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AIとスマホから税金を取ることを考えてみた

AI技術は、社会に革新をもたらす可能性を秘めている。しかし、同時に看過できない問題点も孕んでいる。それは、AIの利用に伴い、私たち人間がAIに費やす時間、そしてAIサービスへの依存度が増大しているということ、そしてAIの運用に必要な電力消費量が莫大であるということだ。

人間のAI依存

AIによる情報収集、コンテンツ生成、コミュニケーション、サービス利用など、AIは生活の様々な場面に浸透し、私たちはAIに多くの時間を費やすようになっている。例えば、MMD研究所の2023年の調査によると、日本のスマートフォン普及率は96.3%に達しており、10代〜40代のスマートフォン保有率はほぼ100%である。総務省の「令和3年版 情報通信白書」では、日本の世帯におけるスマートフォンの保有率は86.8%と報告されている。これらのデータから、日本人の多くがスマートフォンを所有し、日常的にAIサービスを利用していることがわかる。

この問題は、人間の思考力や創造性の低下、主体性の喪失、そしてAIへの過度な依存による社会的な問題に繋がっている。AIに頼りきりになることで、自ら考える力や問題解決能力が衰え、創造的な発想や行動力が失われてしまう可能性がある。また、AIが提供する情報やサービスに依存しすぎると、主体的に判断し行動する能力が低下し、AIに操られるままになってしまう危険性もある。

AIの電力消費

さらに、AIの運用には莫大な電力を必要とする。IEA(国際エネルギー機関)のレポートによると、世界のデータセンターの電力消費量は2021年に約220〜320TWhに達し、これは世界の電力消費量の約1%に相当する。そして、AIの利用拡大に伴い、データセンターの電力消費量はさらに増加すると予測されている。この増加は、地球温暖化やエネルギー問題の深刻化に拍車をかける可能性がある。

AI税導入の提案

これらの問題に対し、有効な対策の一つとして考えられるのが、AI税の導入である。AI税は、AIサービスへのアクセス手段として広く普及しているスマートフォンを課税対象とし、1台につき年間500円の税金を課すというものである。

仮に、日本の1億2500万人の人口のうち、80%がスマートフォンを保有していると仮定すると、1台につき年間500円のAI税を導入することで、年間500億円(1億2500万人 × 80% × 500円)の税収が見込める。

このAI税によって得られた税収は、以下のように活用することができる。

  • 教育機関への投資: AI教育の充実、思考力・創造性・主体性を育む教育プログラムの開発、人材育成プログラムの開発など。

  • 省エネルギー技術の研究開発: AIの電力消費量を削減するための技術開発を支援する。

  • 再生可能エネルギーの導入促進: データセンターの電力供給に再生可能エネルギーを活用するための補助金制度などを設ける。

AI税の導入は、人々に対し、AIとの適切な距離感を保ち、自身の能力を最大限に発揮することを促す効果も期待できる。AI税を導入することで、人々はAIに過度に依存することのコストを意識するようになる。その結果、AIをあくまでもツールとして捉え、自身の思考力や創造性を活かすようになるだろう。

AI税の導入は、AI技術の健全な発展と人間中心の社会を実現するためにも必要不可欠である。AI技術は、社会に多くの恩恵をもたらす可能性を秘めているが、その発展は、人間の能力開発と自律的な成長、そして地球環境への配慮と両立してこそ意味がある。AI税は、AI技術の健全な発展を促し、人間がAIに支配されるのではなく、AIを主体的に活用する持続可能な社会を築くための重要な政策手段となるだろう。

AI税導入に反対する意見もあるだろう。しかし、人間社会と地球の未来を考えれば、AI税導入の必要性は明らかである。AI技術の発展と人間中心の社会、そして地球環境の保全の両立のため、AI税導入は避けて通れない道である。

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Yamato Nagata
いつも記事を読んでいただき、ありがとうございます 何かを感じたり、考えるきっかけになったりしたら、とても嬉しいです。