今話題の「検察庁法改正案」を解説します!

こんにちは!
目を通してくれてありがとうございます。

今回、先週の週末(9~10日)に話題になった
「#検察庁法改正案に抗議します」について、
真偽不明な情報が飛び交っていると感じたため、
このnoteを使って話を整理することにしました。
読んでくれた方の理解の一助になれば幸いです。

また、ここでは極力政治的な偏りや思想などをできるだけ排除して、ファクトを重視して書きたいと思いますので、お力添えいただければ幸いです。

今回、なるべく分かりやすく説明するために、論点をめちゃくちゃ絞って書いてみました。もし、「自分の疑問に答えられてない!」ってことがあれば、教えてもらえれば嬉しいです。

①そもそも何のための法律改正なのか
→今回の検察庁法改正は国家公務員法の改正とセットで行われる予定になっています。そして、これら法案改正の一番重要な目的は、
国家公務員(検察官含む)の定年を65歳まで延長する
ということです。
詳しくは、以下の内閣官房が作った資料をご覧ください。

画像1

この内容は、平成30年の秋ごろから具体化し、昨年の晩秋にまとまったとされています。
検察官は、本来「検察庁法」という法律で規定されていますが、国家公務員であり行政の一部であることは事実なので、今回は通常の国家公務員と同じ様に定年を引き上げようという話になりました。

今回の定年引き上げは、上記概要の欄に書いてある通り、
”人生100年時代”と言われるまでに日本人の平均寿命が延び、
また少子化で社会保障費や年金の財源不足が心配されている中で、
働けるひとにはできるだけ長く働いてもらおう!という社会の流れを、国家公務員から率先してやってこうという目的で進められてきました。
この法律が施行される予定の令和4年は、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)になる年です。日本社会の大きな流れの中で、将来を見据えた妥当な法律改正であると私は思います。

②恐らく8割の人が勘違いしている問題点
今回の「#検察庁法改正案に抗議します」がSNSで盛り上がりを見せた際、
恐らく最も注目されたのは、多数の有名人がこの問題に対して言及したことだと思います。
中でも、きゃりーぱみゅぱみゅさんがこのハッシュタグを付けてTwitterに投稿したことは特に大きな話題になりました。その際に共有された画像が以下のものです。(現在、きゃりーさんは当該のツイートを削除されています)

相関図

この画像は広く拡散され、
今回の批判の中核にもなっていました。

しかし、この画像を踏まえて行われた多くの議論は明らかなミスリードだと言わざるを得ません。全て説明すると長くなってしまうため、今回は2点に絞って、そのミスリードな議論の大きな間違いを整理したいと思います。

・一番重要なこと。それは、安倍首相が検察から取り調べを受けて逮捕されるような行為を一切していないことです。安倍政権に批判的な一部の人からは、”モリ・カケ・サクラ”と呼ばれる一連の話題に関して、安倍首相が違法なことをしたかのような言いがかりをつけられています。しかし、所々問題点があったのは確かですが、安倍首相が違法行為を行った事実はありません。にもかかわらず、”安倍首相が逮捕されないように今回の法律改正をするんだ”と思いこんでいる方々が多くいます。なにも罪を犯してない人を犯罪者扱いするのは、明らかなヘイトだと思います。いくら相手が総理大臣であろうと、嘘を流布して犯罪者扱いすることは、あってならないことではないでしょうか。
・二点目は、今回の法律改正と黒川東京高検検事長の定年延長はほとんど関係がないということです。黒川氏の定年延長は、現行の国家公務員法に基づき今年の1月に決定しました。検察官の定年延長に関しては、検察庁法に記載がなかったため国家公務員法に基づき判断をしました。この判断はあくまで人事院や法務省などの各関係省庁との協議の上コンセンサスが取れたものと説明されています。検察官も国家公務員の一部であり、行政の一員なのでこの判断に大きな問題があるとは言い切れないと言われています。加えて、立憲民主党の枝野代表などが「安倍政権の意に沿い、法務行政を牛耳ってきたと」指摘している点については、何の根拠もありません。安倍首相と黒川氏が近しい間柄だという話は、何ら裏付けのない話です。このデマが、拡散され多くの人が勘違いして批判を続けているのは、良くないことだと思います。

③本当の問題点とはなにか
本当の問題点というのは、多岐にわたり難しいです。
ホリエモンこと堀江貴文氏は、検察の組織そのものの問題点を指摘しています。一部有識者からは、今回のことが問題として取り上げられ国会が空転すること自体が問題だ、という指摘が多くありました。確かに、新型コロナウイルスに対する対応が大変な問題になっているし、中国海警局の船が沖縄県の尖閣諸島に接近を繰り返しているし、など、もっと優先して対処すべき問題があるように私は感じます。

しかし、今回の検察庁法改正であえて問題点を挙げるとしたら、一点だけあります。
それは、役職定年を延長できる基準が明確でないということです。
一枚目の画像の概要にもあるように、幹部の役職定年は63歳と規定されています。これは、通常の国家公務員も検察官も同様です。しかし、内閣が「公務の運営に著しい支障が生じる」と判断すれば最長で定年を3年延長できるという特例と作ることになっているのです。
5月15日の国会答弁で、森法相は”この役職定年を延長する際の明確な基準がない”という旨の発言しました。これに対して、一部の野党が「内閣への忖度の温床になる」と批判しています。
しかし、森法相は”施行されるまでに基準を示す予定だ”との発言もしました。施行までにしっかりと基準を示せば内閣がそれを濫用したりすることは防げるのではないか、と私は考えますが、やはり多くの人が納得する形で、それらの基準は法律を改正する際に同時に規定しておくべきかなと思います。

ただ、何度も申し上げた通り、検察は行政の一機関です。「三権分立が犯されて日本が壊れる」といった批判は、明らかに的を外してます。
今回、間違った情報を元にSNS上で大きなムーブメントが起き、それを朝日新聞や一部民法のテレビ番組が煽ってさらに大きな問題へと発展させました。
政治に興味・関心が集まるのはとても良いことだと思いますが、間違った情報を流したりウソを広めたりすることはあってはならないと思っています。
完全では全くありませんが、これを読んだことで、今回の問題が頭の中で少し整理されたら嬉しいです。

この問題について、ここでできるだけ簡潔に短く説明することを意識しました。しかし結果は、省いて省いてこの分量です。私の力不足であることは疑いようのない事実ですが、ただ一点、この複雑な内容を「秋元才加、ちゃんと分かってんのか!」と、元チームK推しとしては感じずにいられませんでした。

以上です。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
何かあったら、またやります!

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