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初北海道4日目 1989年7月27日-③ 納沙布岬〜初田牛
根室半島北側の道は漁村がところどころに現れた南側と違って牧場や原野が広がり、牛や馬がのんびりと佇んでいる北海道的な風景が広がっていた。そう言えばいつの間にか広がっていた霧は晴れていて青空が広がっている。右側には青々とした海が眩しい。どうやら地形と気候的な条件から北側は霧が出にくいらしい。
また少し霧が出始めた根室市街地を抜けR44号線で西に向かうと、左折すると落石岬に行くことができる交叉点の青看板が見えてきた。出発前にその魅力的な名称がとても気になっていた場所だったので寄り道して行く事にした。
国道を外れると一気に車の量が減る。初日だと不安を感じていたであろうシチュエーションも4日目となると全く気にならず、道は繋がってるし行き止まりだったら戻ればいいしという、憧れていた余裕のある旅人にちょっとだけなれてきている気がした。
しばらくの間花咲線の線路とつかず離れずで走っていたら、人家なんかほとんどない場所に駅が見えてきた。「昆布盛駅」と駅名標に書かれている。駅舎もなくホームだけが伸びるいかにも北海道らしい駅だ。なんかいい感じだなあと思い写真に撮る。
今考えるとどうやらこの頃から僕の秘境駅好きの心は芽生えていたようだ。
落石岬に向かうダートの坂道を上りきると道はゲートで硬く閉ざされていた。車では進めないらしい。今の僕なら車を停めて間違いなく歩いて進んでいる。この時の僕はそこで諦めて写真を撮るだけで満足し釧路に向けて出発している。
余裕のある旅人になった宣言は、即撤回(笑)
国道を走るのもつまらないかなと思ったので、地図を見て景色の良さそうな道を探す。すると落石林道という道があったので、3日前の北海道上陸からどうやら林道も好きになっていた僕は迷わずそちらの道を選ぶ。
ところが「ダートファン感激の未舗装路」と書かれていた落石林道は残念なことにきれいなアスファルト道になっていた。
正直なところすこしガッカリ。ただほとんどの車は平行して走る国道を通行するようで、落石林道の入口から花咲線の別当賀駅手前までの約10キロ、1台の車にもバイクにも会わないというプライベートロードのような状況で走ることができた。
だからこんな写真も普通に撮れた(笑)
そして写真は撮れなかったけどそのあと別当賀から初田牛までは待望のダートが現れてダートランも楽しむことができ、4日目も後半に突入していく。