo。その1つ下にユウコ(仮)。

ミカは母親によく似て意地悪だった。

ミチヨがyamoや姉に意地悪をしている様子を眺めてはニヤニヤしていた。
yamoはその視線も怖かった。


上の2人は小学校に通っていた。
姉が2年生でミカは1年生。

小学校に通いだすと毎週末上履きを持って帰ってくる。
上履きは洗って、また週明けに学校に持って行く。

ミチヨは子供の上履きを洗わなかった。

姉は自分で洗っていた。

自らそうしていたのか、ミチヨにそう言われたのかは分からない。
秋田の母の実家で既にそうしてきていたのかもしれない。
(祖母にそう躾けられていたとか?)

姉がお風呂場で上履きを洗っているところにミカが、「これも」と言って自分の上履きを風呂場に投げる。

これを姉は無視する。

自分の分を洗い終えると片付けてベランダに干しに行く。

ミカの上履きは放置される。

少しして放置されていた自分の上履きに気づいてミカはミチヨにそれを報告する。
よーーく憶えている。

「お母あさあああん、ねえ見てえ。ちゃんとミカはお願いしたのにいいい」

ミチヨが言う。
「ねえ、ついでじゃない。一緒に洗ってよ」

姉はこれも無視する。

一応の子供部屋の隅に座って姉は何か本を読み始めていた。

「ねえってば」と二度声をかけるが、姉は返事をしない。

無視されてミチヨはキレる。
台所の椅子に座ったまま声を荒げる。
「ちょっと!あんた!返事しなっ」


億劫そうに姉が返事をする。
「自分で洗いなよ」

あくまで静かに、「なんでミカは自分で洗わないの」と言った。

この時、ミカではなくミチヨがキレていた。
「うるさい!ついでなんだから一緒に洗ってって言ってんの」

また姉は無視する。

ちょっと!と、今度はミチヨは椅子から立ち上がった。
がたんと大きな音がした。
そういう目で見るんじゃないよとyamoが叩かれた。
びっくりした。

すぐに姉も叩かれた。


ミチヨに平手で頬を叩かれるのはyamoも姉ももう既に普通だった。

でも姉はミカの上履きは絶対洗ってやらなかった。


ミカもミチヨも上履きを洗わなかった。



yamoは鼻血が出ていた。

早朝暗いうちからトイレの前に立たされていて、寝かせてもらっていない。
おねしょで濡れたパジャマが冷たかった。

yamoはおねしょをしたことで何度も蹴られた挙句、トイレの前に何時間も立たされていた。

鼻血が止まらなかった。
鼻血でむせた。

汚すんじゃない!とまた怒鳴られた。


ミカの上履きは放置されたままだ。


ミチヨは、yamoに「着替えな」と言った。

「着替えたらそこに有る上履き洗っておきな」と、言った。


姉は獅子座に水星を持っている。

基本的に「ストレート」で「正直」。
物事をハッキリとした口調で率直に伝える。
そこには気高さ(獅子座の)が感じられたりするので、言われた方は気圧される感じがある。

おっとりとしたイメージを持つ。
しかしズバリと本質を突いてくるので、相手に何かしらの印象を残す。
(参考 石井ゆかり著 「星占い教室のノート」)

水星を読むことでその人の思考パターンや行動パターン、クセが分かる。

姉はまっすぐに物を言う。
余計なことは言わないけど、言うときは端的に要点だけを言う。
確かに獅子座の水星だったと改めて思う。

又、姉は山羊座に月を持つ。
「実力の伴わない大人や教師に対してとても挑戦的で反抗心を抱く」
(これも「星占い教室のノート」より)


姉は、子供時代の早い段階で大人への不信感を覚える。
その不信感から深く傷ついたに違いない。
「一体何を信じればいいんだろ」という感じの疑問を持つところから人生をスタートさせる星の配置なのだ。

石井ゆかり先生の本によれば、山羊座に月を持つ人が「本当に望むもの」は、「確かな、本当に信じられるもの」だと言う。
人生をかけて、本当に信じられる何かを探すという星の配置。

今は、心穏やかに、姉にとってのそういう何かが見つかっていてくれれば良いなと思う。


さて、ミカの上履きだ。

結局ミカの上履きはyamoが洗った。

そこから何年間も、姉以外の上履きはほぼ(多分)毎週yamoが洗っていた。

途中、姉には「嫌だってちゃんと言いな」と耳打ちされた。
一回じゃない。
何回か繰り返し言われた。

それでもミチヨや連れ子の意地悪に逆らえないyamoを見て姉は、ちょいちょい上履きを洗うのを自分の分を洗うついでに手伝ってくれたりもした。

本当に良いお姉ちゃんなのだ。


yamoのかわいそうなところは、この時、上履きを洗うことはさして嫌じゃなかったということだ。
ミカの分はもちろん、ここからyamoもその下のユウコも小学校に上がる。
ミカもユウコも上履きは自分では洗わない。
いつもミチヨが「ついででしょ」とyamoに言う。

この時、これは理不尽だとか、嫌だだとか、どうして私があいつらの分までと言う気持ちが意識出来ていればまだ救いは早かったかもしれない。


 初めてミチヨに叩かれた時のことを憶えていない。

でもこの時既に、yamoは一切の自己主張をしてはいけないと考える子供になっていた。



次回、また別のエピソードに続く>>>>

ここまで読んで頂きありがとうございました。


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