『Xデー(倒産日)』を待つのが耐えられない真面目な社長
👤債権者の立場にもなってみろ💢
という相反するご意見は重々承知した上で、今回は迷惑を掛ける側(債務者)の心境について書いてみる。
☝️私が経営していたスーパーは・・・、もう聞き飽きたでしょうからやめておきますが、早い話倒産しました(泣)。信用不安から取引先がその日の納品をしてくれなかった事が引き金となりました。
赤字から黒字に転換して間もなかったのですが、キャッシュが尽きて万事休す。その日をもって105年の歴史に幕を下ろしました。
まあそんなよくある倒産話はこの際置いといて、一般的に会社が破綻(倒産)するのは、様々な支払いが出来なくなった状態、いわゆる「資金ショート(不渡り)」した時です。
私の経験した倒産を一気に潰れる「出会い頭系倒産」と仮定すると、私自身はそれまで厳しい経営状況が続いてはいたが、その日まで「倒産の恐怖」の実感はありませんでした。倒産を回避して、恐怖から逃れるために頑張っていた最中の「強制終了」だったからです。
☝️しかし多くの倒産劇は違います。
会社の資金繰りがひっ迫し、もうニッチもサッチもいかず、もうダメだ(><)と社長が悟った時、まずは懇意の税理士または弁護士などの専門家に相談します。
👤「先生、万策尽きて会社を畳む決心をしました。あとはお任せします_| ̄|○」
・裁判所に「破産申請」するにもお金が掛かります。当然弁護士にも多額の報酬が発生します。「地獄の沙汰も金次第」を痛感します。
・社長が連帯保証人の場合は「自己破産』して、個人の資産は換金して債権者に弁済します。
・社長やご家族の生活もありますから、ある程度の手持ち資金がないと困ります。ありますか?(ある訳ないです)
そこであらかじめ会社が倒産する日『Xデー』を決めておいて、社長の手元に少しでも現金をプールするという作業を選択する場合があります。
専門家に聞いても「手元にお金がなければ破産処理もできません」と言われます。そして最低限のプールなら、社長の命を守るための「必要悪」とのイメージか。もちろん債権者にしてみたら一円残らず回収するのが当然のこと。私もよく理解しています。
☝️「では社長、Xデーを来月の25日(金)にしましょう。10日の支払い無視できませんが、15日からの支払いは全て止めてください。そして25日の入金を現金化してそのまま営業を停止してください。」こんな流れになる…。
👤今日からXデーまで50日か…
人の良い社長は、会社が潰れることを知りながら、頑張ってくれている従業員の顔などまともに見られるはずもない。地域の寄り合いも欠席すると悪い噂が立つから休めない、冠婚葬祭だって義理は欠けない。潰れるのが分かっているのに、辛い毎日が続きます。
ほぼ大多数の人の良い社長さんはこんな感じで悩むもの。申し訳なくて合わせる顔もない。支払えないと分かっていても仕事を外注することもある。まさに「生き地獄」の毎日である。倒産は犯罪ではないので、同情することくらいは許されるだろう。
☝️片や皆さんの周りでこんな話を耳にしたことはないだろうか?
👥「あの社長、目一杯現金を溜め込んだ末に会社を潰してトンズラしたみたいだよ!南の島で悠々自適の暮らしをしているらしいな」
南の島はともかく、現実にそんな倒産社長もいる。(債権者集会は大揉めだろうが…)
真面目な社長は、すぐ後に迫った「Xデー」まで、何食わぬ顔でみんなの前になど出られない。アドバイスに従ってそうしてはみたものの、責任を感じて消えてしまっても責められない。そして債権者も債務者も不幸になる。
👤逃げちゃダメです!プールしたお金は法的に認められた分だけ手元に残して、残りは裁判所(管財人)に預けましょう。逃げなければまた稼げますから!
こんなアドバイスをした、残暑の一日でした。
#Xデー
#計画倒産と責められて