マイナンバーと壬申戸籍
久しぶりに、先祖調査について書いてみたいと思います。
よろしければ、お付き合いください。
先祖調査をされていない方は、壬申戸籍とは何ぞや?と首を傾げられそうなので、その説明から。
壬申の年(明治5年)に、日本で初めての近代戸籍を国が手がけた物になります。ただし、今現在は法務省が厳重に管理して封印されています。
理由は、こんな感じ。
昭和の時代。
まだ、戸籍の扱いがザル状態だった頃のお話。
結婚前に息子や娘の結婚相手の身元を調べる調査が花盛りでした。
一般的に「聞き合わせ」と呼ばれているものです。
若い男女が良い感じになったor見合いで結婚に至りそうな状態になると。両親が、今で言う探偵もどきを雇い。
将来の嫁(主に女性に対して)の素行調査と、血統を調べるというものです。正直、今はそんなことするのはごく一部かと思います。
私の母親(70代半ば)の頃には、それが普通にされており
「昨日、お嬢さんの聞き合わせが来たけれど、良く言って置いたからね」
などと、ご近所から声を掛けられるのが普通だったそうです。
今じゃ、信じられないですよね。
これは昭和40年半ばのお話ですが、この頃は戸籍は誰でも取得できる公の書類という感覚だったようです。
※聞いた話なので違ったらスミマセン※
そのため、身元調査で壬申期の戸籍を取得して血統(先祖が差別部落や、同和などで無いか)を調べると言う事も普通におこなわれていたとか。
その後、聞き合わせなどに戸籍が使われることが不利益に繋がるというので壬申戸籍は門外不出。同時に、その次の戸籍に当たる明治19年式にも、いわゆる『族称』が書かれている為。その部分は白塗りとされました。
→時々、族称が消し忘れていて「士族」とか「平民」とか「華族」など見られるものもあります(笑)でも、問題出てないよね?とか思う私。
今では、血縁である証明ができる「書類」が無ければ。祖父だろうと父だろうと戸籍は取れない仕組みになっている。あ、同じ戸籍に入っていれば別ですけれど。
なぜ、そこまでして族称を隠したがるのか「身分差別」なんて現在の世の中既にあり得ないしと思うのですが。まだ、一部地方では同和問題は根強いですから完全否定も出来ないとは思っています。
そもそも、赤の他人が戸籍取得出来ないなら、見ることが出来るのは身内に限られるし。問題無いんじゃない?と思うのが私の考え方です。
で、話しを戻しますね。
一般の方は「今更、そんな古い戸籍見ても意味あるの?」って思われるかも知れませんが。壬申戸籍だけは、身分や菩提寺や、など記載内容が多種に及びます、そんなことから先祖を調べるのに非常に有用な資料になるのです。
ただ、犯罪歴が書かれているという点は忌み嫌う人もいるかも知れないなと。まあ、普通に何かやらかしたら言い伝えらるし。言い伝えで、知っている子孫も多かったりします。
それも、家の歴史のひとつだよね。とも思いますし。
「何代か前のジイ様は、ギャンブル好きでお金をつぎ込んで。お金が足りないからって、手癖が悪くて警察のお世話になっちゃったらしい」とか普通に笑い話で言う方も多い印象。
お寺様に言わせると、寺が身分差別をして戒名を付けている様に感じられる事実も出て来てしまうので都合悪い。と言われますけれど。
そもそも、戒名ってお布施や身分で違うし今更ジロー(古)って思うのも事実だったりするのですよ。
先祖の生きざまの上に、我々が生まれ生活しているのですから。良い事も悪い事も知る権利だってあるのではないかと・・・。
あまり権利主張するのは嫌いなのですが。
で、ここでもう一つ大事な事。
海外では、過去に奴隷で有った方が先祖を調べる為の場所もあります。
しかも、奴隷と使用人の子孫が対談したなどという報道もされており。
既に、それを隠す必要の無い時代に来ていると思うのです。
国際的な流れとしても、ルーツをしりアイデンティティーを確立する。ということは重要だという形になっていますしね。
日本でも、そろそろルーツを知って「みゃくみゃくと引き継がれた先祖からのDNA」に着目しても良い時代になっているのでは無いかと・・・。
社会科で習う、水呑百姓だったとしても恥じること無く。
必死に生きて、命を繋いでくれたという感謝に変えられる時代に来ているのでは無いでしょうか。
そんな大前提で、私が言いたいのは「マイナンバー」が交付されて既にかなりの時間が過ぎており。保険証の不正使用や、いわゆる背乗りなどが起きない様にここまで法整備をしたのならば。
政府が自分達の作り上げたマイナンバーのセキュリティーを信じて居るのならば。壬申戸籍の開示に踏み切っても良いのでは無いか?と思うのです。
何なら、犯罪歴は消してくれても構わないですし。
ただ、族称を明治19年式の様に白塗りをして欲しく無いのも事実です。
江戸期にも、戸籍に近いものがありまして。
それを取得することで、家族構成なども知ることが出来ます。
ここで、ひとつ問題なのが江戸期の戸籍は今の戸籍と違うことです。
平民ならば、税を納めさせるための(隠れキリシタン対策も有った様ですが)名簿を作っています。全員がご近所の寺に檀家として属しており。
檀家別の名簿という形になっています。
武士だった場合、上記名簿には名前は載らず。
藩主が使用人である武士に『お給金』を渡す為の、お給料簿を探すことになります。そこには、役職とお給金の額、そして名前が記される訳です。
という感じで、平民だったのか武士だったのかによって江戸期になると探す文献が違ってくるのです。しかも、文献は全部筆書きでくずし文字。膨大な資料から先祖を必死に探す事になります。
もっと言うと、この2つ。
今のように、決められた場所で管理されていなくて。どこにあるのか、そもそも現存しているのか?それすら分からなくて、必死に探しても出てくる確立は平民の場合は2割あるかな?と個人的には感じています。
武士の場合は、ほとんど見つかるのですが。
武士でも、下っ端の場合は残っていない事が多いみたいですよ。
そんなこんなで、戸籍で知る以上に本格的に先祖を調べたいと思う時に最初に?当たる壁が「家の先祖は平民?武士?」「江戸期の戸籍みたいなものは、どこにあるの?」になるのです。
必死に調べて、どちらか分かる場合もありますが・・・。
分からないから、両方当たって見ようと両方当たるパターンが多いです。
もうねぇ、古文書読めないの。数行読み解くのもマジ大変なの。
それを、村全部読み解けとか悪魔の所業かとw
なぜ、国の持っている自分家(じぶんち)の戸籍があるのにこんなに苦労せにゃならんのよ?と愚痴しか出ないのですわ。
だから、マイナンバーと壬申戸籍ですよ。
政府の言う通りに、政府を信じてマイナンバー取得した「国から見て」良い子には「アンタも信じたるでぇ、壬申戸籍見せたるから大事にしなはれ」って言い出さないかなと・・・。
もっと言うと、日本政府さん。
あんなに頑なに封印した壬申戸籍。
マイナンバーの「セキュリティーは強固です」と主張したいのなら。
マイナンバーによる壬申戸籍の写しを解禁!は、物凄いインパクトと、話題を呼びませ!いかがですかね?
いや、そんなに求められているとは国は思ってないだろうけれど。
まじ、お願い!!!
と思う私がいると言う事を、少しだけ書いておきます。
物凄い批判が来そうだけれど、個人的意見ですからね~。
別に国に陳情している訳では無いので、いじめないでね♥
以上、本日の「ぼやき&主張」でした。