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【給料明細公開】ケアマネジャーの資格取得はデメリットだらけ?その2

前回の記事では、ケアマネ取得のデメリットとして、主に研修費用が高額であることを述べました。
今回は給料面でのお話です。
今回もあくまで私の個人的意見・感想です。

私自身、大学卒業後からずっと同じ特養で生活相談員として勤務していました。
介護職員としての勤務歴はありません。
途中で介護支援専門員の資格を取得して、施設ケアマネとして7年ほど勤務していました。
さて・・・ケアマネを取得したら、給料面では上がると思いますか?

これは各職場によって異なると思いますが
私は思った以上に上がっていないという印象です。
変わらないということはありませんが
年収はケアマネ取得前と後だと40万くらい増えました。
ただし、純粋にケアマネ取得によるものだけでなく、ちょうどケアマネ取得後に子どもが生まれた事によって扶養手当が増えたこともあって40万円増えました。それが無ければ増えたのは20万円程度となるでしょうか。

ではさらに本格的に給料の差を知っていただくため、給与明細を公開したいと思います。まずは入職後の初任給です。


入職後最初の給料

手取り20万程度です。生活相談員としての給料はこんな感じでした。
ちなみに残業代はついていませんが、入職後初日から22時くらいまで残業でした。上司からは残業代は出ないと言われました。当時はとにかく必死に頑張ろうと思ってたので、仕方ないことだと思って我慢してましたが、今考えると完全にアウトですね。ここから10年くらいは定時で帰ったことはありません。ちなみに初年度は住民税や保険料がかからないので手取りは多いですが、2年目からは引かれてしまうので手取りは15万円程度です。
年収は、2年目で320万円でした。


4年後の給料

4年後の給料です。基本給(私の職場の場合、職能給と経験給の合計額)は4年間で約9,000円増えました。
この1年前に新しい特養が開設となり、そちらの開設業務に携わっていました。10月から5月くらいまで1日たりとも休みがありませんでした。もちろん年末年始も出勤です。残業代、休日勤務手当は一切出ないで、毎日22時くらい、ひどいときは日付が変わってから帰宅という感じです。
また、職場からの呼び出しもあり、何かあれば出動していました。
それだけ頑張っていたので、昇格も期待していたのですが、昇格どころか昇給すらほとんどありませんでした。年収でいうと、330万円くらいです。前年度と比べて年収が5,000円しか上がっていなかったので、絶望でした。


入職6年目の給料

このころの変化といえば、まず結婚後、妻が仕事を辞めた事、子どもが生まれたことです。それによって扶養手当がつくようになります。これが大きいです。
もう一つはケアマネの試験に合格したことです。それにより資格手当がわずか2,000円上がります。もちろん生活相談員とケアマネは兼務しています。
あと、この時初めて昇格しました。それによる手当もつくようになりました。正直なところ、どれだけ頑張っても給料が上がらないことに不満を持ちはじめていたので、ケアマネを取っても給料が上がらなければ、転職を考えていました。
という事を施設長に話したところ、年度が変わる1週間前に昇格を言い渡されました。良いんだか悪いんだか・・・
この年の年収で400万円くらいとなります。ぶっちゃけ、扶養手当が無ければ360万円くらいです。

ちなみに、この辺りの年から介護職員処遇改善加算の率が上昇し、介護職員はとても恩恵を受けています。
当初生活相談員・介護支援専門員や看護職員、事務職員等は処遇改善手当がもらえませんでした。介護職員と生活相談員や介護支援専門員の給料逆転現象が起こるのです。
これまでは一般的に、給料は介護職員<生活相談員<介護支援専門員みたいな構図でした。
それが、この介護職員処遇改善加算率のアップ、さらには介護職員等特定処遇改善加算、ベースアップ加算の創設により、介護職員のための手当が増額されています。そのため、頑張って勉強してケアマネの資格を取っても、介護職員のほうが給料が高いという現象が起きています。


2年前の給料

割と最近の給料です。主任に昇格した事に加え、処遇改善手当が若干ではありますが当たるようになりました。ちなみに処遇改善手当ですが、10年以上勤めている介護職員は月5万円以上支給されます。
それ以外の介護職員は3万円、介護職員以外は8千円です。
生活相談員とケアマネを兼務している10年目の私の年収は450万円ほどですが、同じ10年目、主任の介護職員の年収は500万円を超えています。
このころから残業・休日出勤をしていた自分がバカみたいに思えてきたので、やっと定時で帰り、休みは休むという習慣がつきました。(当たり前のことなのですが)
また、休みの日に職場から電話が来ても出ない、休憩時間中に電話が来ても応対しないという、仕事とプライベートの区分けを徹底し始めました。
それに加えて有休消化です。それまでは体調不良以外に有給休暇を取ったことがありませんでした。10年目にしてようやくそれ以外の理由で有休を取得しています。付与されたすべてを使うことはありませんが、年間で15日くらいは取得しています。

10年間で昇格もあり、年収は120万円ほど増えています。
しかし、介護職員と比較してしまうと、どうしてもかないません。
言い方は悪いですが、テキトーに10年過ごしている介護職員のほうが、頑張っている生活相談員やケアマネジャーより給料は高いです。
特にケアマネジャーは取得するのにかなりお金がかかります。合格するためにテキストを買ったり、試験にお金がかかったり、何より研修費用がとんでもなく高いです。合格後の研修で7万円くらい、5年後の更新研修で6万円くらいかかります。

今の国の制度上、ケアマネとして仕事をするための費用は高額で、避けて通れません。研修内容も正直クソみたいで、ただただ時間と体力とお金が奪われてしまいます。
私の場合研修費用の会社負担はないので、全額自己負担でした。現在は生活相談員とケアマネの兼務から外れ、ただの事務職員になっていますが、正直ほっとしています。(更新料したばっかりなのに・・・更新料返せよ!)

私個人の意見ですが
介護職員として働いている方には、ケアマネは急いで取らないほうがいいとお伝えしたいです。介護現場を離れ、専任のケアマネや生活相談員になったら給料は下がります。
ただし、一生介護職員で終えたくないのであれば、資格は取った方がいいと思います。
若いうちはいいと思います。でも、40歳になっても、50歳になっても、ずっと高齢者のオムツを交換したいですか?夜勤をやって寿命を縮めたいですか?介護の仕事が好きならば、それでよいと思います。
ただ残念ながら勉強しなければ一生介護職員から離れることはできません。身体を壊してからってケアマネや相談員として働かせてくれるわけではありません。

給料は介護職員よりも少ないけれど、自分のタイミングでたくさん有休は使うし、急なシフト交代もない。固定給、固定勤務時間で安定した生活リズムを作る。これは介護をやっていると叶わないことです。
結局は一人仕事なので、自分の仕事は自分でやるしかない、残った仕事は明日やればいい。周りに迷惑をかけることはありません。
体力仕事ではないので、よっぽどのころが無い限り仕事ができなくなることはありません。年をとっても続けられます。

どちらを選択するかは、自分次第です。



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