
スナックのカウンターの下で展開されているアレ
iyamori(スナック)
日常はドラマに満ちているなと、改めて思うyamoである。
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横浜の、いつもヒマなスナックの店内。
この20数年来、ゴルフコンペの打ち上げ以外には来ないというK様がその夜は本当に珍しく、ゴルフコンペでもないのに飲み友達を伴ってご来店。
「カッちゃん、デュエットしてよ。一緒に歌って」(ママ)
「、おお、、いいけど」(K様)
珍しいな〜
ママが自分から歌いたいとか、、
さすがK様は特別かと、yamoはK様の隣りのスツールに座って、カウンターの内側に居るママと、すぐ横に居るK様の様子を眺めていた。
K様はyamoが勤めるスナックの、現在はママのというよりマスターのゴルフコンペの上客であり、K様とママは過去に何かほろ苦い思い出が有るようだった。
(ママとマスターは夫婦)
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yamoは、お酒が飲めないし、おタバコは嫌いだし、お客様とのお同伴もおアフターも嫌。
おカラオケはお下手だから歌いたくない。
そんなyamoは、スナックという水商売の場ではなかなかなポンコツであることを多分ママに気に入られて、バイトを続けることが出来ている。自分より出来ない子の方が近くに置いといても気持ち的に楽なことって有る。
例えば、「中年男性あるある」だと後から知ったが、飲み屋や飲み会の席で女子が居ると、自分の若い時に撮った写真を見せるという(人物)シーンがあった(居た)とする。
カッコ良かったんだぜ俺」アピール。
細かったんだぜ俺」アピール。
だから、例えば店の営業中にこのシーンにぶつかったら、スナックの女の子が取るべき対応の正解は、「ええええーーーカッコ良い〜〜。でも今の方がもっと良い〜〜」という反応だ。どんなに現在が不細工でも。禿げていて笑えてもだ。髪ふさふさ〜は絶対触れてはいけない。お客様の方で触れてきたらそこは拾って笑ってやる。
が、正解👍
ところがyamoは、例えばだが、ある日のゴルフコンペ終了後の打ち上げ時、K様が高校生だった頃の写真を、「見て」と見せられたことがあったんだけど、その時に、可もなく不可も無くのその学ラン姿にコメントが思いつかなくて、なぜこの男性客はyamoにこれを唐突に見せたいのかが分からずに、一瞬の困惑の顔で、「え、、と、学ランですね」とコメントした。
K様の目を見て、真面目にえ?だから?という顔をしていたと思う。
挙げ句の果てには、「太りましたね」を言いそうになって、勢い「鍛えているんですか?首が、、」と口走ってしまい、「バ、、これはただ太っただけ!!」(周囲大爆笑)という展開になったことが有る。
つまりyamoは、いわゆる素人さんなのである。
不自然に爆笑が起きているそこに慌てたふうのママ。
カウンターの外側でちょっと離れた所に居たママ。
ほーーっほっほっほ、、やだもうyamoちゃんったら。。ねええ、とかなんとか言いながら寄って来る。
なになに??どうしたの??大丈夫?と、耳打ちされるが、yamoは分からないので「わかりません」と答える。
yamoはこのママしかママという存在と関わったことが無いので、このママしか知らない。
それでもなんでもyamoを使い続けてくれるママとマスターに感謝している。
yamoはキャラクターとしてのママが大好きだ。
人としても好きだけど、ママというキャラクターとしてのママに魅力を感じている。
この道一筋でプライドと誇りを持ってそこに座り続けているママが大好き。
ここは読者様に間違ってもらいたくない。
「ママ」という地位で長くその道を歩んできた女性というのは、やっぱりそれなりに自分の店での世界観とスタイルと価値観にプライドと誇りを持っている。ママとなる前からも、🦋蝶よ華よと舞台のセンターを長く張ってきた女性であれば尚更だ。
1人でも多くのお客様(男性)に気に入られることを正義とし、それを生活の大命題にして、どれだけの数のお客様の酒瓶を空けさせて店の売り上げに貢献するかということを、他の女の子仲間と競う。一晩に2回は吐いてまた飲み続けるという毎日。そういう毎日を何十年と続けるってどんななんだろ〜と想像してみるが、およそ長くは続けられずに途中で断念する。
