えちご・くびき野100キロマラソン2022 ⑨
降りしきる雨の中をキロ8分後半から9分前半くらいの速歩で進みます。
田んぼの中の道、集落もまばらなので残念ながら応援の声はほとんどありません。
でも交通整理をしてくださっているボランティアの方々から「もうすぐゴールです!」「頑張ってください!」というあたたかい声がたくさんかかります。
その声に手をあげて「ありがとうございます!」と応え前に進みます。
あたりはだんだんと暗くなってきましたが歩道に設置されている、よく工事現場に置いてある照明器具の白い灯りが道を照らしてくれるので足元に不安は感じません。
あと3キロ。
家から多摩湖の堤防の北側までの距離。
走る?もう近いじゃん。
いや、もう慌てる必要ないし。
3キロじっくりとゆっくりと今日一日のことを思い返しながらこの全身を包む痛みと満足感を味わおう。
ラスト1キロだけでいいな、走るのは。
集落に入るとこんな天気でもう暗くなっているのに、家の玄関先に出て声をかけてくれる人が本当にたくさんいます。
全く知らない人に対して「ご苦労さま!もう少しだよ!」って優しい言葉をかけてくれる地元の方々。
本当に、本っ当にじ〜んと来ます。
ラスト1キロ。
すっかり暗くなりました。
雨は変わりなく降り続いています。
エイドで渡されたタスキが車のヘッドライトに照らされて反射して各ランナーの身体の上でゆらゆらと揺れています。
よし、走ろうか。
大腿四頭筋は痛むけど朝4時半の暗いうちから99キロ進んできた勲章のような、ちょっとだけ誇らしげな痛み。
前方にはゴール地点を照らす照明灯が雨の向こうにキラキラと輝いています。
スタート前のこと、途中で会ったラン友さんたちのこと、エイドで声をかけてくれたボランティアの方々のこと、先回りして応援してくれた奥さんやお友達のこと、沿道で椅子に座って旗を振って応援してくれていたおじいちゃんおばあちゃんのこと、大声で元気をくれたジャージ姿の中学生たちのこと、一緒に練習してくれた仲間のこと。
いろいろなことを思い出して胸に込み上げてくるものがありましたが、グッと我慢。
ここホント泣きそうになった笑
さあ、あとは友達とも約束してもう一度走りたいと思い続けたレッドカーペットの上を6年ぶりに走るだけです。
次回、キリの良い⑩が最終回か!?