ロボドリを見た
メモ用 ネタバレあり
少し真面目になりそうなんでバランスとるために先にジャブ打っとくと、残念ながらホモエッチは無し。キス一歩手前みたいなのはあってクッソドキドキしたけども、直接的な描写ゼロ。当たり前だろ。
あとはアジア圏外の画風なのでそんなに媚びたキャラも出てこない。
じゃあダメなんじゃ?と思うかもしれんが、ヘキに訴えかけてこない分、作品の純度の高さが俺を責めてきた。
一応dogくんのポテッとしたフォルムは可愛いんだけどな。
序盤
独り身のdogのなんも無い生活から始まる。他人を見て幸せそうだなと羨んで、虚しく冷食のメシを食らう。俺を見てるようで勝手に悲しくなる。
ふと見たTVCMに問い合わせて、robotを金で買う。
届いてからは楽しい毎日。robotに社会的な挙動をしつけていって、段々馴染んで無事に対等な関係へ。
早い時期からrobotに心と呼べるものがあると分かる。公園のカップルが手を繋いでいるところを見て、dogとrobot自身も”そうあるべき”と悟って手を握る(半ば握り潰す)ところがマジで良い。
テーマ曲のSeptemberで踊り狂うシーンは思ったより序盤だった。dogはローラースケートが案外上手くて本当に楽しそうで、それをrobotはしっかり学習し、心で理解している。鬱屈としたdogの生活が一変して、最高潮であることは明らか。もうエンディング流れてくれていいよ…
と思っていたら問題の海のシーンへ。楽しそうに描かれていて、見ていて飽きない2人の姿。robotもジャブジャブ水に浸かるもんだから、耐水性なのかと思ってたらそうでは無かった。
2人してのんびり寝ていると、robotが砂浜で錆び付いてしまい、首から下が微動だにしなくなる。dogがなんとかして動かそうとしているが…どんなやり方で引っ張ってもビクともしない。
※この辺りで、ほぼ接吻みたいなシーンが描かれます。神。
robotはdogから学んだアイコンタクトで「行けよ」と促す。一旦dogは現場を後にして、robotを救出すべく手を尽くす。が、ダメ。
結局救い出すことはできずそのまま海水浴場は閉鎖、来年の海開きまで我慢の日々が続く。
中盤
dogくん、robotへの友情も虚しく、段々と他の友達を探すようになる。まあ金で買った友達だししょうがないね…
友達は作れないけど、わずかな期間だけガールフレンドが出来た。しかしすぐ居なくなった。幸せは長く続かない。
一方robotは身動き取れず、繰り返し夢を見る。筆者は段々とくどさも感じてしまったけれど、robot以外の要素で人生を豊かにしようと藻掻くdogとの対比が効いていた。
本作で1番キツかったのは夢の中でrobotが吹いてる口笛。高音キンキン+bitcrusher挿した時みたいなノイズが入ってて、音が割れてるとかそういうのじゃないけど音作ってる人なら誰でも不快になると思うあの感じ。耳キッツ…ってなってもう1回映画館行くモチベが無くなってる。
この口笛、夢を重ねる毎に自然になっていって、最後の方は機械的なノイズが無くなっている。さっきの耳キッツ…っていうのがこのための演出ならよう出来とる。
終盤
このまま"来年の夏"を迎えてdogと無事再開してハッピーエンドかな、と思ってたら甘かった。
ここからゴリゴリのネタバレパート。
あれこれあった後、robotが砂浜から回収されて、スクラップ業者に売り飛ばされる。…だけでなく、パーツバラバラになって遂に意識を失う。(今までエネルギー補充せずに意識あったの不思議やけども)
なんやかんやあって、趣味でロボ作りが出来るアライグマのオッサンに頭部といくつかのパーツを買われて、robotはラジカセボディーになって再び起動。記憶は保持されている様子。
マンションオーナーのアライグマのオッサンと一緒に仕事しつつ、そこでペントハウス生活が始まった。
一方dog、やっと解禁された砂浜に立ち入るも、そこにrobotの姿はなく。あろう事かrobotの片足だけが見つかってしまう。
まあ、間に合わなかった…って思うよな。
聞き込みするもrobotの姿を見た者、そしてrobotの出処なんかも特定出来ず。
そんな中で、dogは金色に光る新たなお友達ロボットを買ってしまった。
お〜んこれは…よくないって言いたいけど責めづらい😭
robotの足一本握りしめて探し続けろってのも酷だし、所詮ロボットはロボット、dogが早く楽になりたいなら買いなおす選択が一番かしこいのも分かっちゃいるが…
ラスト
筆者は「もうこの時点でグッドエンドは望めないけど、これ以上悪いことは起こらないでくれ…」と手を合わせて願っていた。
dogとrobot、それぞれが見つけた新たなパートナー。
互いを忘れることはなく、けれども仕方なく、別の道を順調に歩み始めている…
ところが。
アライグマのペントハウスから街中を見下ろすrobotが、ついにdogの姿を見つけてしまった。もちろん、その傍らにはお友達の金色ロボットが。
それを見た途端、robotはアライグマ爺さんをほっぽり出して走り出し、マンションから飛び出して金色ロボに構わずdogに抱きついた…
…という夢を見た。
robotはまだペントハウスの窓際に居た。あまりにも強い想いが白昼夢を映し出していたのだ。
その気持ちを堪えて、robotは何をしたか?
