新オバケのQ太郎は全4巻を読んだら、やっぱり泣いた……
新オバケのQ太郎全4巻を買い揃えてしまいました。
少年漫画の趣が強かった旧作に比べると、「新」は児童漫画という気がします。正太の兄である伸一が河伊伊奈子にベタぼれだとか、Q太郎はU子にぞっこんであるなどラブコメ要素が濃くはある。しかし旧作では超然としていたドロンパが、ゴジラたちとボール遊びをしていたり、そのドロンパが居候している神成さんがやけに無邪気に空気銃で射的を楽しんだり、子どもたちといっしょになってU子をだます芝居に参加したりします。そのような、より年少向けになった面もあるんです。
なによりもQちゃんの質感、というか描線がやわらかくて、できたての大福もちみたいに、ペトんとした手触りが感じられるんですよ。このあたりは藤子・F・不二雄先生の作画力によるものでしょう。
ギャグも旧作からアップグレードしています。よりマンガらしいドタバタや意味不明な叫び声を使ったりと、楽しませてくれます。
切羽詰まって引いた福引に外れて、「アジャラカピー」と叫んで正気を失うQ太郎の様子や、O次郎が建築材料によさそうな石をたくさん見つけてきて、正太たちが喜んだのも束の間、それが墓石だと気がついて大慌ててで返しに行くドタバタ劇には笑います。
1巻から買い揃えて行ったのですが、3巻を買ってから4巻を買うのには時間がかかりました。躊躇していたのです。なぜなら4巻は新シリーズの最終話が掲載されているから。
1ページをまるごとベタ塗りで、窓から見えるQ太郎と正太のシルエットのセリフ、
「ずっと今夜だといいね、いつまでもいつまで」
に泣かされそうで読むのを、購入するのをためらっていたんですよ。でも買いました。読みました。
そして、やっぱり泣いたよ。