木村一貴

神奈川県川崎市にあるやまと診療所武蔵小杉という在宅診療所で在宅診療医をしています。

木村一貴

神奈川県川崎市にあるやまと診療所武蔵小杉という在宅診療所で在宅診療医をしています。

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やまと診療所武蔵小杉のミッション

やまと診療所武蔵小杉院長の木村一貴です。 2020年8月、院長になることが決まった際に、 やまと診療所武蔵小杉という診療所がどうなったらいいのか? ということを考えました。 ドラッガーはマネジメントという本の中で、 マネジメントを考えるにあたって 「事業は何か? 顧客とは誰か?」 ということをまず考える。 という点を指摘しています。 例えば、ポルシェの顧客は誰か? 「自動車を売る事業」と考えるのと、 「ステータスを売る事業」と考えるのでは 全然違う捉え方になります。 前

    • 担当者会議

      やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 当院では、可能であれば担当者会議に参加させていただくようにしています。 患者さん、ご家族、診療所、訪問看護ステーション、 ケアマネジャー、デイサービスなど、 さまざまな職種で集まって患者さんの話をする貴重な機会。 普段はそれぞれの事業所とお話する機会はありますが、 1対1の話し合いの連続で誤解が生じることもあります。 私達診療所が関わることができるのは医療の部分です。 さまざまな職種の関わりで、 色々な疑問や意見をそれぞれが抱え

      • 病院の仕事と在宅診療の仕事

        やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 大学を卒業してから14年間、病院で働きました。 循環器内科医【心臓を扱う医師】として、 心臓カテーテルによる治療を行いました。 病院での仕事は、 心臓疾患にかかった人を治療すること。 そして家に帰すこと。 外来と入院。検査と治療。 心臓を扱う医師としての醍醐味は、 不整脈や心筋梗塞など、 今にも心臓が止まりそうな患者さんを歩いて帰すことができることだ と思って仕事をしていました。 たまには、心臓が止まって運ばれてきた患者さんに 人

        • グロービス経営大学院

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 2022年4月からグロービス経営大学院という大学院に通っています。 医師という職業から、起業家という経験を一度してみて 在宅診療所の院長に。 診療所のマネジメントという仕事は医師の仕事とは違うかもしれない。 という気持ちと、 前にダメだった起業という選択のどこがダメだったのか知りたい。 という想いで通うことにしました。 東京、名古屋、大阪、仙台、福岡、オンラインで 1200名の同期の方がいます。 その中でおそらく30〜40名ほど

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        やまと診療所武蔵小杉のミッション

          インフォームドコンセント<情報提供と選択>

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 人生の最期の期間を伴走し、見送らせていただく在宅診療では 患者さんの病状を説明し、選択肢を提示することがあります。 例えば、 最後の最後で食事が摂れなくなった時に、 どのように過ごしたいのか? 口から摂れなくなったら、自然の経過を望むのか? 水分だけの点滴で対応して欲しいのか? 胃瘻や経静脈栄養など、人工的に栄養を入れることで 可能な限り長生きしてもらいたいのか? 選択肢を与えられて選択していく過程は、 患者さんそれぞれ、ご家族そ

          インフォームドコンセント<情報提供と選択>

          診療所のミッションと起業

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 こちらの記事の続きになります。 現在、やまと診療所武蔵小杉のミッションにしている 「人それぞれの幸せを考え続ける場所」 この「幸せ」というワードは、 事業の終了と共に心に刻んだ部分があります。 前の事業では患者さんに良いことができると思ったけれど何にもならなかった。 途中で中断してしまったことで色々な方に迷惑をかけてしまった。 周りの人を幸せにできなかった。 ずっと1人で考え続けていた2〜3ヶ月。 どうやって人とコミュニケーション

          診療所のミッションと起業

          事業の終焉

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 こちらの記事の続きになります。 自分の中では もう続けるのが難しい。 では、助けてくれるって言って下さった方々になんて言おう。 株式も購入いただいて、これからって時に。 なんて情けないのだ。 自分は本物にはなれなかった。 味方になるって言ってくださった方々に顔向けできない。 ネガティブな思考がぐるぐる。 そのまま更に1ヶ月が経過しました。 ぐずぐずしていた時にやっと、 お世話になった方々に もう続けられません。ごめんなさい。 味

          事業の終焉

          2020年新年と不安の連鎖

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 こちらの続きになります。 多摩大学名誉教授・シンクタンク「ソフィアバンク」代表の田坂広志さんは、 我々が逆境を越えられない理由は、実は、その逆境に「正対」できなくなるからだ とおっしゃいます。 逆境が立ちはだかった時、事実を受け入れて対策を考えるのではなく、 過去に後悔し、未来への不安を考え続ける。 それによって逆境を乗り越えられないのだと。 2019年末に、味方になっていただいたプロフェッショナルの方々に 自社の株式を購入していた