己に埋め込まれたラジカセの音量を爆上げする。
そして再生スイッチを押して、流れ始めたのはあの曲。
Do you remember?
The 21th night of September?
robotの体が動く。
建物から聞こえてくる思い出の曲に乗せてdogも体が動く。
互いの姿は見えてなくても、あの9月の記憶が体に刻み込まれていて、知らずのうちにシンクロしていて、robotはdogにもしっかり染みついたそれを確認したあと、バレないうちに窓際から姿を消した。
踊ったあとは元通り、それぞれの新たなパートナーと幸せを享受する。きっともう二度と交わらない生活の中、同じ街で、異なる相手と、同じ景色を見ながら。
あーイク!!!
筆者こんなに悲しいのに!エンディングまで爽やかすぎるって!泣きたいのに涙が出てこない!吐きそうで吐けず終電間際の駅のホームでヴェ~~~って異音発し続けてるクソジジイの気持ちを理解!ありがとう!死ぬ!イクワヨ!
夢見がち(誤用)でやり過ぎなまでに生き物らしさを抱えているrobot。
アライグマのオッサンのお陰で復活したけど、容姿が変わり果ててあの時のrobotだと気付かれないかもしれん恐怖とか、そもそも金色ロボットと既にイチャコラ手繋ぎデートしてるような関係に割って入るハードルの高さとか、あとは救ってくれたアライグマのオッサンとの生活・恩を切り捨てる難しさとか、、、そういったところに考えを巡らすことができるrobotのロボット離れした思考がこの結末に結び付いている。
筆者がdogくんの立場に近い(友達作りのためにポンと金を出すほどの財力は無い)のでどう考えてもこっちに感情移入すると思ったけど、最後にはrobotのことを考えて永遠に悶々としていた。
きっと最善の選択。だよな…?と自問自答しながら、周りの客たちがウ~ンって唸ってるところを通り過ぎて、ジュースのカップをスタッフに手渡して、トイレの案内が見えたけどさっきまでの尿意がなぜか消し飛んだことを認識して、そのまま人の流れに乗り外へ出て、少し寒い中を駅まで歩き続けて…
で、帰宅してもまだ心ここに在らずってわけ。
これからもdogくんとrobotはそれぞれ幸せ
であることを前提にしていますよねぇ?
dogも十分にやりきった。そんで至ったロボ乗り換え。誰も責められないよな?それにラストシーンでSeptemberを聞いて自然に体が動いちゃう(オワピ)様子から、初代人工お友達のrobotを絶対に忘れられるわけもなく、時々あの9月を夢に見て涙するんだろうな、というくらいは想像がつく。
きっと良い生活が待ってるはず。初代でのやらかしを踏まえてぶっこわすようなことはもうしないだろうし、長続きしそうな予感。
robot側も、ボロクソ状態から直してもらえるくらいのアライグマと共に居られるなら問題ないだろう。もちろんdogの事を思い出してしまうことは覚悟の上で、自分で選んだ道なのだから。
イジョドク・ドリームズ
dogとrobotの関係性は、筆者は恋人の(かつ同性の)それだと思っているしそう願っている。
なぜなら、筆者が異常性癖独身弱者男性だから。
友情よりもう一歩進んだ有機物と無機物の関係性がそこにあるだけで極めて美しく、美味しいと感じる。
両者の関係性については、制作側のターゲット層から外れたイジョドクがそうであってほしいと夢見ているだけかもしれない。
だが前向きに捉えれば、この型にはまらない感受性はワイら異常者サイドの武器である。これをSNSで振り回して、今日も迷惑系ツイッタラーとしての役割を果たすのだ。
うおおおロボドリを観ろ。
以 上
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