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今日も大吉、2月8日〜15日のタイトルと、石崎光瑤、やっぱりすごくない?という話。

セブンイレブンのコピー機で、絶対に大吉が出るおみくじ的エッセイがプリントできます。

2月8日〜15日のタイトルは、

●9241
●その人そのものでいる時間
●つぼみ
●メガネ
●令和5年の怨霊
●恋なすび、愛のリンゴ
●熱先輩 
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“その桑の幹に手をかけて一転して丘の上に身を現したとき、嬉しさのあまり、自分はグルグルとそのあたりを無意識に廻っていた。

そこには大輪の一重の白芍薬が幾十輪となく研を競うていたのであった。”

南砺市福光美術館の図書室で、石崎光瑤がインド旅行に行った時に撮影した写真と、文章をまとめた本を読んでいたら、上の文章を見つけた。

野山に花が咲いていた!すごくきれいだ!というだけで、ハイジのように喜びを大爆発させる石崎。
インド旅行中も、美しい風景を見るたびに感嘆の声をあげ、現地の案内人達に笑われていたらしい。

石崎がインドに旅立ったのは、第一次世界大戦勃発中。
お世辞にも安全だとは言えない中でも、絶対絶対行きたい!!という気持ちを抑えきれなかったのだろう。

日本山学会に所属し、民間人初の剱岳登頂をした彼は、ヒマラヤに登りたい!という衝動を抑えきれず、
日本大使館に「マジで危ないからやめとけ」と勧告されながらも決行する。
「現地のシェルパに拉致られたりする可能性があるから、せめて、ピストルとか持ってった方が良いんじゃない?」と言われても、

「30人もいるシェルパに襲われたら、ピストル一つ持ってただけでは役にたたんから、そんならもう仲良くなって襲われないようにするしかない!」
と豪語し、本当に和気あいあいと山行しとるからすごい。

彼が絵描きだと知った現地の人々は、
「あれも描け、これも描け」と、
美しい花を手折って持って来てくれたそう。楽しんでるなー!

こういう話を知ると、なんでこの世から戦争が無くならないのかが本当に分からない。
人類みんなに共通する、「お花がきれい」だとか、「高い山に登りたい」だとか、 
そういう感性や向上心だけで、生きていけないものなのか。

そして、彼のヒマラヤ登山の中に羊が出てくる。
食料として一緒に登って、食べられちゃった羊。
ああこの羊は食べられちゃうんだなと、石崎はちょっとセンチメンタルになっている。

他にも、川岸で遺体を荼毘に付している様子を見たり、生と死が常に隣り合わせである事を、彼はあらためて痛感する。

インドの鮮やかな色彩の裏にあるもの。
あの世とこの世の狭間で目にした、爆発的に輝く光を、
帰国後の石崎は「燦雨」という作品で表現したのだろう。
見たいなー。いつ行けば見れるん?

彼のインド旅行記と、撮影した写真の数々は、歴史的にもすごく貴重なものらしい。
あの時代に、外国で撮影され、かつ撮影した場所がちゃんと特定できるものって、あんまりないらしいです。

でも彼は、なんにも気負う事無く、私たちがスマホできれいな風景を撮るような素直さで、写真を撮っていたみたいですよ。

歴史学者でも地理学者でもない、ほとんど知識もない私が撮った写真だから、あんまり期待しないでね、
という、彼のあとがきみたいなものも書いてありました。

“植物学上の分類等を解しない子供達が、野山を彩る八千草を摘み採ったのと一緒です。”

と、謙遜している。謙遜の仕方も、美しいよねー!!

100年以上前の大冒険に、私はもうメロメロになってしまった。
彼の事がもっと知りたい!!全ての作品が見たい。
石川も京都も行かんといけん。インドよりはバカみたいに近いから、ちゃんと行こう。

日本画家に推しはいなかったのだけど、こんなに面白い人がいた事を知れて良かったよ。

本人には会えないけど、作品にはずっと会えるから、美術館って最高。







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