「売りのタイミング」 ② できるだけ損失を抑えるための様々な損切り方法
損失をコントロールする
「ポジションサイズ」 ② パフォーマンス尺度 “Profit Factor” で言及しましたが、トレード成績には損失の程度が関わってきます。平均損失を8%から6%におさえることができれば、成績は上がります。ここでは、breakoutを失敗した株を、最終防衛損切りラインを設定した上で、さらに平均損失をおさえるいくつかの方法を、$LPGを用いて紹介していきます。実際にはhandle部分で出来高が多いことや、handleの安値が徐々にさがっていない形であること、後期のbaseであること等からentryはしていませんが、「もしentryをしていたらこのように売却していただろう」という想定です。
Breakoutの日(day1)の抵抗線でポジションを減らす
まずは、breakout時点を割ったらpositionを減らす方法です。$LPGは2023年8月〜9月にかけてCupを形成し、9月中旬にhandleを形成していました。Handleは5%で値動きがmildで、9月22日に出来高を伴って抵抗線をbreakoutしました。しかし、その後はなかなかするすると株価上昇は持続せず、breakoutをday1としてday6で抵抗線を下に割りました。この抵抗線を越える時に、positionを減らします。例えば、100株購入していたら、$28.69の逆指値で50株前後を売ります。最終防衛損切りラインは8%の場所に設定していますが、理想的な動きではなくbreakout pointを割ってしまっているので、positonを減らします。こうすることで、下落して最終防衛ラインでもう半分売却しても、0%点で半分、-8%点で半分なので、成績は-4%に抑えることができます。Breakout pointでもいいですし、breakoutの日の安値でもほぼ変わりないと思います。このポイントでpositionを半分にすることを、Minervini先生は”Breakout even on half”と表現されています。
Breakoutの前日(day0)の安値でポジションを減らす
次は、breakoutの前日(day0)の安値を割ったらpositionを減らす方法です。前日の安値は$27.44(-4.3%)で、ここを割ったらさらにpositionを減らします。もしbreakout時にentryしていて、day6でbreakout pointでpositionを減らしていたら、1日でかなりの下落なので、最終防衛損切りラインである-8%点をまたず、ここで売り切っていたと思います。そうすると、0%点(breakout point)と-4.3%点(day0安値)の2回の損切りで、(約定価格が厳密にいかないことを加味して)だいたい平均で-3%程度に抑えられていたことになります。
まとめ
・ breakoutの日(day1)の抵抗線 or 安値でポジションを減らす
・ breakoutの前日(day0)の安値でポジションを減らす
・ 最終防衛損切りライン(mathematical stop)は絶対守る (売り切る)
以上の方法により、平均損失を小さくしていきます。実際には、それぞれのpointで1/3ずつpositionを減らしてもいいですし、安値ではなく終値でもいいですし、day0で半分、day1で半分と、最終防衛ラインまでまたなくてもOKです。株価が-8%に到達するまで保有株数を全て持っておく必要はなく、状況に応じて臨機応変にポジションをコントロールし、できるかぎり平均損失を小さくすることが、トレード成績の向上につながります。
参考:
Mark Minervini 「株式トレード 基本と原則」
Youtube “IBD: How To Scale Out Of Losing Stocks Using These Three Signals”
“Mark Minervini: ZIP Stock Analysis And A Discussion Of Key Buy & Sell Rules”
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