五箇山へ向かうバス
いよいよ旅のメインとも言うべき五箇山へと出発します。
五箇山へ向かうバスは、加越能バスが運行する世界遺産バスです。高岡、城端を通り、五箇山を経由して白川郷まで至ります。
ぼくたちが乗ったのはアニメのタイアップしたバスで、車体も高速バスなどに使われる大型でシートもゆったりしたタイプでした。よくワカラナイけど、アニメキャラでラッピングされていて、なんとなくウキウキしますね。
関心のある方は、こちら→true tears ラッピングバス運行開始!
高岡から五箇山までは一時間と少しのバス旅です。到着までの間、五箇山を訪れようとしたきっかけをご紹介しましょうか。
奥さんが、もともとは白川郷に行きたがっていました。ですが富山の観光と親戚を訪問するという目的と一緒にこなすとなると、白川郷はやや遠いですね。高岡から五箇山は一時間半ほどですが、白川郷となると二時間を超えます。余計に時間がかかるということは、帰りの時間にも大きく影響します。現地を少し早くでなくてはいけません。そんな理由もあって、五箇山を選びました。ちなみに夫婦そろって紙の運転手ですから、レンタカーという選択肢はありません!
そして何と言っても、まんが道です。ここで五箇山という言葉を覚えなければ、白川郷を選んでいたかもしれません。そう考えると、A先生の「まんが道」には人生大きく影響されていますね。
そうこう話しているうちに、バスは能作を出て高速道路へ。ちなみに能作では観光らしき若い女性が3人も降りて、ちょっと驚いた。いったい能作には何があるのか?
もしかしたら、彼女たちには彼女たちの「まんが道」があるのだろうか?
なんて考えいるうちに、バスは長さ3千メートルの五箇山トンネルを抜けて、五箇山へ入りました。あたりの様子が変わったような気がしますが、思い込みかもしれません。
五箇山はその名の通り、5つの谷で作られています。40もの集落で成り立っていますが、世界遺産に登録されているのは相倉と菅沼。高岡から行くと手前が相倉ですね。そこで東ヨーロッパっぽい言葉を話す家族と日本人観光客一人が降りました。
東ヨーロッパの家族(勝手に断定)は、30代と思われる夫婦と奥さんと年配の女性の3人連れ。顔がとても似ていたので、奥さんと年配の女性は母娘で間違いなさそうです。ふたりとも、とてもきれいな人でした。すぐ前の席に座っていたのですが、背もたれの間から顔がチラチラと見えるんですよ。彫りが深くて、やや憂愁を感じさせる面立ちは、やっぱり東ヨーロッパっぽかったですよ。
ところでバスの運転手さんがとても親切な人で、乗車したときにそれぞれの行き先を聞いて降車する客をチェックし、同時にバスに備え付けのガイドを渡して簡単な説明をしてくれて、バスの便数が少ないので、降りたら反対側(帰路)のバス停を確かろ、時間もチェックしろ、乗り遅れないように気をつけて、とアドバイスしてくれます。
しかも目的地に近いほうがよかろうと、(そこで乗車する客がいない限りは)バス停で停まらず、少し先まで行ってくれるという大サービスぶり!
厳密にいえば、路線バスであれ都市間バスであれ、バスは所定のバス停で停まることが定められているはずなんですが、そのあたりはおおらかというのか、ゆるいというのか。いや、苦情ではありません。心遣いに感動しているんです。もっともすべての運転手さんがそうだとは限らず、他のときに乗ったバスではそういうことはなかったです。
とかなんとか書いていたらバスは、その日の目的地のひとつであり宿泊先がある上梨に到着しました。泊まるのは「五箇山荘」。橋を渡って庄川を超えた山の上にあります。乗車した際に、今夜は上梨の五箇山荘に泊まる旨を伝えていたからでしょう。例によって運転手さんはバス停を超えて、五箇山荘に近い橋のそばまで行って停めてくれた上に、道の反対側にあるのが観光名所の村上家だとか、帰りのバス停の場所とか教えてくれました。こんな親切な運転手さんは見たことがありません!
外国人観光客も大感激でしょう。
「オウ、ジャパニーズ・バス・ドライバ・イズ・ベリー・ベリー・ベリー・カインド! アンビリーバボー、ワンダフル!!」
東ヨーロッパの言語では、なんていうのかなあ。