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「ネコハナ」代表に聞いた!花屋で購入できる猫OKな花7選

「猫と花」。最強にキュンとなる組み合わせではありますが、実は猫にとって700種類以上の植物は“毒”になる可能性が高いとされています。そこで、獣医師であり、猫にも安全性が高い花をお届けするサービスを行う「ネコハナ」代表の庄野舞さんに、フラワーショップでも手に入りやすく、猫OKな花の品種を教えていただきました!


猫にとってなぜ花は毒になる?

「花の品種によって、また猫によってどんな症状が出るかというのは一概には言えませんが、肝臓の代謝経路が人間や犬と異なることなどもあり、毒性のある花や葉を食べたり、花粉に触れたりすると、嘔吐や下痢などといった中毒症状が出る可能性があります。どこの部分が毒なのかわかっている品種もありますが、それはほんの一部。完全に解明はされておらず、安全性が“グレー”のものも含めるとNGの植物は、700種類以上にのぼるとされています」具体的にどの成分が猫に毒になるかはまだ解明されていないため、大切な猫のために、中毒症状が出やすい花を置くのは避けた方がよさそう。

どんな花がNG?

・ユリ
・チューリップ
・カーネーション
・ポインセチア
・アジサイ

「身近な花では、ユリや、同じくユリ科のチューリップ。また、母の日に贈るカーネーションも毒性があるので猫の生活エリアに置くのは避けた方がいいです。これからの時季に出回るポインセチアや、梅雨時期に咲くアジサイも毒性があるので猫が舐めたり、食べたりすると危険です」

安全性が高い花は?

・ジニア(百日草)
・アマランサス
・キンギョソウ
・ケイトウ
・ヒマワリ
・ハルシャギク
・ヤグルマギク
(※この2つ以外の菊科の多くの品種はNG)

「これらはアメリカ動物虐待防止協会ASPCAが定めるPlants Non-toxic to Cats リストに掲載されている毒性がないとされる品種です。ケイトウは『羽毛ケイトウ』『トサカケイトウ』どちらもOK。ちなみにハーブではバジルとローズマリーもネコフレンドリーな植物なんです。ただし、ハーブは独特の香りが嫌いな猫もいるのでストレスに感じていないか様子をみてあげる方がよいです。花屋で購入する花は、生産環境や流通の仕方によっては100%安全とはいえないため、何かあったらかかりつけ医に相談をしてください」

猫には花はどう映っている?

「猫は人間と色の見え方が異なります。人間が赤、青、緑の3色型色覚なのに対して、猫は青、緑の2色型色覚とされています。そのため、猫は赤色を識別することができず、青と緑、それらを掛け合わせた色が、猫が見ている世界。猫には花のカラフルさは伝わっていないかもしれませんが、花の香りはもちろん、葉っぱや茎の緑色などは認識できているようです。『いいニオイだね、グリーンきれいだね』と話しかけてコミュニケーションをとるのもいいかもしれません」

花を安全に飾るには?

「好奇心の強い子は、クンクンと花をかいだり、舐めたりするのでどこに置いても必ず近づいてきます。なので、工夫するなら花瓶の選び方。写真のように細長い筒状の瓶が連結したデザインなどは倒れにくいです。また口が狭いものだと猫の手が入らないので安心。ガラス製に見えるポリカーボネート製の花瓶なら割れにくいため、ガラスの飛び散りなども防げます」

安全度の高い花を届けたい思いで「ネコハナ」設立

元々獣医師として動物病院で勤務をしていた庄野さん。その時に「花を飾って愛猫と楽しみたい」という相談に対して、「多くの花は毒性があるので危険」と注意喚起することしかできず、心苦しい想いをしていたそう。「もし飾れる花の品種がわかったら、愛猫家も我慢せずにすむのでは?」と一念発起し、2023年8月に花の配達サービス「ネコハナ」を設立。
「猫に関する論文や海外の文献を徹底的に調べることにはじまり、猫に安全性の高い無農薬の花を栽培する農家さん探しもイチから行いました。安定して供給できるよう土壌に合った花をテスト栽培し、配送ルートも農薬を使った花と一緒にならないように、産地から直出荷できる独自の配送ステーションを設置するなど、輸送面でも安全性の配慮にこだわり、ようやく事業をスタートできるというところまでたどり着くのに約3年かかりました」

実際にネコハナでのサービスが開始されると、「今までずっと我慢していた、猫と花の可愛らしい写真が撮れるようになって嬉しい」との声が届くようになり、利用者がSNSにアップした写真たちを見ることが庄野さんの癒しにもつながっているそう。また、意外にも知人の猫へのお見舞い用の花やお供えの花としてサービスを活用する人も増えていると明かします。
「ご自宅用としてはもちろん、愛猫家の心を豊かにするギフトとしても選択肢に加えていただけたら嬉しいです」と語る庄野さん。ネコフレンドリーな花は、人と猫の暮らしをすこしカラフルに、楽しい変化をもたらしてくれる存在になりそうです。

お話をお伺いしたのは、
庄野舞(しょうの・まい)

東京大学付属動物医療センターにて内科獣医師として勤務後、ペット系ベンチャー企業に転職。新規事業の立ち上げや動物病院の買収運営に携わる。2023年8月に、猫オーナーのためのサービスを展開する「ネコハナ」を設立。10月30日には、新作の「ネコハナ オーガニックハンドクリーム」も発売開始。愛猫は、今回撮影にも参加してくれたメインクーンのカール君(12)。

「ネコハナ」
猫にとって安全性の高い花だけをお届けするギフトサービスや定期便のサブスクリプションを展開。花は完全無農薬、化学肥料不使用のものを厳選している。人と猫の暮らしを豊かにする商品なども順次展開予定。※冬場は無農薬・有機栽培での供給が不安定となるため、定期便は11月~3月まで休止。

スタッフクレジット:
photo:Koichi Tanoue 
edit&text:Miho Sato
Produced by MCS(Magazine House Creative Studio)

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