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この心が死ぬ前にあの海で君と(東里胡)
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仕事を抜け出して、札幌の喫茶ドロシーで読み進めていた「この心が死ぬ前にあの海で君と」(東里胡)を読み終えました。
著者の東里胡さんはライト文芸大賞青春賞を受賞。受賞作である「感情ミュート」を改題した本作でアルファポリス文庫から書籍化デビューされました。
ツイッタ(ああ、また書いてしまった。何度、今はもう「X」なんだよと自分に言い聞かせればいいのか!)やnoteでの交流をご縁に購入しました。YAと一般文芸との中間にあるように思える文庫にも興味がありましたし。ちなみに、美しいイラストの雰囲気から伝わるとおり、いわゆるライトノベルとは距離がありそう。
読んでみますと……。
最近、児童書、または古い小説(安岡章太郎とか)ばかり読んでいたので、正直なところはじめは本のリズムに乗れませんでした。
がしかし、いったんリズムに乗ってしまえば、最後まで心地よく読み切ることができました!
元のタイトル「感情ミュート」は、主人公が自分の心を押し殺すようにして蓋をして周囲との軋轢を避けようとすることを現します。
そのタイトルもいいだけど、物語の世界全体を伝えるには、やっぱり今のタイトルのほうがグッときます!
物語は全編、北海道弁、というよりは函館弁(浜言葉とも)に満ちあふれています。方言全開の会話というと、関西や広島地方を舞台にした作品に多いように思っていましたので、新鮮な驚きと衝撃があります。