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3/18 松平頼暁チェロ作品集

3月18日にトーキョーコンサーツ・ラボにて松平頼暁さんのチェロ作品を集めたレクチャーコンサートを行います。頼暁さんにもご来場いただき、曲についてお話していただく予定です。

ご予約はこちら(2/18から予約開始)

このコンサートは4月15日の「邦人作曲家によるリサイタル」のプレ企画です。
4月のリサイタルで松平頼暁さんの「コ・アクション」を演奏します。殆ど演奏されることのないこの曲をより楽しんでいただくために、このプレ企画ではコ・アクション大解剖!と題して解説をしたいと考えています。


松平頼暁:コ・アクションへの挑戦1
松平頼暁:コ・アクションへの挑戦2


第一部 コ・アクション大解剖!

「2人の奏者間の、音色群の組み合わせは、両者の相互反応(Co-Aciton)によって決められる。」(松平頼暁)

・激しい内部奏法を含む
ピアノの弦や側面を叩く、木や鉄の棒で弦をかきならすなどの特殊奏法が多く(楽曲の5分の4ぐらい)出てくる。
通常、ホールに置いてあるピアノで内部奏法が許可されることはまずありません。4/15の公演ではトーキョーコンサーツ・ラボにある内部奏法OKのピアノを使用します。(3/18のプレ企画では内部奏法がある箇所は演奏しません)

画像1

・演奏順序が2人の演奏者に委ねられている
下記画像を見ていただければわかるのですが、コ・アクションはパッセージが大きな楽譜全体に散りばめられて書かれています。(無秩序に散らばっているのではなく、奏法による音色群によって5つのグループに分かれています)

これらの演奏順序はあるルールによって、演奏者によって決められます。そしてそのルールなのですが、、

・演奏のためのインストラクションが出版譜に付属していない、、

演奏順序を決めるためのルールや特殊奏法の演奏方法の説明書(インストラクション)が出版譜に付属していないという点が演奏するための最も高いハードルだと思います。

今回、頼暁さんに確認しながら、インストラクションを作成する、というのも目標になっています。
(ちなみにコ・アクションに1番に関してはMOMAのサイトに掲載されています)


第二部 レクチャーコンサート

コ・アクション以降もいくつかチェロのための作品があります。どの曲もとても特徴的、それぞれ違う個性をもった作品です。これらの楽曲を、松平頼暁さん本人の解説も交え、演奏したいと思います。

Uのための0,1&2 無伴奏チェロのための(1990)
2本弓を用いるチェロ奏者、Uittiのために書かれた。弓を使わない“0”と、通常のように弓1本を使う“1”と、2本の弓を使う“2”の3つの楽章から成る。

Incarnation チェロと左手ピアノのための(2013)(多井智紀と舘野泉のために/「舘野泉左手の文庫」助成作品)
2013年3月、舘野 泉フェスティヴァル‐左手の音楽祭にて、舘野泉、多井智紀により初演。チェロ奏者は2本の弓を用いる。

Kei solo version from String Trio 無伴奏チェロのための(2018)
2017年の秋吉台の夏現代音楽セミナーにて、受講生への講義の中で作曲が開始された。松岡麻衣子さん、般若佳子さん、山澤慧の講師3名の名前が素材になっている。また、Mai,Yoshi,Keiというそれぞれの楽器の独奏曲として演奏することも可能であるし、組み合わせて三重奏として演奏することも可能。

dispropotion 無伴奏チェロのための(2021)
2021年12月、日本現代音楽協会主催の「差異を越えて」というタイトルのコンサートにて、松本卓以氏により初演されたばかりの楽曲。最後にフォーレの「夢のあとに」が引用される。


この3/18プレ企画は勝手に便乗しているだけなのですが、石塚さん企画の下記演奏会と合わせてご来場いただけるとより楽しめるのではないでしょうか、、!!!


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