見出し画像

鑑賞日 20200418
於 アップリンク渋谷
主演 ダヌシュ、シュルティ・ハーサン、スンデル・ラーム

これはほんとにどう扱ってよいかわからぬ案件でした。もともと噂で聴いていたのですが、本当に最後まで見て、なんでこうなるの?なんとかしようがあったでしょ?どーしたかったの??とかとかとか。ある意味クセの強いIDEらしい選択かと。

内容(感想)に関してはネタバレしないと書けないため、まだ見ていなくてこれから見たいヒトはここまで。

★あらすじ
主人公のラーム(ダヌシュ)の死とその衝撃のために完全に我を失った妻のジャナニ(シェルティ)のシーンから始まるので最後が悲劇になるのは織り込み済み。彼女の回想にのり18歳の雨の日の出会いから結婚までの道のり、結婚してからの幸せな二人、そこに突然起きた悲劇(冒頭)となり、その理由が明かされる。

★ネタバレ兼感想
インド映画の割に「I love you」と言わせたり、キスシーンや明らかなベッドシーンへの描写などがあって、インド映画としては挑戦的な試みだったのかな、と思う。着衣ですがちゃんと(?)ヤラしくてかなりドキドキしました(悪くはない)。その濃厚さが後半でも効果があったのか、全体的にねっとりしたイメージを拭えないところはあります。

★ここからマジのネタバレマジポイント領域★
そして問題の冒頭のシーン、ラームの死因は強盗やケンカなどではなくまさかの主人公の自殺でした。そして自殺の原因が双極性障害。ここがわたし的もやもやポイント。インドでこの病気がどう扱われているのかわかりませんが、あんまり軽々しい取り扱いはどうなのかしら、と。映画の中でメンタルヘルスに行き始めたとき、二重人格モノのサスペンスかな?とか思ったら違くて。
最初に本人ではなく友人が察して先に相談しに行くのはよしとしても、その後の診断結果で躁状態の時に著しい暴力性が認められると分かったうえでもその後のケアを友人に任せるとかどう考えてもヤブ医者。本人が強く希望するからと言っても家族に伝えないのはおかしい。対応方法が若夫婦二人の家庭に友人が一緒に暮らしていつも見張っているしかなかった、てのもおかしい。全然気づいていない妻、あれだけ濃密な二人にありえるのかそんなこと…。などなどいくらでも出てくる。双極性障害について詳しいことは分からないけど(躁と鬱が同時に発症するってあるの?)悲劇を描きたいから双極性障害をネタとして持ってきたかのように見える。よくない。マジよくない。最後「自殺をしても何も解決しません」という主旨のメッセージが表示されるのですが…いや双極性障害=自殺じゃないだろうし、せめて『これは悪いパターンです、正しい病院へ行きましょう』の方が良かったんじゃないの?的な。自分としては「大変だったけど、なんとか復活できました」的なゴールが欲しいのだけど、インド映画の悲劇モノって一切の救いなく悲劇に突っ込んでいくということが散見されるので、そういう作りが彼らの常套句なのかな、とか思ったり…。
というような問題作なのでウケるのかもしれない。一番ウケる理由はこんな作品でもダヌシュのキレキレダンスなのかもしれない。あとシュルティがめっちゃ美人。

また、いくつかタミル作品、テルグ作品を見ているとよく見かける俳優さん達がいます。ダヌシュの母親は多分Chatrapathiでシヴァージ(プラバース)のお母さん役をやっていた、そしてシェルティのお母さん役はバーフバリでシヴドゥ(プラバース)のお母さんサンガをやっていた役者さんでした。

しかしこれがウケて双極性障害カッコいいとか勘違いされたらホントの悲劇だよな。流石にそれはないか…。

もやもや度 ★★★★★★★ 
セクシー度 ★★★★★
前半と後半での違い度 ★★★★★★★

せめてソングは悲劇のヒの字も見えなかった頃のものを。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?