Mr.ハンサム -Perazhagan
鑑賞日 20210422
於 アップリンク渋谷
出演 スーリヤ、ジョティカー
人の価値は容姿の美醜にはない、というテーマです。ただその演出がこってりなのがインド映画もしくはタミル映画ということかと。体に障害があり容姿も恵まれていないチンナと盲目に生まれつき大道芸で糧を得ている心優しい女性シェバンガム、恵まれた家庭に育ち大学ではボクシングの選手として活躍(?)するカールティクとやはり恵まれた家庭に育った美しいプリヤーの二組のカップルが登場。これらのカップルをそれぞれ同じ役者が一人二役というのがこの映画の一つの見どころ。
★前半あらすじネタバレあり★
孤児のチンナはそろそろ結婚をと考えて親友の結婚ブローカーの世話でお見合いをするが破談、これまでもことごとく破談をしてきたが育ての親のためにもそろそろ結婚を決めたい頃。チンナは仕事先でカールティクと知り合い、彼の話を聞いてカールティクとプリヤーの恋路を応援することにした。またおなじころチンナは盲目の女性シェバンガムと出会う。チンナはプリヤーとそっくりだが素朴で優しいシェバンガムの世話を買って出る。なにくれとなく親切に世話をしてくれるチンナにシェバンガムは心惹かれる。
カールティクはかなりの乱暴者でプリヤーの親に嫌われていた。結婚を反対されたため二人は駆け落ちを決意するがそこで不幸な事件が発生しプリヤーは命を落とす。彼女を失ったカールティクは廃人にようになってしまう。一方チンナはシェバンガムの視力を取り戻してあげたいといろいろと手を尽くして手配をし、とうとうその時を迎える。病院で手術をして視力を取り戻したシェバンガムの最初に目にした人物はチンナではなくカールティクだった。カールティクはプリヤーとそっくりのシェバンガムをみて驚く。シェバンガムも目の前に立っている人物がチンナだと思い、二人は病室で抱擁する。その姿をチンナは目撃してしまう。
★ここから本気のネタバレand感想領域★
チンナはくる病で背中にこぶがありまっすぐ歩くこともできない、かつ(特殊メイクだけど)出っ歯だったり田舎くさい髪型だったりと確かに恵まれているとは言い難い。さらにその病気のせいで親に捨てられて孤児になったと推測できる。彼がシェバンガムへの愛を口にするシーンでこれまで何度も自分からお見合いを断っていたことが語られる。そこではじめて容姿・障害があることが遠慮となり自分から破談を申し入れてたことがわかる(そうは直接語っていないけどやはりそうなのだ)。それまで映画の中でのチンナは明るく前向きで、2004年当時の作品とは言えかなりあけすけに障害のことを突っ込まれてもそれ以上の生きるパワーがある”パワフルなキャラクター”に描かれていた。だから安心して見ていた自分はそのチンナの告白で隙をつかれてしまった。
また一方のカールティクはと言えば、ボクシングの試合中にキレて観客を殴りだすなど全然共感できないキャラだったりする。親は悪くない職業についており、本人はイケメン。でもちゃんと生活できなさそうだし、なんかこだわり強いし、思い込み激しいし(だから突然の駆け落ちとかになるんだろうね)顔意外はどこがいいのか分からない。このキャラの濃さが後半でむんむんに生かされてます。シェバンガムは視力を手にする前のチンナを愛しているからカールティクが別人だということはすぐにわかり彼をはねのけます。しかしプリヤーとそっくりのシェバンガムに出会った彼は文字通りストーカーとなって夜昼構わず執拗に彼女の周りに出現…窓を開けるとそこに、ドアを開けるとそこに‥‥暗闇の向こうでそんな男の影が…シェバンガムじゃなくたって警察案件ですよ。これって最後はシェバンガムがカールティクに追い詰められて殺されて終わるんじゃないか…とこのあたり怖すぎて一番覚えていますねww。なお話はちゃんと本筋に戻ります。
最初に一人二役というのがこの映画の一つの見どころと書きましたが、ジョティカー演じるプリヤーとシェバンガムがそっくりであることはこの作品の大事なポイントなのは間違いありません。でもスーリヤさん演じるチンナとカールティクは似ているところは一つもありません。なので見どころは同じ人がこれだけ違う演技をするってところなのだと。でもあんまりにもイロモノっぽい(あるいは障碍者のテンプレっぽい)チンナを見てると、ううううん、どうなんだろうこれ…と思ったりもする。また、別に障害があっても容姿をそこまで変える必要があったのかな、とか。徹底的に美醜の差をつけたかったのかもしれないし、15年前の作品だからこんなものなのかもしれないし。という感じで演出はびっくりすることろはあるけど、お話は分かりやすいです。
★ちなみに
素のスーリヤさんはホントにハンサム。なのでヘッダー画像にこれだけをアップするのがちょっと気が引けてしまうw
これホントに同じ人?度 ★★★★★★★★★★★★★
実はオカルト映画度 ★★★★★★
王道のストーリー度 ★★★★★★
♪上記では触れていないけどシェバンガムがとお兄さんが大道芸を見せる歌から始まるデートシーンの数々。歌がよいしお兄さんがホントにいい人なんだ。