つまり、そういうところで働く人たちのことも、そこに大金を払って通ってくる男性客のこともyamoには想像が及ばないのだ。
そしてそこそこママはワガママである。
なんなら未だに舞台の中心は自分が張っている気でいる。
いや、それは実際間違いではないと思う。
ママの店だし、ママの城であることには現在もそれ自体は間違っていない。
絶対的に正しい。
とは言えだ。
だから自分より「出来る若い娘(こ)」はどっか憎たらしいのだとyamoは思っている。だから自分より出来ないyamoがかわいいのだろうと思う。
ママがやりたくない店や店のトイレの掃除は喜んでやるしyamoは。
片付けものとかテキパキこなすしね。そこは得意分野。勤め始めた当時、カビと誇りだらけだったバックヤード、キッチン回りも掃除したのはyamoだ。
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「一緒に歌って」
「、、おお、いいけど」
イントロが流れてマイクを渡されたK様。
K様良い声なのよ ww
男っぷりも悪くないとyamoは思う。
浅黒く焼けた肌で健康的ななイメージ。
背はそんなに高くないけど(yamoがデカいからそう感じるのかも)、ガッチリした良い体をしている。
胸板が厚いイメージ。
手が大きくて分厚くて良いの。手のひらが硬い。職人さんの手みたい。
手には触ってるなyamo。
デュエット中の2人。
yamoにはいつの誰の歌だかわからないけど、上手い人が歌うと良い歌に聞こえるという感じ。
静かに感動していた。
上手いな〜という気持ち。安定。安心して聞いていられる。
そしてママがこれまた初めて見る。
手を握ってくれとK様にアピールしている。
K様、マイクは右手。
ママに左手を差し出す。
強く握ってやる。
ママのウットリっぷりにyamoは一瞬慌てる。
お、おんななのか。失礼か w
yamoには、「うちの店はお触りは絶対禁止だから安心していいわよ」と言っていたのに。「握手だってしなくていいの」と、「しつこいお客様が居たらママに言いなさい」と、言っていたのになと思う。
カウンターの上で、手を握り合ってデュエットしている2人を終始笑顔で見守るyamo。
軽く手拍子なんかしながら。
内心は、
ひえ〜〜〜
この2人大昔に何があったんだろ〜〜と、思っている。
おいおいおいと、思っている。
そんなカウンターの上での光景。
そんな中、おや?と、軽く手拍子しながらカウンターの下に視線を落とす。
K様の膝とyamoの膝が近い。
K様の右足のつま先と、yamoの左足のつま先が当たる。
あ、、
と、yamoはちょっとドキドキしている。
すみませんと目配せする。
ん?と笑顔のK様。
その後はわざと足のつま先をツンツン当ててくる。
カウンターの上ではママの手を握って良い声で歌っている。
こっちに集中しろよとでも言うようにママがK様の手をギュッと握り直している。
さすがだ。
バレている ww
じゃかじゃーーん🎵🎶と一曲終わってマイクを戻す。
マイクを持っていた右手が空いて、そのK様の右手が今度はyamoの太ももに来た。
yamoはママが気になるし、太ももをこんなふうにお客様に触られたことが無いのでドキドキした。
割とちゃんと触っている。K様の厚い手のひらが、yamoの膝より少し上、太ももの中央あたりを内側外側と行ったりきたりしている。
でも決していやらしい感じではない。
なんで?
充分いやらしいだろ 🤣ww
とは言えyamoはどうしていいか分からない。
マスターの上客ということは関係無くても、そっとその手をK様の膝にもどそうか?
「お触りは禁止です」と。
考えている無反応の間にK様の手は撤退。ホッ。何か察してくれたのだろうか。
カウンターの上では、K様は機嫌良くママと喋っている。
yamoはへーとかーふーんとかと相槌を打っている。ほぼほぼ上の空だ。
え、、、と、、、。
で?
どうする?
どうするyamo。
てか、どうするの?どうすることが正解だった?
と、言うわけで以上です ww
スナックはまだまだyamoの中では未知の領域で、アドベンチャーワールドに迷い込んだような気持ち。
ちなみにyamoはK様が嫌いじゃない 🤣❤️
yamoもおんなだったか w