2023年 初夏 北海道④〜タウシュベツ川橋梁へ
参加費は4,500円。
レンタル長靴に履き替えワゴン車に乗る。
5名の参加者はみんな恐らく50歳超え笑
温泉街から国道を北に走り途中で右折し林道に入る。林道の入口はゲートが閉ざされていて、車は自由に出入りできない。
南京錠が掛けられているゲートを開けて、車を入れたらまたすぐに閉める。このあたりのセキュリティは徹底。
野生動物たちの活動領域に入り「ここが数日前にヒグマが蕗を食べた痕跡です」などとガイドの方が運転しながら教えてくれる。
そんな現地にまつわる興味深い話を聞いている間にも、度々エゾシカが道端に姿を現し車の方を興味深そうに見つめている。
林道を4キロほど進んだところが駐車スペース。そこからは徒歩だ。
ガイドの方はもちろん熊鈴を身につけている。
木々の向こうに水の枯れた糠平湖の湖底が見え、そこではたくさんのエゾシカたちがのんびりと草を食んでいる。
数百メートルは離れていると思うけど、私たちの存在に気づいたのか食べるのをやめて頭を上げてこちらを見つめる。
その瞬間、1頭が走り出したのを合図に一部のエゾシカたちが一斉に走り出した。
野生のエゾシカの走り。美しい。
でもそんな中でもまだのんびりと食事中のヤツらもいる。
湖底に降りて近づいても逃げる気配がない。
ここまでなら大丈夫という人間とのおおよその距離感が彼らなりにあるのかもしれない。
じわじわと近づいていくとどうやらその一線を超えたらしく、面倒くさそうに走り去っていった。
そうだ。
いけない。
エゾシカを見にきたわけではない。
タウシュベツ川橋梁だ。
腹を空かせたエゾシカたちで賑わう湖底食堂から後ろを振り返る。
視界に存在感溢れるタウシュベツ川橋梁がドカンと飛び込んできた。
感動。。。
8年前は遠く対岸の展望台から眺めるしかなかった橋が、いままさに手の届くところにある。
すげ〜。。。すげ〜。。。
そんなため息のような言葉しか出てこない。
ここ数年、いつ崩落してもおかしくないと言われている季節限定で姿を現すこの歴史ある遺構。
一年ごと、いや日々変わっていってしまうその姿を、今日この時間に一生懸命おのれの目に焼き付けよう。
そう強く思いながら少しづつ橋に近づいた。
続く