無意識のストーキング
昨日、かなり怖い話を聞いてしまったので書いてみたいと思う。
ストーキングというと、意識的に行う様に感じるかも知れない。
ただ、これ。
好意の許容度が、好意を持っている相手とイコールにならず。
相手が危険を感じてしまうと、ストーキングが成立する訳で。
最近、そんな構図を多く見かける様になりました。
例えば、ラジオの若手女性パーソナリティー。
ある意味、男性リスナーからすると、彼女はアイドルと同じ認識だったりします。贈り物をしたり、公開公開生放送や、放送が見えるスタジオなど。
追っかけが多数いたりします。
写真を撮ってSNSに挙げたり、ハッシュタグを付けて何かにつけ投稿したり。お仕事ですし、人気商売なので女性パーソナリティーも笑顔で対応してくれるので、勘違いする方が時々発生し。
ラジオ局側から、注意が入ったり。
リスナー同士のいざこざに発展したりするのを目の当たりにしています。
これに似た話をしたいと思います。
我が父、70代後半。
まだまだ、元気過ぎる爺さま。耳が遠いだけで、運転もするし筋トレなんかもしていて元気過ぎて困るタイプ。ただ、年相応に認知度が落ちてきているので、出来ればそろそろ免許返納をお願いしたい今日この頃。
大きな問題は、恐ろしく耳が遠いこと。
かなり早い時期から補聴器を使っており。
補聴器は、メガネ店で買うらしく。購入後は、メンテナンスに店舗に定期的に通っている状態。しかしながら、ここでストーキングトラブル発生。
えっ?って思われますでしょ。
ストーキングと認定された?のは父なのです(笑)
話を聞けば「そりゃ、店員さんも怖いだろう」と思うのですが。
本人は無意識。
一応、迷惑な客ではあるものの。実害が無いので警察沙汰にはなっていないようですが。ヘタするとストーカーで警察に相談される案件で娘としてはゾッとしている次第です。
まあ、他人ごととして聞いている分には面白いと思いますし。皆様の親御さん対応の参考になるかも・・・と思い、書いてみたいと思います。
父が補聴器を購入したのはA店。
担当して下さった方は、若い女性で(母曰く)父好みの綺麗な方。
父も男ですから、自分好みの女性店員が笑顔で対応してくれれば、鼻の下を伸ばして・・・炎上覚悟で言うなら「懐いてしまった」訳です。
私が女性の立場でも「ちょっと馴れ馴れしい爺さんだけど、お客様だし」程度で終わるハズの案件でした。数年後、女性はお店を異動になったそうだ。
「○○さん、お世話になりました。今度、B店に転勤になりまして」と挨拶するわけですね。そこで切れるハズのご縁でしたが、なんと父は女性店員を追いかけて、B店に行く様になります。車で往復1時間以上の距離だったそう。
その後に、B店から、C店に移ります。と聞いて、C店に行く様になる。
ここまで来ると「馴れ馴れしい爺さん」が「ストーキングしてる怖い爺さん」に変わってくるのは女性として理解出来ます。
こんな事を繰り返している内に、父は女性の勤める店舗から事実上の「出禁」を食らったようです(笑)
父曰く「何度電話しても、補聴器の調整の予約が取れない。本人を出して貰おうとしても、毎回不在だと言われる。おかしいじゃないか!」
まあ、当然ながら・・・企業側は「社員の安全を最優先」という態度に出た訳です。
ここで、怒鳴り込むのが父の性格なのですが。
そこは、母が「迷惑認定されたのだから、大人しく購入店舗に行きなさい」と諫めたそうで。相当、家庭内で荒れまくった上。本人は、まだ納得出来ないようですが(苦笑)ここで、問題は終結したとのこと。
娘からしたら「何よ、エロ爺」案件ですが。
母曰く
「年寄りなので、購入店舗ではなく。補聴器の調整をいつもしてくれている方でないと、自分の聞こえを理解して調整するのは無理」だと思っているとか。
今は、客の情報はコンピューター管理していて。店員なら誰でも、引き出せる様になっていて。聞こえも数値化しているので、だれでもピッタリに合わせられる時代だと、母が説明して理解出来ない。
父はA店で補聴器のメンテナンス後に
「○○さんが保持している俺の補聴器の調整情報を、A店に共有しておいてくれ」と伝えたとか何とか。
美容師さんなどと違って、技術を売りにしている訳では無い業界だと思うのです。眼鏡の調整は技術の差がありますが、補聴器はそこまででは無いはず。しかしながら、高齢者である父は補聴器の調整も技術の内と思っているらしい。困ったものです。
しかも、帰宅早々言った言葉が
「A店の店員はけしからん、俺が行ったのに何も寄越さなかった」
だったとそうな。呆れて物が言えない。
父は、何か粗品を貰うのが、大事な客としてもてなされていると思っているらしい。なんか、それって終了宣言していいですか?レベルですね。
こういう、謎な思考回路になっていくのが老化なのか。
取りあえず母には「相手が恐怖を感じたらストーカー認定になる時代だから気をつけてね」と言っておきました。
父の世代だと、気に入った店員を指名すること=相手の昇進を支えるくらいに思っていそう。
色々とコンプライアンスが厳しく無かった時代の生き残りは、生きずらかろうと思った出来事でした。