令和6年能登半島地震、被災者のいのち最優先の緊急支援を 20240108
本年1月1日16 時10 分頃に発生した「令和6年能登半島地震」は、石川県を中心とする各地域に甚大な被害をもたらし、近年まれに見る大災害となっています。亡くなられた方に哀悼の誠を捧げるとともに、すべての被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。
今回の地震の特徴としては、余震の数が極めて多いことが挙げられます。6日までの累計で1000回以上、うち、最大震度5弱以上の地震は、14回記録しています。石川県では、いまだ200人近くの方々が安否不明とのこと、アクセス道路が限られるなどの半島特有の問題もあり、緊急支援の手が十分に届いていません。また、大雪の予報などもあり、被災者の皆さんの状況も厳しさを増すと思われます。人命を守るための国を挙げての徹底した支援が必要です。
能登半島に設置されている北陸電力志賀原発は運転停止中であり、大きな異常は発生していないとのことですが、変圧器からの油漏れ、15ヵ所のモニタリングポストから情報が得られなくなるなどのトラブルが報告されています。
今後、地震の揺れの解析とともに、地震動が原発の機器類にどのような影響を与えたかを詳細に調査分析する必要があります。
立憲民主党は、地震直後に「令和6年能登半島地震対策本部」を設置し、現地の事情を把握した県連、総支部、住民、また、災害支援の専門家などから広範な情報収集を行い、これらを集約した上で、5日に政府・岸田首相に対して提言を行いました。提言の速やかな実施を求めます。
以下、提言からの一部抜粋です。
当面の災害対応について
政府においては、被害の全体状況の早急な把握に務めるとともに、今後も迅速な人命救助活動を最優先に、全力を挙げていただきたい。
必要な物資・人員供給のための速やかな道路啓開、インフラ復旧、陸海空全ての経路を活用した孤立地域への支援を行うべきである。事は急を要しており、国による地方管理道路の災害復旧工事等の代行制度を積極的に活用すべきである。
道路以外にも、電気、水道、携帯電話等通信のライフラインの復旧、確保を要望する。また、各通信会社と連携し、被災地の通信制限(データ量、速度)の解除、避難所でのWi-Fi 環境の確保を実現すること。
公的機関のヘリだけでなく、民間ヘリを積極的に活用し、物資・人員の輸送を行うべきである。
一般車両の被災地の乗り入れについて、二次災害や救援・復旧作業の妨げになってはならず、政府より強いメッセージの発信が必要である。燃料の確保についても、中継局などの被災地インフラの維持、重機等復旧作業車への配慮を願いたい。
被災地の治安確保について、窃盗・詐欺・性犯罪等の犯罪防止に、全国からの警察官の派遣も含め一層の尽力を要請する。
液状化現象による亀裂、陥没被害の早期復旧に向けた方策を講じられたい。
中央政府の取組として、現地要望の的確な把握と情報の見える化を進めるとともに、必要な特別立法(特措法等)の制定を検討すべきである。
被災者・避難所への様々な支援について
政府は、避難生活が過酷な環境と不安の日々であることを深く理解し、生活環境の速やかな向上に務めるべきである。衛生的なトイレ、避難所における、高齢者・障がい者等への支援、女性、子どものプライバシーへの配慮、乳幼児用粉ミルクなどきめ細やかな支援物資の速やかな供給など、「スフィア基準」に沿った、質の高い対応を求める。
災害関連死は、滞在環境の悪化、口腔衛生の悪化から生じたケースが多々ある。避難所の段ボールベッド、簡易ベッドを早急に整えるとともに、全国の歯科医療関係者の協力を仰ぎつつ、被災者の口腔衛生に関する支援を行っていただきたい。
被災地支援に従事する災害ボランティア団体の円滑な移動、拠点構築、維持が可能となるよう、政府は、県、被災自治体との連携協働を支援いただきたい。各自治体などの災害対策本部会議に、継続的に活動する災害ボランティア団体が参画できるよう配慮いただきたい。
様々な入学試験、医療・福祉関係をはじめとする資格試験について、被災された受験予定者への制度上の配慮、例えば試験日程の配慮や試験勉強ができる環境の提供について検討いただきたい。