          2020年新年と不安の連鎖

          資金調達

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 https://note.com/yamatokimura/n/nd9090a3a3a98 こちらの続きです。 素晴らしい味方になってくださる人が現れてくれた。 自分のやりたいことに共感して協力してもらえることになった。 とても嬉しくなりました。 でも、現状は1人なので、 今後は一緒に動画を作ってくれる人や 病院に売ってくれる人に協力してもらって、 動画をたくさん作らなくてはならない。 販売にあたって、デザイン性に優れたUIの

          老衰と点滴

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 先日、やまと診療所のドクター内でオンラインで意見交換がありました。 テーマは 「老衰の患者さんに点滴を続けるか?」 ■老衰について 老衰。 定義が難しいのですが、 ご高齢の方が徐々に体力が低下していき、 食事が取れなくなり衰弱していくことだと思います。 食事摂取が少なくなり栄養が取れない状態が長く続くと、 血液の中のタンパク質が少なくなります。 血液の中のタンパク質は水を血液に引き込む作用があり、 血液の中に水分を留めておけな

          老衰と点滴

          納得解

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 在宅診療では、患者さんの内科疾患を全て診ます。 病院の治療と異なり、 臓器別で診るわけではないため、 ガイドラインなどの治療指針を全体で適応することができません。 また、たまたま同じ疾患がある方でも 患者さんの家族、同居家族などの介護状況、金銭状況、人生観などによって 治療方針が大きく異なります。 日々、これで良いのかな?と迷うこともあります。 そのため、やまと診療所武蔵小杉では日々 医師、看護師、診療アシスタントが患者さんの診療

          強力な味方

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 自分の以前の起業のお話。 の続きです。 病院に販売してみて、 事務長に会うことができた病院からの成約は0。 でもどうしよう。 販売してみて、している間は動画作りも止まってしまう。 自分1人ではどうしようもない。 途方に暮れつつ、次の手を探します。 始動プログラムでピッチをして意見をいただいたメンターの方から、 以前、その方のメンタリングプログラムに参加しないか? と言っていただいたことを思い出しました。 素晴らしいマーケタ

          強力な味方

          やまと診療所武蔵小杉の在宅診療でできること

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 病院での診療と在宅診療は異なるため、 在宅診療でできることは限られます。 まず、できないこと。 できないことは、 手術、カテーテルなどの特別な治療 レントゲン検査、CT、MRIなどの特別な検査はできません。 診療所によってはレントゲンの機械を持っていく所もあるようです。 できること。 <検査> 採血、尿検査、心電図 エコー(腹部・心臓) コロナ検査(PCR検査、抗原検査) ペースメーカーチェック <治療> 酸素投与、人工呼吸 点滴

          やまと診療所武蔵小杉の在宅診療でできること

          月刊致知2023.7 学を為す故に書を読む

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 月刊致知という人間学の月刊誌を購読しています。 今回は2023年7月号の購読をして感じたことを書きます。 <紀文食品社長 堤裕さん> 1年に四季があるように、人生にも春夏秋冬の周期があります。春に芽が出て、夏に盛りを迎えて、秋に刈り取りをしたら、冬の間に次の春に向けた備えをしなければいけない。会社や社会にもっともっと役に立てるように、自分という人間に深みをつける必要があると思います。 言葉というのは心の発露だと思うんです。自分に十分な中

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          趣味③温泉と岩盤浴

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 最近、温泉や岩盤浴が好きです。 岩盤浴は妻とLaQuaに行って久しぶりにしてみたら ハマってしまって、2〜3か月に1回くらいのペースで行っています。 最近は、横浜駅近くのインスパという施設に行っています。 ワーケーションスペースがあるので、 パソコンをいじって疲れたら岩盤浴みたいな感じで 過ご死ます。 また、武蔵小山にある清水湯という温泉に毎週行っています。 黄金の湯と黒湯の2種類の露天風呂があります。 タオルを持って行きます

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          人生会議

          やまと診療所武蔵小杉の木村一貴です。 やまと診療所武蔵小杉では、 人それぞれの幸せを考え続けることが大事 と考えています。 患者・家族の幸せってなんだろう? 幸せの中で我々が関わることができるのはほんの一部です。 患者さんが苦痛がなく過ごせるように。 「わたしは、こう生きたい」を実現できるように。 それを支える家族の負担が少なくなるように。 後悔が少なくなるように。 考え続けたい。 私は、最期をどう過ごしたいのか。 聞けそうな方には聞くようにしています。 アドバン